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惑星案内

<当ステーションはお客様を歓迎いたします。>


 ステーション内に女性?の声が鳴り響くとリランドの周囲に様々なホログラムが浮かび上がる。

 リランドの目にはそれは案内図の様に見えた。その案内図はリランドを中心に舞い円を描く。


<本月の運勢:山あり谷あり。新しい事にチャレンジするのが良いかも。あなたにとって大事な人との絆が、更に強まる月となるでしょう。>


「何ん……だと!?……絆が深まる!?」


 案内図の一つを食い入る様に見るリランドに連宋が声を掛ける。


「どうしたんだ?リランド?」


「いや、目の前に浮かんだコイツが……。」


 連宋はリランドが指し示す方向を見る。だが連宋の目には何も映らなかった。


「?何かそこにあるのか?わしの目には何も見えないのだが?」


「見えない?そこに本日の運勢が出ていて……それを見て思ったんだ、この探索が終わったら……。」


 咄嗟に連宋がリランドの口を塞ぐ。


「待て、リランド!それ以上言ってはいけない。立ててはいけないフラグ、これは孔明いせいじんの罠だ!」


「!!!そうだったのか!」


 その場に項垂れ膝をつくリランド。その様子をサバーブは者言いたげな目で見る。


「……お前達二人は何をやっている……。」


「いやー、リランドが禁断のあの台詞を呟きそうになったからつい……。」


 連宋の言葉を聞きサバーブは少し呆れる様に溜息を吐いた。


「やれやれ……だがリランド、お前はさっきから何を見ている?私にも何も見えないが?」


「……これが見えないのか?どう言う事だ?俺が見ている物をサバーブや連宋に見せる方法は無いのか?」


 そう言いながらリランドは目の前に浮かぶ映像をつつく。サバーブや連宋の目にはその姿が奇妙な行動に映った。


「おいおい何を……。」


「む、閃いたぞ!あれだな。リランドは欲求不満がたまって空気圧を受ける感触があれの感触と似ているという

 ……。」


「ちがーう!目の前の表示をサバーブや連宋に見せられないかと……。」


 リランドが目の前の画面をつついていると軽快で金属を叩く様な音が鳴り新たな文字が浮かび上がる。


<このARメッセージは現在作業員には提供されておりません。>


「作業員には提供されていない?どう言う事だ?」


 リランドの呟きを聞いたサバーブが腕を組み考え込むと小声で呟きだした。


「……作業員か……リランドと私や連宋の違いは宇宙服を着ているかどうかだ。だが宇宙服だけで作業員を判断するのだろうか?……いや、待てよ。この宇宙服はシルビイが流彗星号と一緒に用意した物、いわば異星人産の物だ。しかも船外作業用……もしや!」


 サバーブは何かを閃いたのか連宋の方へ顔を向けた。


宇宙服ふくをぬげ!連宋!」


「ボス……見事な捜査で……じゃない!宇宙服を脱ぐのか?」


 連宋はサバーブに尋ね返した時にはサバーブは手早く宇宙服を脱ぎ始めていた。


「こうやって宇宙服を脱げば……。」


 宇宙服を脱いだサバーブの目の前に様々なホログラムが浮かび上がる。


<当ステーションはお客様を歓迎いたします。>

<本月の運勢:咄嗟の行動に注意。復帰が難しくなるかも?今は我慢の時、時が来れば絆は深まります。>


 その表示を見たサバーブが困惑した表情を浮かべた。


「これは良いのか悪いのか……。」


 同じ様に連宋も宇宙服を脱ぎ目の前に浮かび上がった様々なホログラムを注視する。


<当ステーションはお客様を歓迎いたします。>

<本月の運勢:平常運転が一番。例え遠回りになる様に見えても近くなります。>


「これは……凄い物だな、異星人の技術という物は……まるでそこに何かある様に見える。リランドが変な動きをしていたのも納得だ。」


 連宋は幾つかのホログラムを動かしているとあるホログラムの前で動きを止めた。


「……これはどうやら各惑星の案内か……目の前の惑星は冒険惑星とある。」


「「冒険惑星?」」


 サバーブとリランドが異口同音に尋ね返すと女性の声が鳴り響く。


<冒険惑星“サバイブ”、数多の障害を乗り越え惑星のボスを倒す事が出来るのか?道中は様々な障害物、モンスターが君の命を狙ってくるぞ。はたして君は生き残る事が出来るのか?>


「「「……」」」


 しばらく沈黙が流れるとリランドが口を開く。


「なぁ、サバーブ、連宋、……これはゲームか何か……?」


「ああ、わしもそれは思った。」


 二人の言葉を聞きサバーブもゆっくりと頷いた。


「確かにゲームの様に思える……だが、今一番知りたいのは他の者が何処に行ったかだ。」


 とサバーブが声に出す。すると再びステーション内に女性の声が響いた。


<直近の利用者、七人は冒険惑星“サバイブ”に移動しました。“サバイブ”へ移動しますか?>


 ステーションになった声を聞きサバーブは同意を求める様にリランドや連宋を見廻した。

 その姿を見たリランドと連宋は大きく頷いた。


「私たち三人を“サバイブ”へ移動。」


 サバーブがそう宣言するとサバーブ達三人は白い光りに包まれたのであった。

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