表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界散文録  作者: lithium
2/5

死んでなお死す

 「ん、ここはどこだ?」

さっきまで俺は葵と話をしていたはず…。それがいつの間にか俺は、この謎の暗い空間にいる。

 見渡す限り闇。多分俺は地面に横たわっているのだろうが、何だか浮遊しているような錯覚に襲われている。天国?地獄?然しそれにしては何もなさ過ぎる。考えるにこの空間は、天国行か地獄行かを決める審判の部屋なのであろう。審判員はいつ来るのだろうか。

 「なんだあれ…」

ほんの少し前まで闇であった空間に、一筋の白い罅が入った。稲妻のようにどんどん闇が割れていく。気が付けば全天に罅が入っていた。

「ん?崩れてきてる?」

パラパラと今まで闇であった何かが降ってくる。闇が削れ、そこからは白い空間が顔を見せている。そして広がり続けた罅が足元にまで及んでいた。まさか、足下が崩れるとか言わないよな…。

 予想に反し、地面も崩れ始めた。外堀から攻めていくように、白が俺の足下まで広がってくる。驚きが強すぎて、恐怖心も何もない。

「ちょっ、ちょっと待て!」

俺の声に反応するかのように、崩れる速度が上がってくる。そして、俺の足下の闇も崩れ始めた。

 俺を支えるものが一切無くなり、闇の欠片とともに落下していく。上を見ると、さっきまで俺がいた空間は跡形もなく消えている。一面白。いつまで落下し続けるのだろうか。


 「ん、ここはどこだ?」

俺は白い地面を見つめていた。…あれ?さっきまで俺は落ちていたはず。落ちていて…。

 顔を上げる。すると目の前に少女が立っていた。俺に微笑みかけている。多分この子は、俺が天国行か地獄行かを決定する審判員なのであろう。

 刹那、腹に鈍い痛みを感じた。咄嗟に腹を見る。腹には白い槍みたいなものが貫通していた。その槍を沿って見上げると、少女が槍を握っていた。微笑みながら。血が止まらない。

「え?」

視界がだんだん暗くなっていく。俺は死ぬのか…。


お疲れさまでした。

主人公死にましたね。

勘のいい方なら、タイトルの意味が分かったはずです。

これからの展開が気になりますね…。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