表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界散文録  作者: lithium
5/5

ミーシャの告白第一部

 この世界には音声と文字が密着した言語であふれている。まだ、愚民どもはその常識に囚われているのか。私は音声を持たない言語こそ至高と考えている。いや、愚民どもに我らの計画が漏れては困るからだが。言語に文字と音声があると思っている愚民どもには、我らの用いる言語なぞ理解できない。だから愚民どもは愚民から進化できないのだ。

 我らの集会は愚民どもの社会から隔離された地域で開かれる。地図にすらない。そんなところだ。我らの結社はこの世界を支配している。だから、愚民どもに計画が漏れることはない。我らの結社のある地域も、ウリス国の国有地として愚民どもの立ち入りができないようにしている。律令に従うだけ統率の取れた愚民ということだ。なんて扱いやすいのだろうか。

 ―結社結成の詔


 私はミーシャ。この世界を支配しているとされている秘密結社、「タカ」について研究している。ここでは、その結社についての情報を残しておくこととする。私はいつ殺されてもおかしくないからだ。

 まずこの結社について。この結社は、世界を支配し、民の気づかぬ間に結社の手下にすることを目的としている。この結社は、ウリス国が生まれる少し前に誕生した。その経緯と、なぜ世界を支配できたのかを説明していく。

 この世界は、この惑星系でない生命体によって興された。これに関しては事実で、この生命体が存在しなければ、我らの生活も無かっただろう。(これからはその生命体を地球人と表記し、地球人の元居た惑星を地球と表記する)

 なぜ、この世界に国というシステムができたのか。それは簡単である。地球と同じようにするためである。国というシステムは、その地域にいる人をまとめて統率し、管理する組織である。このシステムを用いれば、人々を支配することが容易になる。始まりの国、ウリス国を作るときに暗躍したのが、タカである。ウリス国の元首はお手本として地球人が就任したが、その補佐役として就任した人のほとんどがタカの人である。そして、タカの情報網によってウリス国は繁栄したといっても過言ではないであろう。


 考えてみてほしい。ウリス国から独立したはずなのに、一つの国を除いたすべての国がウリス国に癒着していたことを。私のような学者は皆「独立した意味とは」と異口同音であった。この独立にもタカが深く関与している。独立する。つまり、直接支配する範囲が狭まるということだ。直接支配する範囲が狭まるということは、支配の目が確実な物になるということである。そう、タカの意思に反する者を探しやすくなるということである。更に、国の運営も楽になるということもある。それぞれが小さなコミュニティーとすることで、どこかで起こった損害の影響が小さくなり、支援がしやすいからだ。

 そしてこのことに関してもう一つある。そう、唯一癒着しなかった国の存在だ。その癒着しなかった国というのが、「トミ国」である。トミ国と聞くと、テロリストの国家という印象が強いと思う。それこそ、タカによる印象操作での賜物であろう。これは、地球であった「ヒトラー」による恐怖政治と似ている。この話はd星ではあまり有名なものではないが、地球では誰もが知ることである。では、このヒトラーによる恐怖政治について軽く触れることにする。

 時は大戦争。この戦争は、世界が自らを軸にして回っているという理念を掲げた枢軸国と、それに対する連合軍の戦争である。この戦争は、世界全てを巻き込み、地球史上最大の戦争となった。この枢軸国の一つに、「ドイツ帝国」と呼ばれる国があった。この国は、三大枢軸国のひとつで、とても強大な力を有していた。この戦争は、この国によって引き起こされた。この国は、戦争中のトミ国のように独裁政治を執っていた。このときの指導者が執った政治体制が「恐怖政治」である。この恐怖政治とは、その国民に同じ敵を植え付け、団結力を高めるというものだ。然し、このときの「敵」は、ドイツ帝国に被害を加えたわけではない。ただ、「国民にとって敵として植え付けやすい」という理由だ。この植え付けによって、罪のない敵が多く迫害された。

 この話、トミ国の実例と似てはいないだろうか。トミ国は、独立して間もなく、癒着状態から離れた。このことへの報復として、ウリス国を含む癒着集団はトミ国を共通の敵とした。そしてトミ国は、国際社会から切り離された。そして、世界的な戦闘状態となった。

