1 とんでもない事に気がついたよ
「エロゲーじゃない!」
この世界いやシチュエーションがエロゲーでした。
転生前の名は覚えていません。昔言っても一〜二年前くらいからボンヤリと前世みたいな意識が湧き出る言うか思い出すと言うかそんな感じであったのですが、ハッキリ意識出来たのは今でした。
私は、今はパルミアと呼ばれています。
五歳の幼女です。
前世はどんな自分か覚えていませんが、エロゲーをプレイしていると言うことは男性だったのでしょうか?
今は村の人達には、お転婆と言われる活発な女の子。
言葉は当然日本語ではなく。シルディー語と呼ばれる言葉で、教えられたのは女言葉なのでシルディー語の女言葉で考え話しています。
そんな私が気がついたのが、私の立場。
「どうしたのパル姉ちゃん?」
声を掛けて来たのは、同じ年齢だけど二ヶ月遅れで生まれたので私をお姉ちゃんと呼び慕う男の子のディルテアル。通称、ディーくん。
この物語の主人公です。
「だ、大丈夫だよ。ディーくん」
ディーに大丈夫と答えましたが、うん、大丈夫じゃ無いと言うか。いずれとんでもない事になる。
このディーくん。
あと五〜六年ほどで、とんでもないトラウマを植え付けられる。
そのトラウマを癒しラブラブになるのがヒロインとサブヒロインたち少女。
コレがこのゲームの基本。
ただ、イベント戦闘の敗北か選択ミスで彼女達は寝取られる。
そして、最初の強制イベントで、寝取られトラウマをディーくんに刻み込むのが、私、魔王の手下と成ったパルミア。
多分、数年後、この村は、村から見える山脈にて倒されたと言われている古代の魔王が蘇ってか新たに誕生したか知らないけれど。その軍勢の敗走兵に襲われます。
魔王は力を得る時間稼ぎに、最初、この村から一日もかからない所にある聖都と呼ばれる地方都市に襲いかかりますが、そこには聖女達がいて古代の魔王を倒した教会の総本山があり。
倒した魔王が最後に残した呪いで、山脈に魔物達が湧くので、討伐の為の騎士たちも大勢いるのです。
地方都市ながらその重要性は国いや世界でもトップクラスの街。
その最初の軍勢は、魔物と盗賊まがいの兵士たちで構成されていましたが、騎士や聖女の活躍で撃退され。
その逃げ出した敗走兵が近隣の村を襲うシナリオ。
その時、私はディーくんを守るため、魔王に従った人間達に捕らえられ。ディーくんの前で酷い目に合う。そして、そのまま連れ去られ。
残されたディーくんに魔物が襲い掛かるのですが、私が時間稼ぎに成ったのか。
ディーくんは追撃してきた騎士たちによって助けられ。一方の私は連れ去れ消息不明と成ってしまうのです。
消えた私の姿は、トラウマとしてディーくんを苦しめ。
一方の私は、男達に酷い事をされる日々。
更に、悪堕ちしてトラウマから騎士を目指す主人公のディーくんの前に現れ。ディーくんとヒロイン達を襲撃してディーくんを苦しめる。
拙い。
村で活発で男勝りと言われようと、本当に前世男性だったかも知れませんが、女として生まれた以上。いずれ男性に娶られるのは覚悟していました。でも、流石に悪堕ちする気は無かったです。
私は五歳。
何年後に村が襲われるか分からないけど。
自分の身は自分で守り。ディーくんも守らないといけない。
強く成らないと。
それと魔王の軍勢の話なんて突然しても信じて貰えないだろうから、徐々に噂も広めて行く。
この二つを出来るだけ速やかに始める事が大事。
そう結論して、握り拳を空に突き上げ。
「やるぞー」
「ヤルジェー」
私の突然の行動に、ディーくんも真似をした。