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じゅうし

千早の前世話です。

途切れ途切れの世界。

ああ、これは夢だと判る。

見ない様にしていた、前世の記憶の欠片だ。

家族との日々、友達との日々。

そして、大切なあの人との日々…。

中学校で知り合い、告白された。

密かにクラスでも人気の有った男子だ。

二人の関係はゆったりと、大学まで続く。

だかある日、あの人と些細な事で喧嘩した。

普段はとても優しい人だった。

喧嘩した原因は覚えて居ないから、大した事ではなかったのだろう。

それから少しギクシャクして、急に私が短期留学をする事になり。

三ヶ月何も言わずに離れる事となった。

その帰りの飛行機が墜落したのだ。

喧嘩、素直に謝れなかったな。

それだけが心残りだ。

だから、彼が…義経兄様が此方に来てしまったのだろうか。

あの頃より、出会った頃より。

少し若い姿で。

義経兄様は、私の本名も前世の事も話しては居ない。

いや、話せなかった。

あまり前世の自分がどんな人だったのか。

聞かれても記憶に無いと誤魔化して居る。

何より、姿がまるで違う私は幼い幼女だから気付く要素が無い。

彼はこれから、あちらに戻る事は確定して居るのだ。

でなければ、私と恋人だった事すら無かった事になってしまう。

そして戻った後、私の死に直面するだろう。

こんな夢を見たのは、私を彼が抱き枕になんかしたせいだろう。

前世の私とは、身体の関係なんて無かったくせに。

此方ではハーレム作ってるし。

何だろうね、呑気に眠る頬を引っ張る。

相変わらず熟睡すると起きやしない。

その頬に軽く口付ける。

「ごめんね…。

私が居なくても、幸せになってね。」

小さく呟く声は、聞こえても寝ぼけた寝言の様にしか聞き取れないだろう。

そして、私は眠りについた。

義経兄様が、何故か私を強く抱きしめ直して居たのだが。

私は気が付かなかった。

コケコッコー!と翌朝。

義経兄様が朝稽古に遅れた。

何故か熱を出して居たのだ。

風邪かな?

女達に引き剥がされ、離れへ隔離連行されて行った。

添い寝してたから、風邪なら余裕でうつるんじゃね?

とか思ったけど言わないでおいた。

とりあえず声を掛ける。

「なむー。」

「ナムありー。」

義経兄様は一週間程寝込んだ。

わたし?

私は全然ピンピンしとるよ?

女達に色々夜を強制されたので、身体が追い付いて無いんじゃね?

と、皆さんをからかっておきました。

まあね、獣人とか女でも体力絶倫だし。

こちらの世界で成人でも、彼は身体が鍛え途中だしね。

とりあえず。

霧隠の若衆がこれから来るから、あまりがっつくな。

と言ったニュアンスで釘さしておきました。

結果、他の女子は霧隠の若衆派となり。

茜と陽鞠だけが残りました。

まあ、そんなもんだよね。

それと、オマケとして。

私の抱き枕化が防がれました。

病弱なので、風邪とか感染させ無い為の配慮だそうな。

義経兄様が、ガックリしていた。

「はっ!お兄様まさかロリコン⁈」

面白そうなので、よろめいておきました。

「チョット、違うって!」

陽鞠の背中に般若が浮かんでたよ!

ゴゴゴコゴって感じで。

千早しーらないっと!


衝撃の事実ですた。

では又。

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