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おばあちゃんの異世界漫遊記  作者: まめのこ
【第1章】新しい世界
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5 魔法と異変

アガットが事前に森に入るという置き手紙を事前にしたせいか、村の入り口には人だかりが出来ていた。


もちろん先頭は三つ子だ。遠くからでも怒っていることが伺えた。


案の定2人ともこってり絞られた。


特にアガットは魔法が使えない分、より危険なため三つ子は生きた心地がしなかったというから怒りがどの位か想像つくだろう。


ダンとベッラの賭けの話を聞いていた生徒から話が広がり、ベラトリスも一緒に怒られた。


ベッラは本当にダンが森に行くとは考えてもおらず、しかもブラッドボアの授業をダンが聞いてなかったことも知らなかったのだ。


「アガット、ダン本当にごめんなさい!こんな事になるとは思ってなかったの・・・いつもの口喧嘩だと思って私酷いこと言っちゃっただけなの。本当にこんな事になってごめんなさい!!!」

「ベラトリスだけのせいじゃないよ。すぐ喧嘩腰になって、授業もまともに受けてないダンが一番悪いんだよ。」


ベッラは自分のしでかした事に泣きじゃくりずっと謝っている。

ダンの両親は日頃ベラトリスとダンが口喧嘩しているのを知っていたためベッラを強く叱るれないし、むしろ自分たちの息子が悪いとしか思えなかった。



「俺アガットが魔法使うの見たんだ!」


村の人だけじゃなく両親からの更なるお説教に怯えたダンはアガットを生贄に差し出すことを選んだ。


ダンのその一言で村の人々の注目は[子供が森に入った危険なこと]ということから[処遇に困っていたアガットの魔法]にシフトチェンジしたのだ。


そのことに顔色を変えるぐらい反応したのはやっぱり三つ子だった。何故なら親である彼女たちすら知らなかったのだから・・・・


「アガットどういうことか説明して欲しいの。」村を代表してツェーラが聞く。


アガットは経過を説明していった。


魔力は十分にあるのにも関わらず魔法が使えないのは何かが魔力を塞き止めているのではないかと考えたのだ。


昔孫たちと見た映画では魔法使いは杖と呪文を使って魔法を使っていた。

だがこの世界では皆簡易呪文のみで魔法を使えるのだ。


自分自身が塞き止めている原因ならば杖の代わりとなるものを作ればいいのではないかと考えたのだ。


まず、枝を使ってみたが、想像通り何も起きなかった。


次に杖を作ろうと考えたのだが、材料は何を使えばいいのか分からなかったし、どう作ればいいのかで詰まったためこれも没に。


カーラみたいに武器に魔法を付属させようとしたのだが、これもダメ。

試行錯誤をして失敗する毎日だった。


ダメ元で弓に呪文を掘って射ったところ、僅かばかりに的が焦げ付いたのだ。


これにヒントを得て色々な呪文を掘ってみると、簡易呪文より呪文の方が、呪文より古代呪文の方が魔法の制度が上がったのだ。


それからアガットは膨大な時間をかけて弓矢の一つ一つに長い古代呪文を掘っていった。


アガットの説明を聞いた村の人は羅針盤の示したことに間違いがなかった安堵とアガットの地道な努力と発想の転換に心底感心した。


特にトランドット姉妹の喜びようは人一倍だった。


帰ったらお祝いをしないと、上等な弓矢を作ってあげないと、古代魔法の勉強をさせなければなど浮き足立っていた。

アガットの魔法の件で森に入ったことがうやむやになったため村人たちは解散していった。


「あのさ、今日は本当にありがとう。お前が来てなければ俺死んでたと思う。色々嫌な事いっぱい言って本当にごめん。アガットは俺よりも度胸もあって勉強熱心ですごい奴だよ。」


両親に引きずられるようにして連れて行かれる前にダンには小声で感謝された。


「私たちも帰ろうか。」

「うん。今日はちょっと疲れた。」

「そりゃブラッドボア仕留めてんだから疲れるはずだよ!もっと弓矢が上達できるよう明日からビシバシしごくからね。」

「それと呪文の勉強もね。」


アガットもツェーラ達と一緒に家に帰る。


〜〜〜〜〜〜〜〜


家について一息つこうとして、ダーラの異変に気がつく。

椅子に座ったままぐったりとしているのだ。


「ダーラ、大丈夫?」

「うん・・・・安心したのか急に眠気が・・・」


そう言い終わらないうちにダーラは机に突っ伏してしまった。


「「「ダーラ!」」」


駆け寄って揺すってみても反応はない。カーラが叩いてみても起きる気配すらない。

意識を失ってるのだ。


「どうしよう・・どうしよう・・・私が森に行ってしまったから心配して気絶しちゃったんだ!」

「アガット落ち着きなさい。ツェーラ、ダーラの症状は心労か?」

「いや、この状態を見る限り何か他に原因があると思う。」

「人為的な可能性は?」

「分からない。とりあえず医者を呼んでこよう。」


慌ただしく騒ぐ3人をよそにダーラの体はどんどん光を帯び始めた。


3人が動けず注目しているとあまりの眩しさに目を開けているのすら出来なくなるほど光り輝きだす。


〜〜〜〜〜


どれほど目を瞑っていただろう。



眩しいほどの光は弱まり、アガットは恐る恐る目を開けた。


ダーラがいたところには椅子と机を押しのけるようにして巨大な卵のような、繭のような白く淡く光るものがあった。



ついにアガットの周りが強化されていきます。


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