 ここで私は、「タカの陰謀に気が付いた集団が、それに抗議するために蜂起した」という仮説を立てたい。この仮説では、何もかも辻褄が合うように捉えられる。蜂起した理由を知ったタカが、それらを始末するために「戦争」と称した、ということだ。

 ただ、一つ引っかかる点があるだろう。そう、トミ国は世界的にテロを起こしていた、という点であろう。確かに、トミ国は多くのテロを起こした。これもタカが関与しているとすれば話に筋が通る。これは飽く迄私の憶測だが、テロ行為が、癒着集団の国民に共通の敵を形成するとっておきの策である。そう、このテロを起こした人はトミ国の工作員でなく、タカの工作員だということだ。こう説明をすればすべてが線で繋がる。


 ここからは、タカについて書くことにする。

 タカは多くの暗号がある。代表される暗号として、集会の日がある。タカの集会をする日は、とある詩になって伝えられている。

  この背中に翼が生えるとき

  僕も一緒に飛びたいな

  右の翼は短くて

  左の翼は長くて

  六十人の入るくらい

  でも僕は待てないから

  逆に翼が生えたとき

  僕も一緒に飛びたいな

 この詩は、タカの会員になるための登竜門となっている。つまり、この詩の意味を解けたものだけがタカの一員となり、その集会へ向かうこととなる。然し、タカの会員はどこで集会を開いているのか知らない。秘密を完全に守れる人はそういないからである。

 では、どのようにして会員は集会へ向かうのか。その手段を後悔したいと思う。先ず、集会が開かれる数週間前に、上の暗号が書かれた封書が家に届く。そして、暗号の答えを家に来た使者に渡す。もしその暗号の答えが正解していたら、家に使者が来て落ち合う地点と日時を伝えられる。その日時にその地点に向かうと、使者に目隠しをつけられ、薬品で気絶させられる。そして、目が覚めたときには集会場についている、ということだ。こうすることで、会員には一切、集会場の位置は伝わらない。

 何故、ここまでして集会場の位置を隠蔽するのか。理由は簡単で、襲撃を防ぐためである。裏で世界を支配する秘密結社である以上、表にバレてはいけないのだ。私はこの情報をどこで手に入れたのかは残さないことにする。被害を受けるのは私だけでいいからだ。この詩を独自に解いたので、この下に書くことにする。自力で解きたい人はここで一旦読むのを中止することをおススメする。

 この詩は、何かの暗示である。先ずは一行目から。「この背中に翼が生えるとき」この「背中」は「後半球」を表している。そして「翼」これは次の行と関わっている。この「翼」とは、二本の線分を表している。二行目「僕も一緒に飛びたいな」この文章自体にはあまり意味がない。「集会に行く」程度に捉えていただけるとありがたい。三、四行目「右の翼は短くて 左の翼は長くて」これは、「二本の線分の内の一本は短く、一本は長い」ということだ。では、どこの点とつないでいるのか。この二つの点は、「e星」と「f星」を指していると考えらえる。後半球から生える翼、それはつまり「d星から生える翼」ということだ。つまり、点が宇宙空間にあるということである。「短い方の線分はe星と」繋がっていて、「長い方の線分はf星」と繋がっている、ということだ。五行目「六十人の入るくらい」は、「線分間の角度が60°」ということである。六行目「でも僕は待てないから」という文章にはあまり意味がない。「集会が複数回ある」程度に捉えてほしい。七行目「逆に翼が生えたとき」は、後半球の逆である「前半球」から二本の線分を引けたとき、ということである。八行目「僕も一緒に飛びたいな」という文章にはあまり意味がない。「集会に行く」程度に捉えていただきたい。つまり、「前半球・後半球の中心からe星・f星に線分を引いたときに、その線分同士の角度が60°になるときに集会を開く」ということである。


 まだまだタカについて書くべき事項はあるが、これ以上書いている時間はない。細切れに残さないと、消されたときの損害がとても大きくなってしまう。

 もし私が消されてなければ、次回、また会おう。

お疲れさまでした。

今回は、よくある秘密結社系の文章を書きました。

意味が分からないと思いますが、私も意味が分からないので、あまり気にしないでください。

では

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