蝶の山脈調査隊4 and 漁夫の利したったー
火が燃える。
何かの焼ける匂いと漂う香りが、そこにいる全員の食欲をそそった。
「おお、あんたすげぇな」
「まさかバルガ准将にこんな特技が」
「昔父親に教え込まれましたのでな」
野営を初めて3時間。
既に日は落ちており野営のためのたき火のみが周囲を照らす光源となっている。
「出来ましたぞ」
「では失礼して」
「ありがとよ」
「悪いねぇ」
「失礼します」
全員がバルガの作った串焼肉を食す。
肉汁と旨みが溢れたその肉料理は、彼らが今まで食べた男飯の中で、最も美味だった。
「これは中々!」
「ほう、あたしの昔の彼氏よりはうまいねぇ」
「婆さんの色話なんぞ聞きたくもないがこれは旨いということは認めるぞ将軍さんよ」
「そうか」
暫く和気藹々とした空気が流れ、時刻は深夜となった。
焚き火の灯りは魔物に見つかるという理由で消され、周囲を照らすのは月と星明かりのみ。
夜番は騎士がやっており、張り詰めた空気が漂っている。
騎士の男が一人、口を開いた。
「なぁ」
「なんだよ」
「あいつ無事に着いたかな?」
「着いただろうよ」
「そうか」
「、、、、、、なぁ」
「んだよ」
「俺たち、無事に帰れるよな?」
「か、帰れるだろ!縁起でもねぇこと言ってんじゃねぇよ!」
「うるせぇぞ、静かにしろ」
「す、すまん」
気まずい雰囲気の中、騎士達は夜番を続ける。
その時、弓使いのSランク冒険者が、慌てた様子で目を覚ました。
「ど、どうかされましたか?」
「畜生!来やがったぞ!」
「な、何が?」
「ウィンドモンキーどもだ!連中、ここまで付けて来やがった!道中引き連れた分も入れて100はいるだろうよ!」
「100!?」
「おい起きろテメェら!」
「煩いですね起きてますよ」
「こちらも同じく」
「老人の安眠妨害とはぁいい度胸しとるじゃないか。え?ッカッカッカ!」
各々が闘志を燃やす中、最初の一体が彼らのもとに到着した。
直様斬り殺されるが、次から次へと彼らのもとに集まってくる。
「おいババァ!火をつけろ!暗くてわからん!」
「しょうがないねぇ」
老婆は再度薪に火をつけおまけに周囲のウィンドモンキーも燃やした。
「しっかし数が多いですね」
「この分では火が昇るまでに終わりそうにないですな」
「俺は猿が嫌いなんだよ!」
「ほほう。だからそんなに慌ててるのかえ?」
「当たり前だ!嫌な思い出しかねぇ!」
弓使いは過去のトラウマを思い出し、それを消し去るために矢を連写した。
何本もの矢が貫通しウィンドモンキーを絶命させていく。
しかしそこで、不思議な現象が起きた。
ウィンドモンキー達が、突如として死んでいったのだ。
「一体何が、、?」
「まさか、、」
「おい騎士共」
弓使いが四人に警告を発す。
「、、、、、全力で逃げな」
その瞬間、圧倒的な存在が、彼らの前に現れた。
さて、目の前にいるのは人間達8人。
騎士風の男が5人と軍人老婆弓男が一人づつ。
「*>=`+`”&#%$#’%”&%$&*#>”*#>!」
弓男がなんか叫ぶ。
予想通り日本語ではないね。
いやーまいった。
これじゃあエディノイドになったところで人間と交流できないじゃん。
あ、4人の騎士が逃げた。
逃がすか!
他の四人が私の前に立ちはだかる。
ほう、邪魔をするというのかね君たち?
私の経験値ぃぃぃ!!!
ま、多分こいつらの方が強いっぽいからいいや。
さて、男が矢を番える。
闇黒盾を使って防御を固め全員に衰弱・強奪・疲労・減速・貧弱・不能の全部をかける。。
ふむ、全部成功。
やっぱり自分よりステータスが低いと成功しやすいな。
「########!」
「%*\+=”\!!」
いやぁ、何言ってるか全然分からん。
まあ混乱しているってのは表情でわかった。
とりあえず、そこお婆ちゃんからやろうか。
老人を痛めつける趣味はないし人間を殺すのは少し心苦しいが、私だって生きている。
生きているということは他の生物から奪っているということだ。
せめて苦しまないように殺そう。
それがせめてもの慈悲だ。
闇黒鎌を生成しMPを1000程つぎ込む。
高速で移動させ老婆の首を斬り落とす。
男が消耗状態でありながらも弓で私を狙う。
闇黒盾でそれなりの速度の矢を防いで逆に闇黒矢を10発ほど頭に叩き込む。
「&%#”&$’#&*+`!!」
「#%”&&$!」
誰だっけ?
あ、思い出した、バルガとラックだ。
バルガとラックが全力ダッシュで逃げ始める。
逃がさんよ。
闇黒槍を生成し始める。
少し時間がかかるが問題ない。
まず一人。
ステータスが高かったラックくんに槍を、バルガには闇黒弾で攻撃する。
槍はラックの胸を貫通しバルガは闇黒弾で側頭部が消滅し死んでいった。
グッロ。
4人の騎士はもう気配察知の範囲外だ。
ちぇ、損したな。
『カースキャタピラーLv2がLv3になりました』
『減少分のステータスを回復します』
『各種ステータスが強化されました』
『スキル・高速演算がLv4になりました』
『スキル・思考加速がLv4になりました』
『スキル・予測がLv6になりました』
種族・カースキャタピラーLv3
名前・無し
HP2240/2240
SP2460/2460
MP4980/4980
速度580
物理攻撃力2240
魔法攻撃力4760(+250)
物理耐性3470
魔法耐性2230
スキル・闇魔法Lv6禁呪魔法Lv1呪魔法Lv6鑑定Lv7思考加速Lv4高速演算Lv4予測Lv6魔法攻撃力増加(中)Lv5毒耐性Lv3夜目Lv6気配察知Lv7HP自動回復(中)Lv1死属性耐性Lv2苦痛軽減Lv5魔力使用軽減Lv4魅了耐性Lv2水属性耐性Lv1
称号《禁断の食事》同種族を食した者が得る称号
《天敵殺し》自種族の天敵を殺した者が得る称号
《呪蟲》呪魔法で大量のモンスターを殺した者が得る称号
《転生者》秘匿されています。
おぉう?
まじか。
まじでか。
え?
まじで?
Lv上がった?
水喰鳥より弱いぞあいつら。
人間ってもしかして効率がいい?
なら人間大量に狩ればよくね?
とりあえず、人間見つけたら即狩るか。
あ、転生者はやめておこう。
判別つかないけど。
私は人間の死体を放置し、森の奥へと帰って行った。




