第4話 ずたぼろスーツ
「ふぁぁぁー。」
あくびの音がする。
そんな大きなあくびの音が聞こえても誰も返事をしない。
みんな疲れているのだ。
あの後、チャナ先生とカチ先生の姿に生徒たちはドン引きし、司会は口を開けたまま気絶。カチ先生が「落ち着いて。」と声をかけるが、ずたぼろスーツを着ているその姿では火に油だ。そこら中から悲鳴があがる。今度はチャナ先生がなだめるも、上は水玉、下はストライプのよれよれパジャマにみんな目がいき説得力はまるでなし。おまけに時間に厳しい銀先生がプンスカ怒っている、まさに動物園だった。
そんな状態だったのに始業式を無事に終わらせたのである。先生たちはすごい、と私は改めて思った。
「会議始めるぞーーーー!」
カチ先生の言葉に返事したのは一人しかいない。
つまりあの人である。
「ふあーーぃ。」
お分かりだろうか、チャナ先生である。
このあくび混ざりの返事。私は聞くと毎回くすっと笑ってしまう。
「リボンもう帰る!」
そう立ち上がったのは、目がとろんとしているリボン先生だ。
「チョイ待てよ。」
行かれては困るとカチ先生がすかさず止める。
「リボンは疲れたの!帰って寝たいの!」
「おいおい。やめてくれよぉー」
すぅーすぅー すぅーすぅー
「ほらっ。チャナ先生だって寝てるじゃない!みんな疲れて眠いのよ!今日は明日に備えて家で寝るべき!」
「勘違いするな!チャナはいつも寝・・・・」
「リボン先生に賛成、私も帰るわ。」
「えっ。えっ。会議は?どうすんの?」
「明日で良いでしょ。」
次々に先生たちが帰っていく。
「じゃあ、あとは長い付き合いのカチ先生お願いします。」
最後の一人、ブラック先生が職員室を出て行く。
カチの目には、気持ち良さそうなチャナ先生が映った。
「しょうがねぇなぁ。」
カチ先生がチャナ先生を背負う。
「行くか。」
数時間後、夕日に映るカチ先生の洋服はスーツよりもずたぼろだった。
手にはもちろん、あの、ずたぼろスーツがあった。
緑憐「こんにちわ。今日はカチ先生を紹介します。」
カチ「俺は体育を担当してる。クラスは1ーAだ!そんで、、、」
緑憐「長くなりそうなので、ここのへんで終わります。次回もお楽しみに。」