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ろく

泥だんご作りにはツヤツヤなのです。

泥をこねこね、ギュギュックルクル。

砂をかけ、クルクルクルクル。

繰り返していくうちに、泥の球体が完成。

それを乾かして、端切れやいらないタオルで磨いて行く。

たまには子供っぽく泥遊びに勤しむ千早。

うん、今日は陽鞠や茜が出払って暇なので。

中庭の砂場で泥だんごを作っている。

ツヤツヤの、宝石みたいな輝きを放つ泥だんごだ。

焼き窯で焼けば、素焼きの玉に成るし。

色を塗ればそのままでも、綺麗だ。

粘土質や磁器や陶器に向いた土なら、食器とかも作れそうだが。

多分この中庭には、植物を育てるには向いていても。

粘土質の土のような、水捌けの悪い物は使っては居ないだろう。

まぁそれも、私は専門家じゃないからわから無いので、泥だんご作りで満足していた。

作った物は、縁側の泥だんご置き場に飾ってある。

素焼きの玉にした物は、花壇周りに飾って置いた。

最近居着いた庭師のドワーフのおっちゃん、名張(なばり)が何故か感激して、作るたびに飾っていた。

名張は本来は霧隠の里の者なのだが。

子供だらけなのを心配した夕日に頼まれて、我が家の庭師をしてくれている。

本来は鍛治師なのだが、腰を痛め現役を引いた後庭師になったんだそうな。

この国の庭師は、大地の魔法を使う為、余り力を必要とし無い。

その為、大地の魔法の素養のあった名張には、転職先としてうってつけだったようだ。

鍛治師になるくらいなので、物作りは全般好きなようで。

泥だんごは作り方を教えたら、彼も暇を見つけては作っていた。

何かして居ないと落ち着かない。

そんな職人気質の名張は、今日も完成した泥だんごに魅入られていた。

「御屋形様、これも綺麗ですなぁ。」

おっちゃん楽しそうで何よりです。

「私は、名張が昔作った護身刀の方が凄いと思うよ。

超綺麗だもん。」

すると、名張は照れ臭いのか、頭を掻いて泥だんご作りに行ってしまった。

現在、私の護身刀は名張が現役時代に母上から頼まれていた私用の品だ。

本来なら、嫁ぐ時に与えられる筈だったのだが。

御屋形様に襲名した際、渡された代物だ。

持ち手は、翡翠色の大きな魔法石がはめ込まれ。

銀の組紐で繰られ。

鞘は龍の透かし彫りが施され。

刀身はナイフと太刀の間ほどの大きさだ。

西洋刀では無く、日本刀の形をしていた。

刀はどれも見ても美しく。

普通なら戦闘に向かなそうな派手さが有る。

だが、魔法剣としてのブースト能力を付加されているようで。

これを持って戦うと、力の弱い私でもそれなりの魔力で達人レベルの火力になる。

御守り刀とか、護身刀と言うより、魔道具的な物かもしれ無い。

何せ、盗難防止策として、精霊さんが魔法石に住んで居て。

精霊さんが契約認識した相手でないと弾かれセキュリティの仕組みだ。

契約した持ち手は、月に一度魔力を食べさせるのが難点だが。

量は必要無いので、ちょっとふらっとするけども、献血よりは対した事無い。

因みに、初めてこの剣GETした時は、余りの綺麗さと精霊さんの愛らしさにノックアウトされて。

ついつい魔力渡し過ぎてぶっ倒れたのもイイオモイデダ。


夕方になって、陽鞠と茜が帰って来た。

何も言われて居無いけれど、簡単な野菜の下処理と、魚の下拵えをして置いた。

「まあ、これ御屋形様が?」

と、陽鞠がかなり驚いて居た。

まあ、皆に秘密だけど前世知識が有るとは言え、まだ八歳ですからね。

結構それなりの物は作れる。

ただ、まだ私は幼いから。

誰も居無い時に火は触らせてもらえ無い。

なので、野菜を適当な大きさに刻んだり。

簡単な肉や魚の臭み取りとか、骨抜きくらいなら出来るので、やれる事からたまには手伝って居た。

茜が敗北感丸出しで、こちらを眺めて居る。

この位で瞳のハイライト消すなや!

「陽鞠ちゃん、茜はいつ料理出来ますか?」

「んー?

味付けに砂糖と塩逆にしたり。

てんこ盛りに乗せたり。

芋の皮を身ごと削って小さくしたり。

煮物を焦がしたり。

焼き物焦がさなくなったらね。」

「陽鞠ちゃん…。

それ、治りますかね?」

「ふふふ。」

陽鞠いい笑顔。

ますます茜が面倒な事になって居た。

「二人とも、疲れたでしょ?

取り敢えず軽く汗流しておいでよ。

これは保冷室に居れておくから。

陽鞠、後はヨロシク。」

無理矢理話をぶった斬りました。

「はぁ〜い。」

「うう、茜の愛の手料理大作戦が、実行出来るのでしょうか?」

茜はなにやらブツクサ言ってますが。

まぁ、夕食とブラッシングでリセットされるでしょう。


次の日の朝。

「コケコッコー!」

いつものように、茜が鳴く。

「おはよう茜。」

「おはようございます、御屋形様!」

いつもの元気な茜に戻っていた。


今日も隠れ里は平和です。




たまには子供っぽく遊ばせて見ました。

後ドワーフのおっちゃん出して見た。

あ、千早の家は武家屋敷風の民家です。

ただし一階だけ。

五階建ての天守閣付きなお城になっていて。

地下も二階まで有ります。

ただ、結界魔法の関係で、建物の周りは林が取り囲み。

外から建物の肉眼で見えません。

中からは外が見える不思議構造。


それでは又

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