ソーセージ猫の探し物
「ソーセージ猫の話」の番外編です。読んで頂けると嬉しいです。
「きゃーっっっっっ!!」
私の名前は、ソーセージ猫。
みんなはあたいのこと、猫って呼ぶの。
この叫び声の持ち主は、あたい。
つまりあたいが叫んだってわけ。
どうしたかって?
そりゃもうあんた、びっくりすることがあったのよ。
朝、起きたらさ、あたいの鼻、無かったの。
あたいの鼻がどんなだったか気になる?
教えてあげる。
鼻っていうか、鼻と口ね。
白いボンボン2つに黒いボタンが1つ付いてるの。キュートでしょ?
あたいは結構気に入ってるんだけど。ってか、それなのよ。
その、鼻と口、無くなってたってわけ。
あたい、必死に探したわ。そりゃもうあんた、死に物狂いってやつね。
仲間にも手伝ってもらったわ。
でも、無いのよ。どこにもないの。
私は悲しくって悲しくって、泣いたわ。
涙が枯れる程っていうけど、枯れなかったわ。
たくさん泣いて、目が腫れ上ったわ。
人形だけどね。
もう、あたいは一生、鼻と口がないままなんだって、諦めかけた時よ、ドアがあいて、朋ちゃんが部屋に入ってきたの。
あ、朋ちゃんは、朋美って言ってね、あたいは朋美のお人形なのよ。知ってた?
あたい、こんな顔、見せるの恥ずかしくって思わずうつ伏せになって転がったのよ。
そしたらね、朋ちゃんてば、あたいのこと、大事に大事に持ち上げてね、新しい鼻と口、付けてくれたのよ!
つまり新しく作り替えられたのよ。
前のはかなり古くなってたからね。
すごいでしょ?あたいの探し物。
読んで下さってありがとうございます。