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新米国王、街に住む  作者: 彩森 いろは
第1章イルガード入団編
19/26

18話 イルガード入団審査、そして

「リーラ。朝からどうしたんだ?」

 客席に座っているリーラへ問いかける。


「メイルさんにお届け物を預かっておりまして、お届けにきました」

 リーラはいつものように明るく答える。

「まあ、立ち話もなんだ、メイルも座りな」

 フェヴィルがリーラの机を挟んだ向かい側の椅子を引いて、ここに座るようにと誘導する。

「はい」

 リーラの向かいの席に腰を掛ける。


「それで、私に届け物って?」

 単刀直入に切り出す。

「はい。これがお届け物です」

 そういうと、リーラは肩掛け鞄から封筒を出して手渡してきた。

「ありがとう」

 受け取った封筒には、表に私の名前、裏にはイルガード本部と書かれている。

 

 早速受け取った封筒を開けてみる。

 

 封筒の中には3枚の紙が入っていた。

 私は、その全ての紙に目を通した――。

 

 通知書と書かれた1枚目の紙にはこう書かれていた。

『メイル殿 貴殿のイルガード入団申請を受け、中央支部ギース班、班長ギースより、中央支部長及び団長へ審査依頼が行われた。それに伴い、審査の結果が以下の通りになったので通知する。支部長審査……合格 団長審査……合格 したがって、メイル殿の入団を認めることとする イルガード団長 オラトス』

 

 これが私の、イルガードへの入団が認められた瞬間だった。

 

 通知書を読み、顔をあげると、目の前のリーラが笑顔で、

「おめでとうございます!メイルさん!」

 そう言って私の合格を喜んでくれた。

 

「メイル。よかったな」

「おめでとう」

 フェヴィルとクレアも喜んでくれている。

 

「ありがとう」

 感謝の言葉をリーラ、フェヴィル、クレアに告げる。

 

 2枚目の紙は、任命書と書かれており、紙には、

『メイル殿 貴殿をイルガード中央支部ギース班への配属を任命する』

 と書かれていた。

 

 3枚目の紙は、今後の予定が書かれており、予定では数日後から本部での研修が行われる事になっていた。

 

 一通り話を終えると、リーラはイルガード本部へと戻り、お店は開店準備に入った。

 お昼の営業、夜の営業と、その日はいつも通り忙しかったが、何事もなく終えることができた。

 

 閉店後の片付けをしていると、

「メイル。そういや研修はいつからだ?」

 厨房で自分たちの晩御飯を作っているフェヴィルから聞かれる。

 

「予定では3日後に始まるみたいです」

 リーラから渡された予定表には、そう書かれていた。

「そうか。店の事は気にしなくていいから、しっかり研修を受けてきてくれ」

「はい。わかりました」


 お店は忙しいが、研修を受けなれば、団員としての活動を始める事ができないので、ここはお言葉に甘えさせてもらうことにした。

 

 片付けを終えて、フェヴィル、クレアと共に食事を囲む。

 その日の料理は、フェヴィルが、私のイルガード入団祝として、いつもより豪華な料理を作ってくれた。

 

 いつもより特別な日に、いつもより特別な料理。私はこの日を忘れることは無いだろう――。

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