その①
コンコン音がなる。
やめてくれ、俺はもう寝たいんだ。夢の中で寝るってのもおかしな話だけど。うぬぬ、そうだな。
現実に戻りたいんだ。
そういって俺は寝ることに決意を固め、星柄の布団を頭までかぶる。
いや、普通転生したらテンション上がるもんだけど、これはなんか違くない?気づいたら、こんな星柄の部屋にいて、体が星の形。これでテンション上がるやつがいたら、絶対ヤバイやつ。いたらごめん。
コンコン
ドアを叩いてる音がするけど無視無視
コンコンコンコン
あー聞こえない聞こえない。無視無視
コンコンコンコンコンコン
いやー、いいお布団日和ですなー。無視無視
コンコンコンコンコンコンコンコン
スヤスヤ…無視…無視…
ゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴン
うぅうるせぇぇええええええ!!!!!
どこのどんなやつだ!!石になったろ!最後のほう石で叩いてただろ!
こっちは起きてからパニックの連続なんだよ!
これ以上パニックにさせんなよ!
まったくいったい全体どこのお子さんですかね、躾がなってないんじゃないかしら
いいぜ、そこまで挑戦的に来るならこっちも出向いてやるよ。けどな、どんな人だろうか俺は今バーサーカーモードだ。覚悟はいいかぁああ!?
俺はなかばヤケクソで扉をいきよいよく開けた。
「うわっ!」
驚いた声が聞こえた。
ふふ、びびったか!まだまだこれからだぜ!
さぁどんなやつだ!って...え...
これまでの出来事も衝撃だったけど、それ以上の衝撃がそこにはあった。そこにいたのは人じゃなかった。
鳥だ。
小鳥ぐらいの小さい鳥がそこにいた。
ん?んんん?こいつが今の声の主?こいつが扉を叩いてたの?
「おう、なんだよスター。いるなら早く出てこいよ」
あー、はいギブアップ。もう俺を現実に返してくれ。
「どうした?ボーッとして、なんか変なもの食べたか?」
許してくれ、俺がなにをしたんだ。神様…。
俺が脳を必死でフル回転させて考えてるのにも関わらず、この鳥はお構いなしに話しかけてくる。
「スター大変なんだ!王様がさらわれた!」
え、あ、はい。どうやら俺はスターという人物(?)らしい。もうどうにでもなれってんだ。んで、王様が誘拐されてこの鳥はどうしたんだ?
「早く助けにいかないと!」
......
「はい?」