第17話 ーーーありさ目線ーーー体育館での話②
「ねぇねぇ。先生たち。8人しか居ないんだけど。」
1.2.3.4.5........
「ほんとだ。」
「ねっでしょ。」
どうしたの?本当に!
不思議に思ったのは、私たちだけではなかった。
ステージ上にあがった先生たちが、その声をもっと大きくしていく。
「カチ先生と、チャナ先生が、いない。」
本当にいなかった。
「みんなー、見るとわかるだろうが、カチ先生とチャナ先生がいないんだ。」
先生の言葉で沈黙する。
「連絡が、つかないんだ・・・・・・。」
その声は、絞り出すような声だった。
「もう、長く。行方不明。安否も分からない。」
「えっ。」 「うそぉ。」
驚きの声が走る。
当然だ。
だってあんなに、元気だったんだから。
だって。
「見ての通り。俺らは8人。このメンバーでやっていくしか無い・・・」
「体育はブラック先生。美術は私、セイラが担当するわ。」
なんか、もう。諦めちゃってるの?
それなら。
私だけでも、信じていよう。
「何だってぇーーーーーーーーーーーーー!
俺の他に、体育教師はいないぞーーーーーーーーー!」
力強い声が響いた。
聞き慣れた声。
いっつも、うるさい声。
この声は、
「「「「「「カチ先生」」」」」」」
みんなの声が一つになった。
「遅刻、かな?」
「「「「「「はいっっっっっっっっっっっっっっっっっ!」」」」」」
「マジ、か。」
カチ先生らしい、と言えば。らしいね。
先生たちも知らなかったらしく、口をあんぐり開けていた。
「僕も忘れないでよ。」
この声は
「「「「「「チャナ先生!」」」」」」
チャナ先生の顔に笑顔が浮かんだ。
「「「「「「お帰りなさい!」」」」」」
「ただいまっ!」
育成中学校は、また、スタートをきった。
「僕もいるんだけどね。...きっとみんな、気づいてないな・・・・・・・・」