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おばあちゃんの異世界漫遊記  作者: まめのこ
【第1章】新しい世界
8/58

7 孵るのは1人だけじゃなく・・・


ダーラはサナギから孵り猛烈にお腹が空いているのか、アガットが作ったクッキー、パウンドケーキをほぼ1人で平らげた。それでも足りないのだろう、話しに受け答えしているがチラチラとキッチンの方を見ている。


医師が目覚めるのを待ちつつアガットは昼食の準備を始めた。


目覚めたばかりで胃腸が弱っているかもしれないので、トマトスープを作る


 じゃがいもを茹で軽くつぶして人参、きゅうり、玉ねぎ、ハム、卵を入れ塩、酢と多めの胡椒で味つけたら副菜のポテトサラダの完成。


 カーラが昨日作ってくれた豚のブロック煮を切り分けフライパンで焼いていく。別のフライパンにすりおろしたリンゴ半分と白ワイン、砂糖と塩を入れてトロトロになるまで混ぜて豚肉の上にかければポークソテーの完成。


 キャベツはまるまる半分を芯を切って一口大にカットしておく。にんにくと唐辛子、みじん切りのアンチョビを鍋に入れる。いい匂いが漂ってきたらキャベツを突っ込んで強火で一気に炒めていき、塩胡椒で味を整えたらキャベツのアンチョビ炒めの完成。


最後にライ麦パンをどんっと丸々の食卓に乗せて昼食のスタート。



やっぱりまだお腹が空いていたのか、ほとんどの食事はダーラの胃袋の中に吸い込まれていった。軽く2人前は食べていたはず。


昼食後に医師が目覚めたので問診をしたが、急激に成長したことと魔力が更に大幅上昇した以外はどこも問題無くすこぶる健康と診断された。


〜〜〜〜〜


夜になり久々に4人でのんびりとした時間を過ごす。


アガットはダーラに刺繍を習う。武器だけでなく装飾魔法として力が付属するか試したいのだ。


 カランッ 


カーラが手入れをしていた剣が床に転がる。


 バサリ


今度はツェーラが読んでいた本も。


2人を見やると眠っていた。


「カーラ?ツェーラ?」

疲れているのだろうか、部屋で休んでほしいと肩を揺するが起きる気配はない。

ペチペチと顔を叩いても反応ない。


「2人ともどうしちゃったの?」

「ダーラの時とおんなじだよ。多分もうすぐサナギに包まれる。」


脱力具合と肌がわずかに光り始めているので同じ症状だろうと判断する。

寝室に運ぶのは無理なので、居間の机や椅子を退かし2人を絨毯の上に寝かせる。

程なくして強い光を帯び、2人はサナギになった。


〜〜〜〜〜


村の魔法使いが連日アガットの家を訪れダーラの容姿に驚きながらも話を聞き、2人の容体を確認していく。


「ちょっと休憩しようか。お茶入れるね。」

「ありがとう。今日はミルクティーが飲みたいなぁ・・・・」


来る人来る人似かよった質問をされ、いい加減うんざりしているのだろう疲れが滲んでる。

暖かいミルクティーと砂糖ポット、タルトタタンの乗った皿を机に並べると目に見えてダーラは上機嫌になった。


「このタルトおいしい!!!じんわりと甘さが口に広がる〜。」

「それ、キャラメルを少し焦がしてあるからあんまり甘くないでしょう?」

「大人の味〜〜幸せ〜。」


よほど気に入ったのか手足をばたつかせている。それですら様になるのだからびj・・・・いや何も言うまい。


「私の時は7日目でサナギから孵ったんでしょう?」

「うん。だから2人も今日ぐらいに孵るんだと思う・・・羽化したてはお腹が空くみたいだからご飯いっぱい準備しておこうと思って。」

「流石アガット、気がきく!私も羽化した時は尋常じゃない空腹感を感じてたから2人もありがたがるはずよ。私も仕込み手伝うね。」

「ありがとうダーラ。」



そしてその夜、食卓に入りきれないほどの食事を前にカーラとツェーラはサナギから孵った。


カーラの髪色はオレンジレットに変化した。全身から瑞々しく溢れ出る生命力の強さと、ジャガーのようなしなやかで均整のとれた手足と爛々と力強い緑の目が見るものを捉え惹きつける。


ツェーラの髪色はワインレッドに変化し、シンっとし静粛さと澄み切った雰囲気を纏っている。ほっそりとした体つきは凛とした百合のようで、思考深い清楚な目元が見る人々をひれ伏したい衝動にからせる。


2人ともダーラ同様に成熟し、光り輝いていた。

変哲も無い居間が舞踏会のような雰囲気に変化するほどだった。


ダーラ1人だけでも腰砕けだったアガットは、2人のオーラに当てられ今度こそ気を失った。


ついに三つ子全員が進化しました。

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