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間話 リノ・バステル

 俺の名前はリノ・バステル。

 クライスト公国国王だ。

 今はエルベルト・クラッソと内戦をしている。


 そんな中、一つの凶報が私のもとに届いた。

 それは今年は凶作という知らせだ。

 この国はもともと寒冷で作物が育ちにくい。

 しかも少しでも冷夏になると、耕作地帯でさえ作物は育たなくなる。

 

 だが、それで民を飢えさせたりはしない。

 そのために備蓄がある。

 今ある備蓄を解放すれば今期は乗り越えられるだろう。

 

 俺は民から多くの税を取った。

 だが、それは作物が少ない我が国だからこそ、緊縮財政をして、食糧を備蓄しておく必要があるからなのだ。


 その点、エルベルト陛下はそれを理解しなかった。

 陛下のやさしさは素晴らしいが、それで国は回らない。

 事実、平時でさえ国の財力は右肩下がりで、いざとなったときに民を守れはしない。


 

 少し、エルベルト陛下と私の違いを説明しよう。


 エルベルト陛下は税をあまりとらず、国民の幸福を優先している。

 平時はそれでいいかもしれない。

 しかし、ひとたび飢饉が起きれば、蓄えもない国は国民を守れずに餓死させてしまう。

 

 俺は逆だ。

 平時は税を徴収し食料を蓄える。

 勘違いしないでほしいが、その蓄えで俺が贅沢しようとか、貴族に贅沢させようとか、そんな意図はない。

 勿論、重い税で民を飢えさせる気もない。

 ただ、平時には国民にとって面白くない事だろう。

 生活に必要な分の食べ物しかなければ生活の豊かさは薄れる。

 だが、命あっての物種。


 死んでしまっては何もならない。

 これが違いである。 


 いわせてもらうが、エルベルト陛下は経済音痴である。

 国の経済は右肩下がりで悪くなり、もし飢饉が起きれば多くの民が死ぬことになる。

 陛下はそれでも『民の幸せ』をかたくなに守り続けた。

 

 俺は陛下が嫌いではない。

 常に民を思い、民の幸せを考え、戦いが起これば最前線で戦う。

 経済以外は名君だ。


 だが、経済が悪ければ他がどれだけ良くても国家も民も守れない。

 

 俺には金を稼ぐ才能がある。

 俺が公爵の時、貿易、商いで圧倒的な富を築いた。

 国よりも金を持った。

 その金で貴族たちも丸め込んだ。

 

 俺は『経済の天才』だ。

 国家で一番大切なのは経済。

 国が貧しくなっては国民も守れない。

 例え日々の生活の豊かさが多少なくなっても、それでも生きることに重きを置く。

 そうでなければ民は死んでしまう。

 

 もしこの内戦で私が負ければ、民は一時的な幸福の後、飢えて死ぬ。

 だからこそ、私はこの内戦で負けるわけにはいかない。

 なんとしても勝たなければいけない。


 相手はエルベルト陛下、そしてフェアンベルゼン王国国王『石原孝雄』もいると聞く。

 彼の戦略は見事だ。

 包囲されているうちに他の戦線を突破して、支援を受ける街道を築くとは思わなかった。

 

 だが、そんなことは関係ない。

 エルベルト陛下が勝てば、民が死ぬ。

 エルベルト陛下が勝てば、この国が亡ぶ。

 それは何としても阻止しなければならない。


 かかってこいエルベルト・クラッソ。

 かかってこい『戦争の天才』


 クライスト公国とその民は私が守る!

 

 今回は間話ということもあって1000字程度の話にしてみました。

 私の作品は3000字程度を目安に書いているのですが、他の方の作品は1000字程度の作品も多いと聞きます。

 読者的には一話が長い方がいいのか、短い方がいいのか。

 どっちですかね?

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