第9話 窓から見える。
まだ夏じゃない、と自分に言い聞かせていた。
ミーンミンミンミン
夏だ。
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「暑い・・・。」
今は放課後、明日から体育祭の練習が始まるというときに私とブラック先生は
このアッツイ中でグラウンドに出ている。位置の確認のためだ。
太陽がギンギラギン。日焼け対策はバッチリ行っているけれど、光が突き刺さる感じがする。
しかも・・・・。ペアはあのブラック先生!
天敵といってもいい。
「セイラー!こっちこいよーーーー」
嬉しく無いけど、ブラック先生と私は幼馴染み。
私は、ブラックくんとか、ブラック先生って呼んでるんだけど。あやつは私のことを
昔から変わらずセイラって呼び捨てにするの!それだけでもむかっとくるのに
イケメンなのよ!やつは!だからチャラくなったんだけどね。
周りには、誰かしらがくっついてて。それなのに大きな声でセイラーって呼ぶの。どうなるか分かる?わかるでしょ。
あなた何者なの?邪魔しないでっ!って目で見られたのよ・。
おかげで、上履き隠しは日常茶飯事!とってもつらかった。まあ、そのおかげでイジメのスペシャリストになれたんだけどね、、、。
「今行くーー。」
返事をして向かう。
「見ろよ。これ。」
「あっ蝶々っ!可愛いーーーー」
「だろっ。」
そこにいたのはモンシロチョウ。しかも二匹。
オスとメスかな?もしそうだったら幸せになってね。
「蝶々教えてくれるなんて良いとこあるじゃん」
「はっ?何言ってんの。オレはもともと良いやつなんだよ!」
「へぇーーー。」
そういえば。英語を好きになるきっかけ、ブラック先生だったかも。
このことだけはありがとうだね。
「セイラ、早く結婚しろよ。」
「えっ?」
「オレは周りにお姫様がたくさんいるからねーーー。近いうちかな。」
確かに私は独身だけど。悔しい!言ってること正しいし!
今ブラック先生意外といい人って思ったのに。
やっぱりいい人じゃなかった。
はぁ。
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「もーう。ブラック先生ったら。こんなことするなら言っちゃえば良いのに。」
「しょうがない、それが男だ。」
「本当?周りにはバレバレなのにね。」
「相手が鈍くて気づいてないよ。きっと。」
「そう。私はある可能性に期待してるけどね。」
「ある可能性?」
「うん。様子を見ると限りなく低いけど。」
「へー。」
「絵になるんだけどなー。あの二人。」
「道は長そうだけどな。」
「ほんと。周りにたっくさんいるのに、呼び捨てにするの、本人だけ。」
「気づきそうなもんだけどな。」
「いいのよそれで。あの二人は。」
二階の1ーCから見ていた二人はこんな会話をしていた。
窓にはもちろん、笑いあう二人が映っていた。
緑憐 「皆さまこんにちわ。今日はブラック先生を紹介します。」
ブ 「こんにちわーー!お姫様、好きだよー」
緑憐 /いきなり来た!チャラ/
ブ 「担当は書写・書道だよ!クラスは3ーAもってまーす。」
緑憐 「チャラい理由はまだあります。今後の更新で明らかに。次回もお楽しみにー!」