明日の空へ
ごく当たり前にいる女性が主人公
今日も疲れたなあ。
仕事を終えた私はとぼとぼと歩く。靴ずれをした右足をかばいながら。
今日の仕事は、イベントの受付。
派遣社員の私は、よほど苦痛な部類でない限り依頼を受けている。
慣れないヒールを一日履いていたから、足先まで痛い。
今日の仕事はしんどかったなあ、そんな気持ちを足が語っている。
業務内容はそれほどでもない。
この受付を一緒にこなした社員がなかなかのクセモノだった。
なんというか、ライバル心むき出しで。
今日の仕事内容は、単純なものだった。
来客ひとりひとりに受付で、名前を書いてもらい、パンフレットを一部ずつ渡すだけ。
もちろん、常識の範囲内のマナーは要求される。
会社の顔として好感のある笑顔で接客する。
合コンと勘違いしているんだろうか?
隣で受付をしている20歳くらいの女子社員は、こちらが恥ずかしいくらい媚を売っていた。若そうなイケメンが私に話しかけようものなら割って入ってくる。
話の輪に入る程度なら良いが、完全に自分ワールドを展開する。
他の来客者は無視。
「私の客はとらないでよね」
と私を睨む。
苛立ちをむき出しの態度で。
仕方なく、後ろのおじ様たちを私1人で引き受けた。
娼婦じゃないんだからさ。
取る気はさらさらないわよ。
もちろん、あなたの会社でのポジションも興味ないし。
仕事での出会いで、そこまで必死に「女」をアピールする気はない。
確かに、今、恋人はいない。
が、そこまで飢えていない。
でも、結局、男って、そういうアピールに弱いのよね。
あの場でメルアドまで交換してしまう彼女のバイタリティには脱帽した。




