じゅうご
お引越し完了したらしいよ?
源氏の隠れ里も賑やかになりました。
まず、霧隠の男性が増えたのが、ここの適齢期のお姉様方には大好評です。
…まあこの里には、完全フリーって義経兄様位しか居なかったしね。
(え?鈴兄?
あー、彼は相変わらずなので同郷の方々にはスルー。
この里の娘達にはたまに食べられて居る程度で本命視されてはいないみたいです。)
この隠れ里の大きさは、元々広めな街だったので、霧隠の方々が50人位増えてもびくともしません。
世知辛い事に、平和な昔はもっと人が居たのだそうです。
むしろ、色んな男手が増える事が、かなり助かる事です。
何せ源氏の男手は、困った事に戦で大半やられてますからね。
義理堅い霧隠の方々は、先代の父上達から受けた恩返しになればと、妙に気合の入り過ぎてる方々も居ますが。
今の所は平和な感じです。
「御屋形様、お芋取れたのー!」
「御屋形様、いっしょにおやつたべりゅ?」
「御屋形様!遊んで〜!」
「御屋形様は、俺と遊ぶの!」
「御屋形様は、僕が護るの!」
まさかのモテ期到来ですか?←残念ながら違います。
私の護衛見習いとか、私の側近見習いとか、私の女官見習いとか。
まあ、ようは私より年下だったり年上だったりする子供らに、現在囲まれて居ます。
戦も想定すると、当主の私の護りが薄過ぎる事がどうしても気になっていたらしく。
霧隠の方々がねじ込んで来ました。
本来なら、父上達の指導の元で私共々当主教育として、子供達を育成して行く物ですが。
有る程度、霧隠で基礎教育を受けた者達で固めた状況みたいです。
でもまだ遊び相手位な感じですけどね。
…まあ、私が年の割にしっかりし過ぎてますから、かえって心配になったそうな。
前世持ちだからなぁ、とも言えず。
無下にも出来ず。
今に至る訳です、はい。
何故か最近義経兄様不機嫌です。
「千早たん成分が…。」
などとブツブツ言ってます。
子供らが私の周りを固めたから、近寄れなくて拗ねるとか、大人気ないです。
因みに、茜は夕日さん直々の戦闘訓練で、拗ねるとかそれどころではないようです。
今朝も。
「ぴぎゃ?」
「コ、コ、コケーッ。」
「ぴぎゃ…。」
と、疲労でコケコッコーのキレが悪くて。
鳳凰様が心配してたよ。
いつの間にか、仲間認識されてるよ茜。
あ、そうそう、この前白龍様が大木イグドラシルの子供達に住み着きました。
私が近づくと、頭に乗ります。
手乗りサイズで、ニャンコみたいでモフモフしてとっても可愛いです。
白龍様も、本来巨大らしいです。
この世界のドラコンさんは、東洋タイプと西洋タイプの他に、ニャンコやワンコみたいなモフモフのタイプが居るそうですよ。
取り敢えず、白龍様の巣も作らせました。
何だかどんどん賑やかになります。
そんなある日、この村に四人の旅人が訪れました。
一人は半神半人の女の子。
一人は猫耳族の女の子。
一人は銀狼族のお兄さん。
一人は人族の女の子。
チグハグな四人の旅人は、私の結界を難なくくぐり抜けました。
結界抜けに気付いて駆けつけた私に、彼らは微笑んで言いました。
「ちわ〜、パニマ様からの使者で〜す。
現在動ける加護持ち勢揃いさせて、ここに来ました。
よろしくね。」
ふわりと微笑む女の子は、こてんと愛らしく首を傾げた。
どう考えても、厄介ごと到来である。
「えっと、いらっしゃいませ?」
取り敢えず、挨拶をして。
私はちょっと遠い目になった。
鳳凰様が茜にデレタ!
それはともかく、パニマの加護持ちが揃いました。
多分懐かしい人もいるかもね?
ではまた。




