エピローグ 真相
エピローグ 真相
茶色い背広の男こと茶柱計福の下へ、黄装束の忍者が、現れた。
「囮さん、あの不良達が、ソーネ・ネーターのN−3000とM−512と新型が、化けて居たのですね?」と、茶柱は、尋ねた。お堂で、DNAまで分解された若い人間の痕跡を確認して居たからだ。
「あのポンコツの道具でないと見分けられないのが、腹立たしいでござる」と、囮が、吐き捨てるように言った。そして、「茶柱殿が、揉め事に介入した時には、どうなる事かと思ったでござるよ」と、口にした。
「すみませんねぇ。ソーネ・ネーター達だと判って居ても、見過ごせなかったもので…」と、茶柱は、苦笑した。一つ間違えれば、作戦が、台無しになっていたかも知れないからだ。
「元の人間が、血の巡りが悪かったようで、助かったでござる」と、囮が、右手で、胸を撫で下ろした。
「モーフォッフォッ。ヒヤヒヤさせて、申し訳ございませんでしたねぇ」と、茶柱が、陳謝した。正体を現されたら、至近距離なので、どうなって居たか、判らないからだ。そして、「高性能過ぎて、人間になり切っちゃったんですかねぇ〜。モーフォッフォッ」と、見解を述べた。
「確かに、奴らの変装術は、拙者が、見分けられないくらい完璧でござるからなあ〜。それが、今回は、欠点となったのかも知れないでござろうな」と、囮も、同調した。そして、「茶柱殿が、先回りして、半黄なる者から、すんなりと、げぇむとやらを譲り受けるとは、感服したでござる」と、語った。
「どらパンキーさんのミライチューブで、頂いた画像と交換しただけですよ。モーフォッフォッ」と、茶柱は、勿体振った。画像の暴露に比べれば、人気ゲームとの交換の方が、安上がりだからだ。そして、「彼にとっては、心霊写真よりも、恐いものが、写ってますからねぇ〜。モーフォッフォッ」と、言葉を続けた。
「茶柱殿、あなたは、味方としては、頼もしいけど、敵に回すと、恐ろしい方でござるな…」と、囮が、苦笑いを浮かべた。
「そうですかねぇ。私からすれば、囮さんやどらパンキーさんの方が、怖いですけどね」と、茶柱は、淡々と言った。自分よりも出来る忍者と未来の蛸型ロボットの方が、怖いからだ。
そこへ、黄色いバキュームカーが、手前で、停車した。
程無くして、運転席から、黄色い蛸顔の者が、顔を出すなり、「二人共、未来へ帰るよ! 早く乗って!」と、急かした。
「そうですね」と、茶柱は、頷いた。
「承知したでござる」と、囮も、返事をした。
間も無く、二人は、バキュームカーへ、歩を進めるのだった。