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おばあちゃんの異世界漫遊記  作者: まめのこ
【第1章】新しい世界
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2 新しい日常

あの日、美しい少女・ダーラに拾われてから8年の歳月が過ぎた。


ミルクをもらいオシメを変えてもらい、離乳食になりつかまり立ちできるようになる頃にはこの世界が以前とは違うことを理解した。

何故なら日常生活で魔法を使用するのを見てきたから。

火を起こすのに魔法を使い、畑の水やりに魔法を使い、傷を癒すのに魔法を使う。


前の世界では考えられないことだった。


幸恵は新しくアガット・トランドットと名をもらった。茶色よりの赤毛と小麦色の肌をもち、瞳は大きいが少したれ目気味で、ぷっくりとした肉厚な唇をもつ。ライトグリーンの瞳とソバカスがトレードマークの普通の少女になった。


また、この世界の言葉が分かるようになってくるといろんなことに興味をもった。


例えば、アガットが生活するこの村・ネーベルは別名魔女の村とも言われており、村民全員が魔法を使うことができる数少ない村であること。

魔女の村と言われる所以はダーラと彼女の姉妹からくる。


ダーラ・トランドットは三つ子であり、三人とも才色兼備の美人姉妹であり、この世界でも数少ない上位魔法を使用することが可能な存在でもある。


長女のツェーラ・トランドットは三つ子の中で鑑定魔法と幻覚魔法に長けており、博識で頭が切れるため三人の中でもリーダー的存在でる。そしてこの村の魔法使いを統括する長でもある。165cmの身長とロングボブの赤毛そして鋭い目が特徴的なほっそりとした少女だ。絵画の中の気品高い王族の女性のような近寄りがたい雰囲気を持つが村民は彼女をとても慕っている。


次女カーラ・トランドットは三つ子の中でも攻撃魔法に長けており、武術と体術それに魔法を付属させた戦闘魔法に才能がある。明朗快活でよく笑うが、訓練となればとても厳しく、一度戦いともなれば闘神と化す。

身長が三つ子の中で一番高く178cmあり、どっしりとした体は筋肉質であるが柔軟でもある。短い赤毛と凛々しい眉毛が特徴的でひまわりのようだと皆いう。


長女ダーラ・トランドットは三つ子の中でも特に癒し魔法に長けており、薬草学と魔法薬学に対して才能をもつ。大らかで少女のような容姿にも関わらず皆に母として慕われている。身長が160cmと三つ子の中で一番身長が低く、膨よかなな体つきをしている。


三つ子は16、17歳の少女のような容姿をしているが200年以上も生きている。昔悪魔にプレゼントと称して魔法をかけられたらしく、悪魔と出会った時から容姿の時間が止まったのだという。


ネーベルという村は美しい泉と自然がある。周囲を樹海に囲まれて存在する。三人の魔女が魔法をかけており、普通の人見つけられない。まず樹海で迷い、気が付いたらスタート地点に戻ってしまうのだ。

村の人口は400人足らずと小さいが鍛冶屋や食堂から学校と医院も存在する。


村の子供は8歳になるとツェーラの持つ羅針盤により自分の得意魔法を計り、三つ子それぞれを師匠とし魔法を勉強することになる。


今日はアガットの魔法測定の日だった。


日の出と同時に起きて台所に向かう。釜に薪をくべて火をつける。


昨日食べた鳥の丸焼きの骨を取り置き、出汁を取っていた中に切った野菜を入れてポトフを煮込んでいく。平鍋にスライスしたライ麦パンを入れチーズを乗せて焼き色をつけ、取り出したらベーコンと卵も焼いて一緒に皿に盛り付ける。レタス、パプリカ、ミニトマト、りんごをスライスして器に盛り付けぶどうから取れたオイルとレモンを和えたドレッシングをかける。

器によそったヨーグルトに蜂蜜をかけ、紅茶を入れたポットの隣にミルクと砂糖を一緒に置いたところで三つ子が起きてきた。


「おはよう〜。」

「・・・・・・・。」

「今日もいいにおい〜〜〜。」

「カーラ、ツェーラ、ダーラおはよう。カーラ服を着てちょうだい。」

「いいじゃないか。誰も気にしてないんだから。」

「こら!つまみ食いしないの。風邪引いたら誰が面倒みると思ってるの。さあさあ顔を洗ってきたらご飯だよ。」


カーラに服を着せつつ、洗面所に追いやる。洗顔を済ませたツェーラとターラはもう各々の紅茶を飲んでいる。

カーラが座る前にスープを持ってもらってアガットも座る。四人揃たら朝食のはじまり。


「ツェーラ、昨日の服ほつれてたから縫っておいたから。ダーラ薬草畑の雑草抜いておいたよ。」

「昨日すごく忙しくて雑草の手入れ忘れてた。ありがとうアガット。」

「ほつれてた?全然気付かなかった・・・・。」

「ツェーラは仕事モードになると周りがみえなくなるからねぇ〜。」


わいわいと会話しながら、ご飯と食べる。これがこの世界でのアガットの大切な日常だ。


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