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転生したら蝶でした。  作者: おとのそうくつ
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狼戦2

 全ての狼が瀕死の状態になる。

 もう少しで勝てる。

 木を倒しちゃったけど太いのはまだまだあるからそこで寝れば問題ないでしょ。

 その時、地面が唐突に光った。

 え?

 なにこれ?

 この形、闇魔法を使う時に出てくるのに似てるけど、、

 って事は!

 全力でその場から離れる。

 すると光っていた地面が突然隆起し槍となって上に伸びた。

 あれ刺さってたらアウトだわ。

 今倒しかけている狼達が使った素振りはない。

 つまり、新手がいる。

 警戒を最大にして後ろの茂みを見つめる。

 いつくるか。

 どこからくるか。

 遠吠えが横から聞こえ思わずそこを見てしまった。

 私の体は首がない。

 つまり一方行を見ると瞬時に死角が切り替わる。

 ナイトウルフ達はそれを狙っていた。

 さっき注意していた茂みから三体のナイトウルフが飛び出してくる。

 ナイトウルフ達は私の体はの一部を食いちぎり茂みに戻っていった。

 クッソ痛い。

 HPがものすごい速度で減ってる。

 闇黒弾を使い呪いをかけていたナイトウルフ達をどうにかして殺す。

 全部殺してもLvは上がらない。

 本当にまずい。

 このままだと死ぬ。

 カウンターを狙うしかない。

 茂みの揺れが止まった。

 遠吠えが横から聞こえまたしても後ろから3体ほど襲い掛かってきた。

 これが失敗したら確実に死ぬ。

 でも、このままでも確実に死ぬ。

 だったらやるしかない。

 もう少し。

 確実に殺せる距離までもう少し。

 今!

 闇黒弾を連射してナイトウルフの頭を確実に消し去る。

『スモールカースキャタピラーのLvが3になりました』

『各種ステータスが強化されました』

『夜目Lv1がLv2になりました』

『スキル・気配察知Lv1を取得しました』

『減少したHPを回復します』

 我、復活!

 HPが全て回復したので少し余裕ができた。

 夜目のLvが上がったのは嬉しい。

 それと気配察知。

 これは今の状況で強力な武器になる。

 前に10体、背後に12体、左右両方に4体ずつ。

 まずは左右の排除が優先かな。

 右側の2体に衰弱をかけて闇黒弾を撃つ。

 左右にいるのは恐らくこの中でも弱い個体。

 目の前で仲間が撃たれてそれが自分に飛んできたらそれは誰だって怖いよね。

 しかも自分のHPが徐々に減っていたら尚更。

 その弱さと恐怖を利用する。

 追い詰められた一体が私に仕掛けてくる。

 それを闇黒矢で足を射抜いてそのまま強奪をかける。

 MPいただき。

 よし。

 これを続けて一体ずつ確実にやっていこう。

 脇からもう一体ナイトウルフが出てきた。

 そいつは私に攻撃すんじゃなくてなんと強奪をかけていたナイトウルフを攻撃した。

 これの意味合いは恐らくMP回復の邪魔と仲間への牽制。

 つまり攻撃しないとこうなるぞと群れを脅しているわけだ。

 さっきの魔法もそうだけど一体頭の回るやつがいる。

 恐らくそれがリーダー。

 それを殺せば群れは瓦解し倒しやすくなるはず。

 まずはリーダーを見つけるところから始めよう。

 さっきのナイトウルフを見て他のナイトウルフは警戒して手を出してこない。

 茂みの中から魔法の発動時の光が見えた。

 さっきの土の槍は地面だったから恐らくこれは発射系の魔法。

 先に手を打っておこう。

 闇黒弾を1と闇黒矢を2つ撃って牽制。

 光が消えたのを確認してそっち側に進む。

 夜目ギリギリの範囲で捉えた。

 鑑定


 アースウルフLv18

 名前・なし

 HP300/340

 SP100/120

 MP430/500

 速度170

 物理攻撃力140

 魔法攻撃力410(+20)

