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『戦争の天才』は最強を暗殺する計画を立てる!

 現在、クライスト公国の南部と西部はエルベルト軍が掌握した。

 また国境を接する際にできた南東部の包囲も無事殲滅し、その守備隊は現在、攻勢部隊として再編制した。

 また、各部隊に銃や曲射砲、野戦砲を配備させ、戦力を増強させた。

 現在、どの部隊もその運用のための訓練に勤しんでいる。

 

 そんな中、二つ事件が起きた。

 まず一つ目は、飢饉が発生した事だ。

 もともとクライスト公国は飢饉が発生しやすい国だ。

 食料生産できる土地が限られていて尚且つ寒冷で少しでも冷夏になったら厳しい。

 だが、それはヴィクトワール王国からの支援で解決した。

 ヴィクトワール王国は食料生産に優れている国なのでクライスト公国の飢饉程度なら簡単にまかなえるだろう。


 リノ・バステル軍も備蓄を開放することで収穫期までを乗り切るらしい。

 私はてっきり自分たちが贅沢をするために税を取っていたのかと思ったがそうではなかったらしい。

 リノ・バステル。

 本当に暴君なのだろうか。

 

 私の脳裏にそんな思いがよぎった。

 

 いや、関係ないな。

 彼は敵。

 それだけだ。


 そして二つ目。

 健介がリノ・バステル軍の兵として参戦した。

 なぜかはわからない。

 が、参戦は間違いないようだ。

 健介は間違いなくこの世界で最強と言っていい強さを誇っている。

 彼には『チート』というスキルがある。

 その内容は身体能力の常時向上、魔力量の増加、この世に存在する一般的な魔法はすべて使える、更には剣、魔法による攻撃を無効化する、と言ったものだ。


 エルベルトに聞いてみたが、あのエルベルトですら正面から戦闘すれば勝てないとの事だ。


 さて、どうするか。

 彼に敵として参戦されればこちらは間違いなく形成不利となる。

 

 となれば殺すしかない。

 これは戦争だ。

 誰も何も言えないだろう。

 

 だが、正面突破では殺せない。

 となれば暗殺しかないだろう。

 だが、剣が効かないのであれば銃も効かないだろう。

 どうしたものか。

 包囲されている味方部隊2万も気づけば二か月間包囲されている。

 健介は早く何とかしなくては。


 私はそのことについて相談するため、エルベルトのもとに向かった。

 部屋の扉を開けるとエルベルトはフィストの皆と談笑をしていた。

 その傍ら、エメだけは素振りをしていたが….


「わー!すごい!本当にお花の香りがしますね!」


 なにやらフェシリテは興奮していた。

 

「なにをそんなにはしゃいでいるんだ?」


 私はエメにそう尋ねる。


「エルベルトさんが使った『においを閉じ込める魔法』すごいですよ。試にお花畑の香りを閉じ込めたんですけど、本当にお花畑の匂いがするんです!」


 確かに、部屋中に花の香りが充満している。

 

 その時、私に妙案が浮かんだ。


 これなら健介を殺せる。

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