いち
日本から異世界に転生した源千早ちゃんは、まだ八歳の女の子だけど、御屋形様になっちゃった!
ドジくノ一茜と、万能型美少女エルフメイド陽鞠と共に、のんびり異世界ライフを楽しみます。
「コケコッコー!」
今朝も早よからニワトリ…ではなく。
お抱え忍びが、御屋形様をこそりと呼ぶ。
「ねぇ、茜?
流石に人の声だから分かっちゃうよ?」
「細かい事はいいんです!」
くノ一っぽい茜は、忍びだけど、忍んでない感じがする。
フサフサの尻尾はぶんぶんふられ。
額当から出るのはポニテと狐耳。
もはや鳥関係ない狐系獣人の少女だ。
「昨日は二丁目の奥さんが出産で、家事が出来ない為、私茜めが手伝って参りました!」
「だから、忍んで無いよね?」
「だから、細かい事はいいんです!」
「今朝は玉子焼きご飯です。
卵殻付きでカルシウムたっぷりですよ!」
「いやだからさ。
それ、卵殻割るのしくじってるよね?
殻なんて食べられないよ?
私人だし。」
「細かい事はいいんです!」
「よかないよ、全く茜は。
又砂糖だけの玉子焼きやめてよね?
私出汁派なんだから。
てか、茜はメシマズダークマターばかり作ってると、お嫁さんに行けないよ?」
そこで、やっと黙った。
自覚は有るんだな。
ちなみに、ほんのり砂糖に醤油とかなら分かるんだが。
何故か卵を凌駕する砂糖を入れるから、悶絶するしか無い。
「御屋形様、私が魚の塩焼きとお浸しと大根の漬物をご用意しましたから。
そちらをお食べ下さいな。」
綺麗なエルフの美少女メイドが、声をかけてくる。
「陽鞠の焼き魚と漬物か、陽鞠の料理は美味しいから楽しみだよ。」
「あらあら、そんな照れますわ。」
「ぐぬぬ。」
満更でもない陽鞠と、悔しそうな茜。
これでも二人は仲良しだ。
まるで私を取り合うようにも見えるけど。
私は日本から異世界に転生した、数え8歳の女の子、源千早です。
若くして御屋形様とか言われてるけど。
日本風の辺境島国の、更に隠れ里みたいな所で育ったんだけど。
両親が遠方の戦で死んだので、ロリ御屋形様になった。
両親以外の大人が居無いのも、その戦の影響だった。
現在私を含め女子が10人。
男子が5人しか居無い。
まあ、男子は全部結婚適齢期の15歳になったから既婚者になり。
女子五人余っちゃったから。
成人するまでに、相手を探せるのかが不安で有る。
最悪、既婚した男子がハーレムするか。
女達が男子を共有するか。
彼らの子供と年の差結婚である。
ここの隠れ里から出無いのは、この隠れ里には、亡き母の遺した、とても強い結界が張り巡らされており。
魔物や戦の影響を受けにくい為、戦力が戻る迄は外界との交流を絶つ事としたのだ。
実際、外界の連中も滅んだとか思っているらしく。
訪れる者は、精々年に二・三人位だ。
え?私?
私は子供過ぎて、婚約者も恋人もおらんよ?
これが、王都あたりの貴族なら引く手数多だったかもだけどね。
そんなわけで、千早ちゃんの異世界のんびり生活の始まり始まりー!
新作です。
まぁ、のんびり生活をのんびり書こうと思います。
茜がアホの子なので、楽しい。