 物理耐性40

 魔法耐性80

 スキル・連携Lv7・指揮Lv6・夜目Lv4・気配察知Lv5・消音Lv2・土魔法Lv5・魔法攻撃力増大(小)Lv4・魔力使用削減Lv1

 称号《率いる者》群れの統率者に与えられる称号


 うわぉ。

 速度は最初のナイトウルフより低いけど魔法攻撃力とMPの量がヤバい。

 これはさっさと殺さないとヤバい気がするな。

 闇黒弾を三発連続で撃って衰弱・強奪・疲労を重ね掛け。

 するとアースウルフが遠吠えをして群れ全部を集めて三体をこっちへ、残りで周りを固めた。

 三匹のLvは低い。

 足止めの捨て駒か。

 疲労の呪いで体力を消耗させる。

 元々SPが少ない割に派手に突っ込むもんだから私に着く頃にはかなり遅くなっていた。

 闇黒矢で急所を撃ち抜きサクっと倒す。

 アースウルフはLvの低いナイトウルフを捨て駒に使った。

 駒の使い方としては間違ってはいないと思う。

 でもそれが受け付けられるかというとそれは違う。

 だって生き物は駒じゃないから。

 少し、不快だな。


 ナイトウルフ5匹が私に向かってくる。

 アースウルフは私に向かって闇黒弾の土バージョンを連射してくる。

 ナイトウルフを対角線の間に入れてもこいつは構わず撃ってくると思う。

 彼奴のLvが上がるのは避けたい。

 闇黒矢でとりあえず一体やる。

 そしたら他の4体は2ずつ私の左右に回って突進してきた。

 これが問題だ。

 今の私じゃあ左右同時に魔法を撃つことはできない。

 突然地面が光った。

 これが彼奴の狙い。

 左右を動け無くした後、下も動けなくする。

 残るは前か後ろ。

 背後は向いた瞬間に魔法を打ち込まれて終わりだ。

 なわば選択肢は一つ。

 前のみ。

 闇黒弾で前の三体のナイトウルフの頭を消し去る。

 後22体。

 まず後ろの4体をどうにかしないとだな。

 アースウルフが魔法で土弾を発射しようとしている。

 これを使うか。

 闇黒矢で連射された土弾を軌道をそらして背後のナイトウルフ達に当てる。

 闇黒弾と闇黒矢の連射で6体のナイトウルフを殺してアースウルフにも魔法を当てていく。

『スモールカースキャタピラーがLv4になりました』

『各種ステータスが強化されます』

『減少分のHPを回復します』

『闇魔法Lv2がLv3になりました』

『スキル・HP自動回復(小)Lv1を獲得しました』

 新しい闇魔法は闇黒盾。

 闇魔法のLvー1回攻撃されると壊れる魔法で消費MPがかなり大きく40と使えるところが限られる。

 利点は二回は必ず防げるという事と自分を中心とした球形に自由に移動させられる事だ。

 それにHP自動回復はかなりいい。

 よし。

 これで後12体。

 後ろの4体は彼奴の魔法が強かったからなのか一撃で死んだ。

 まあ実際彼奴は強い。

 だからこそこの群れを率いているんだろう。

 だけど彼奴は群れのことは考えていない。

 脳にあるのは生命として、の本能である己の死の回避のみ。

 だからこ彼奴(あいつ)今、ナイトウルフの12体に指示を出さずに肉の壁として使っている。

 殺そうとしてこない奴を殺すのは心苦しいけど、仕方がない。

 少し罪悪感を覚えながら闇黒弾で、せめて楽に死ねるように、一撃で頭を破壊していく。

 でも、私のしていることは、まだましだった。

 アースウルフが魔法を使う。

 魔法を向けられているのは、ナイトウルフ。

 その魔法を、アースウルフは、“まず”胴体に当てた。

 次に四肢にあて、最後にとどめを刺した。

 アースウルフはそれを繰り返していく。

 私はそれを止めもせずに、ただ唖然としてしまった。

 おまえ、自分が何してんのかわかってんのか?

 おまえが導いて助け合うはずの仲間をさぁ、苦しめた挙句殺してんだぞ?

 手加減はしない。

 私は決めた。

 絶対に、こいつは殺す。


 私は初めて、純粋な殺意を他の命に抱いた。












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