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転生したら蝶でした。  作者: おとのそうくつ
9/43

新山隆介1

年齢を変更させていただきました。

 薄っすらと目が開き意識が覚醒する。

 視界に入るのは豪華に飾られた天井とメイド服を着た初老の女性。

 なにが、起きた?

 教室で激痛がした後からの記憶が無い。

 病院かな?

 力を入れて手を挙げてみる。

 そこには、赤子の手があった。

 えーなんで!?

「んぎゃー!んぎゃー!」

「#%$$#%#$#%%%&#%&**#$"」

 何言ってるのこの人?

 言語がわからない。

 僕は、いったいどうしてしまったんだ?



 4年が過ぎた。

 最初は混乱してたけど段々と事情がわかってきた。

 僕はどうやら異世界に転生してしまったらしい。

 まさかアニメみたいな展開になるなんて思ってもみなかった。

 この2年間まず僕は言葉の習得から始めた。

 僕は王族のようでどんな時でもメイドさんがつく。

 だから僕は部屋に置いてあった子供用の本を取り出して開いてみた。

 全くわからなかったけど侍女長のメイリーネさん、転生して初めてみた初老の女性が一生懸命読み上げてくれてどうにか喋れるようになってきたところだ。

 それと周辺状況の確認。

 家族構成がどうなっているのか、周辺に僕と同じ転生者はいないのかを調べてみた。

 まず家族構成。

 ここレルザロンド王国の国王がいてその国王には二人の息子がいてその上の子である王太子の子供が僕、アートラスだ。

 父親の名前はアレクシール、母親は周辺最強の騎士と呼ばれるリメル、それで一人の兄と双子の妹、妹がいる。

 アレン兄さんは今年で7歳になる剣の天才で勇者と言われる人の弟子だそうだ。

 とても強くその腕前は大人にすら勝ててしまうほど。

 この国ではリメル母様しか勝てる相手がいないそうだ。

 双子の妹はメリアーヌ。

 まだ意思疎通は難しく一緒にいるけどあまり喋らない。

 もう下の妹はまだ赤子なので顔も合わせたこともない。

「アートラス様。メリアーヌ様。リメル王太子妃がお呼びですよ」

 メイリーネさんが僕たちを両手で抱えて運んでくれる。

 この歳だと歩くのもやっとなので甘んじて受け入れるしかない。

「リメル王太子妃殿下。アートラス様、メリアーヌ様をお呼びいたしました」

「入って」

 ドアが中のメイドさんによって開けられ中に入る。

 そこには美しい金髪の美女が座っていた。

 この人が僕の母さん、リメルだ。

「お母様!」

 メリアーヌがトタトタと歩いてリメル母様に抱きつく。

「メリアーヌ。元気にしてた?」

「うん!」

「アートラスもおいで」

「はい。お母様」

 メリアーヌに対して僕はやっぱりお母様に対して距離を置いてしまう。

 僕の前世は一般市民。

 王族なんて夢の中の存在のようなものだったから。

「もう。いつも言ってるけどそんなかしこまらなくてもいいのよ。貴方は私の子供なんですから」

「はい」

「全く。メイリーネ。悪いけどアレンを呼んで来てくれない?」

「リネル様。アレン様は今学園です」

「ああ。そうだったわね。全く時が経つのも早いわね」

「え〜」

 メイリーネは大のアレン兄さんファンだ。

 お兄ちゃんちょっと妹の将来が心配だよ。

 だって既に拗ねはじめてるから。

「メイリーネ。そう残念がらないの。アレンは忙しいんだから」

「だって〜」

「メイリーネ。アレンお兄様はすごい?」

「うん!アレンお兄様凄い!」

「凄い人っていうのはね?忙しいんだ。だから応援してあげよう?」

「うん!アートラスお兄様!」

「全く、大人っぽい子になったものね。どうしてこうなったのかしら」

「さぁ?」

「全く、一歳で本は読み始めるしその半年後には少し喋れるようになるし全く末恐ろしい子ね」

「リメル王太子妃。そろそろお時間です」

「そうね。あのね。二人に伝えなくてはならないことがあるの」

「なにー?」

「なんですか?」

「我が国は4歳半になると鑑定の儀というものをやるわ。それは貴方たちの力、強さや賢さを現す『ステータス』というものを初めてみる儀式よ」

 え?

 今なんて言った?

 ステータス?

「貴方たちは今日で4歳半。今日がその日なの」

 そんな急に言われたって、、。

「さぁ、行きましょう」

 リメル母様に負ぶわれて部屋を後にする。

 連れられてきたのは国王陛下が公式に使う王座の間。

 そこには一つの水晶と数名の王族と貴族が揃っていた。

「ふむ。これで全員だな。皆の者、よく集まってくれた。今日は我が孫アートラスとメイリーネが無事に4歳半となった。よって鑑定の儀を執り行う。そこにあるのは我が国の至宝である鑑定魔法Lv10が込められた鑑定魔石。それに二人は手を翳すがよい」

「はい!」

「は、はい」

 少し引き気味で答えてしまった。

 鑑定魔石の前で降ろされ僕から手をかざさせられる。

 光が発せられ透明の板が大きく王座の間に開かれた


 人族Lv1

 名前・アートラス・レルザロンド

 HP80/80

 SP70/70

 MP160/160

 速度40

 物理攻撃力70

 魔法攻撃力140

 物理耐性40

 魔法耐性110

 スキル・火魔法Lv1水魔法Lv1風魔法Lv1土魔法Lv1光魔法Lv1治癒魔法Lv1思考加速Lv1高速演算Lv1

 称号《転生者》転生者のみに見える称号。成長に補正と促進がある。


「ほう。ほぼ全ての魔法に適正があるのか。兄は剣で弟は魔法ということですな」

「素晴らしい。これは将来に期待できます」

 このステータスは凄いのか?

 僕としてはそこまで凄くない気がするんだけど。

「では次にメイリーネ」

 手をかざすのをやめて母様の所に戻る。

 未だに手が震えている。

 ステータスという物がよくわからない。

 その内容は理解できる。

 でもその存在は理解できない。

 その時、僕と同じようにどよめきが起こった。


 人族Lv1

 名前・メイリーネ・レルザロンド

 HP60/60

 SP60/60

 MP40/40

 速度90

 物理攻撃力100

 魔法攻撃力40

 物理耐性60

 魔法耐性40

 スキル・槍術Lv1

 称号・なし


 そ、速度が僕よりも早い。

 僕妹に負けてるんだけど、、。

「ほう。随分と早い槍使いになれそうですね」

「素晴らしい。次世代にこれだけの才能の持ち主が3人も」

「王国は此れで安泰やもしれませんな」

 一瞬、このステータスを受け入れてしまった自分がいた。

 不安が残る。

 不味い。

 なんかふらふらしてきた。

「アートラス?どうしたの?体調が悪いなら、、アートラス!?」

 お母様が何か言うが聞こえない。

 これ、本当に不味、、、、







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