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新米国王、街に住む  作者: 彩森 いろは
第1章イルガード入団編
18/26

17話 イルガード、入団審査2

 イルガードの本部を出て、小料理屋へと向かい歩き始める。

 思ったより早く終わったが、お昼の営業が既に始まっているので寄り道をせずに帰ることにした。

 

 昼間のスプリンの街は、朝市の時間と違い少し物寂しい印象を受けた。

 道行く人はみな仕事をしているのか足早に過ぎ去っていく。

 

 本部から歩いて15分ほどで小料理屋に着く。

 お店の扉を開けて中に入ると、ピーク時は過ぎたものの、まだ数組のお客さんが席に座っている。


「ただいま戻りました」

 そのまま厨房の方まで歩いていき、フェヴィルに向かって話す。

「おう。おかえり!早かったな」

 厨房で鍋を振っているフェヴィルが迎えてくれる。

「メイル。おかえり」

 空いたテーブルの食器の片付けをしているクレアからも声が掛かる。

「ただいま戻りました」

 

「すぐ準備して手伝いますね」

「ああ。頼む」

 そういうとフェヴィルは再び鍋を振り始める。

 

 私は、そのまますぐに2階の自室に上がり、店で着る服へと着替える。

 着替えを終えて降りると、いくつかの料理が厨房前のカウンターに置かれ、お客さんに運ばれるのを待っている状況だった。


「すぐ運びますね」

 次々と料理を作るフェヴィルに向かい話す。

「おう。頼む!」

 私はすぐに注文票と席番号を確認して運び始める。

 

 ――ピーク時間も過ぎて、店の扉に掛けられた看板を「CLOSE」にして昼の営業を終える。

 

「メイル。どうだった?」

 休憩のために、客席に腰かけたフェヴィルが尋ねてくる。

「はい。ギース班長に会って、班長審査は合格を貰いました。ギース班長って居酒屋のマスターだったんですね」

「良かったな。これでまずは一安心だな。そういや、ギースの事は言ってなかったな」

 フェヴィルは居酒屋に行くとすぐに酔っぱらうので、言い忘れるのは無理はない。

 

「明日か明後日には支部長と本部長の審査の結果もわかるみたいです」

「そうか。早く決まるといいな」

「はい!」

 

 その日の夜の営業は難なく終わり、いつも通り閉店作業を終えた。

 

 翌日も、いつも通り朝起きてクレアと共に朝市に買い出しに行く。

 いつも、私とクレアは分担して買い物をするのだが、毎日買い物をしているので、顔見知りになった商人の店では、安くしてくれたり、おまけをくれたりと、私もすっかりとこの街に馴染んでいる。

 

 クレアと合流し、両手いっぱいに荷物を抱え小料理屋へと向かう。

 中央広場から少し歩いて、小料理屋に着く。

 小料理屋の前に着くと、いつも、私とクレアが荷物をいっぱい持っている事を知っているフェヴィルが、店の扉を開けてくるので、クレアと共に入る。

 

 店の中に入ると、一番手前の客席に誰かが居た。

「あれ……?」

 まだ開店時間ではないはずだ……


「メイルさん!おはようございま~す!」

 ――そこには、客席に座るリーラの姿があった。

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