仲良く?なれるのか?
で?
この人達と何をすればいいと?
突然今日知り合った人たちと仲良くしろと?ふざけるなよ。
大体まだ顔と名前すら一致してないし。
「けっ、こんなボロイとこでなぁなぁしてろってのか?」
「どうやらそうみたいですね。」
もうここで割り入って自己紹介するのもめんどいな、このまま黙ってよ。
「用が終わったなら帰ってもいいのかな~」
そうそうこのまま私のことは無視してくれよ。
「何言ってんだ?まだそこのやつ何も言ってないだろ。」
あぁやだやだ見つかった。
「このまま無視してくれてもよかったんだけどね。」
「この女のことは気にすんな。」
「ごめんね~私ってば昔から視野が狭くて~」
「気にしてないよ。」こんな扱いを受けるのは初めてじゃないし。「えっと自己紹介だっけ?」
「私の名前は桜形渚だ、なんとでも呼んで。」
あぁこういう風に改まって名前を言うのはいつぶりだろう。
「了解、じゃあこれで解散でいいのか?」
「でも取り仕切る人も居なくなっちゃったし~ここにいないとだめなんじゃ~ないの~」
「ちょっと待ってくださいよ!僕はこれから日課である参考書を解かないといけないんですけど!」
「やりたいならさっさとやればいいだろ。」
「いや…それが家に置いてきてしまって。」
「はっ!所詮ガキじゃねえか!」
ああ喧騒が。
「五月蠅い!五月蠅いが漢字でどう書くかもわからない凡人め!」
綿雲さんも退屈と言った感じでソファーで寝ようとしてるし。こっそり帰ろうかな。
いや流石に気づかれるか。出口はあの言い合いしてる二人の後ろだし。
このまま言い合いの様子を観察しとこうか。
「大体あなたの言葉遣いには汚点が多過ぎます!」
「それがどうした?俺は一切不便に感じたこともないし昔の仲間は皆こんなだったぞ。」
「そりゃあなたの仲間だからでしょう!今後の世の中で許されるはずがない!」
「今の世の中ってそんなにまともか?」
「うっ!!!」
「それに今日俺たちが集められたのだって政府があいつらに手を焼いてるからだろ?」
そりゃあそうだろう。政府は国の威信にかけてあの異物共の完全排除を求めているからね。
どうせそれが出来れば世界を出し抜けるとか考えているんだろう。
「確かに……その件に関しては言い返せません。」
隣で眠そうにしてた綿雲さんもいつの間にか寝てるし。
ああ帰りたい、何なら帰ってしまおうか。
「あの提案なんですけど。」
「何ですか?」 「何だ?」
「もう帰りませんか?夜も遅いですし。」




