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異物蒐集課 始動!

世界は異界からの来訪者に悩まされていた。

それは日本も例外ではなく、早急に対策を打たなければと逼迫していたが今しがた決まったらしい。

それが異物蒐集課である。


古ぼけた塗炭造りの倉庫でミーティングが開かれていた。

「今日から君たちは異物蒐集課として活動してもらう。」

ワイシャツにネクタイをきつく締めた50歳ぐらいのおっさんが偉そうに講義でもするように話だした。」

「まずは自己紹介から始めてもらおう、右から順番に自己紹介を。」

周りを見渡すとおっさんを除いて四人が視界に映る。

「俺からかよ……上杉鏡映上杉鏡映(うえすぎきょうえい)だ、まぁ仲良くしてくれよ。」

一人目は明らかにチャラそうなピアスとピンクの髪色をしている二十代前半の男性だ。

もしかしたら大学生かもしれないと思う。

服装もシャツ一枚にジーンズを履いた程度のファッションセンスだ。


「次はわぁし?わぁしは井上綿雲井上綿雲(いのうえわたぐも)だよ~、こう見えても二十歳だよ~」

二人目は大分ふわふわした感じの子だ、二十歳と言っていたが身長は十歳と言われても納得できるくらい小さい。

「……次は僕の番ですか、浅木才覚浅木才覚(あさぎさいかく)です、以後お見知りおきを。」

今度は眼鏡をかけた如何にも勉学に突出してそうな話し方をする青年だ。

言ってることは大人びているがまだ中学生ぐらいに思える。

今も椅子で分厚い本を見ながら自己紹介していた。

ついに次は自分の番だ。

初めましてと言おうとしたが突拍子な声で邪魔された。

「た、助けてくれ!」

後ろの倉庫のシャッターの奥から助けを求める声がする。

オマケにバンバンとシャッターを連続して叩く音も聞こえる。

「今の声はなんだ!?」

進行役のおっさんも驚いているので予定にない出来事なのだと理解する。

「俺たちの仕事か?」

鏡映がウキウキした感じでおっさんに聞いている。

「何を急いているんですか?状況を確認するのが第一でしょう。」

才覚は厄介事だと言わんばかりに顔を顰めている。

とりあえずおっさんが様子を見てくるという結果で一旦は解決した。

そもそも私達はこのシャッターの開け方も分からないので、とじ込められたも同然の状況だった。

状況が不足な事態になってしまい自己紹介をする雰囲気ではなくなってしまった。

私的には直前で止められて言おうとしていたことをまた一から考え直さないといけなくなるので早めに終わらせたい。


「えー、先ほどの騒動だが異物とは何ら関係ない暴行事件だったので気にしないでくれ。」

いや暴行事件だったんなら被害者を保護しろよ、頭いかれてんの?

「ただしさっきの被害者の保護、加害者の手配をしないといけないので自己紹介は勝手に進めてくれ。」

流石にそうだよね、見てないから分からないけどあの緊迫した声色と叩き方結構な事件だったと思うし。

「はぁ、全部をこっちに丸投げってことっすか?」

鏡映は不服そうな言い方だ。

「そうなるな、しかしこの自己紹介は私よりも君たちの仲を深めてもらいたくてやってることだ、なのでこの場を君たちに任せるのが一番効率的かもな。」

鏡映はかぶっていたαと書かれた黒い帽子を深々と被り直した。

「そんなわけで君達に一任する。」








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