ガキの家路の手伝い
結局帰ろうとなったのは提案してから二時間後だった。鏡映が「流石に帰るか」とようやく観念してくれた。いや観念してくれたってのもおかしな話だが。
なんであいつの言動で決まってるのか流れもよく分からない。
そんなこんなで帰れると思ったのに。
「聞いてますか?渚さん。」
「ああ、聞いてるよ。」
「なので科学捜索隊24時は絶対的な…」
なぜかは分からないが私がこいつを家まで送り届けることになった。
~15分前~
「は?なんで私がこいつのお守りしなきゃならないんだ!」
私は深夜テンションの感じで言い放つ。
「俺は綿雲と帰ることになったんだ仕方ないだろ?」
「だったら別にペアでいる必要も無いだろ、各々好きに帰ればいい。」
「そんな訳にも行かねぇだろ、あいつはまだガキなんだから。」
「だとしてもこの間年齢による差別を撤廃するための法案が適用されたじゃん。」
何でそんな面倒な事やらされようとしてるのか。
「それにこんな時間になったのは二人で馬鹿な言い合いしてたからでしょ、私が責を負う必要性がないでしょ。」
それでも納得しなかったらしく結局押し切られてしまった。
それで現在このガキと歩いてるわけ。
「なあ、えーと何て名前だっけ?」
「もう忘れたんですか?浅木才覚です。」
「あーそうそうそんなんだったね。」
「人の名前すら覚えられないとは頭が悪いんですね。」
(本っ当に口が悪いなこのガキ)
「じゃあ今度から才って呼ぶからな。」
「渾名というやつですか、チーム感が際立ちますね。」
「チームねぇ。」
(初日から喧嘩してたやつがチームとか言うかよ。)
才の方がせがチビなので自然と見下す感じになる。
「で?家は何処なんだ?」
「家ならまだまだ先ですよ。」
まだなのかよ。あー早く帰って横になってだらだらしてー。
「面倒だから私はもう帰るからな。」
私は無理にでも無理やり帰ろうと才に背を向けて走り出した。
「え?ちょ、ちょっと!」
おいて行こうと思ったがこれで何かあったら私が責任を取らされるだろう。
まったくなんて面倒なことを押し付けたのか。
こうなると思っていたのか?
なら思い通りになったみたいでいい気はしないな。
だが仕方がない。
私は再度振り返り泣きそうになっている才を見た。
「はん!泣いて呼び止めようとでも思ってたのか?」
「そんな情けないこと誰がするか!」
目に湛えた水を急いで袖でふき取っている。
こいつは賢く大人ぶっているがまだまだガキなのだと再認識した。
「見えを張るなよ、人前で泣くなんて子供の特権だからな。」
私はもうとっくに泣いたしもう泣けないくらい泣いた。
「ほらさっさと送ってやるから足動かせよ。」




