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転生したら蝶でした。  作者: おとのそうくつ
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全滅

 冷え切り硬くなった肉を食べ終わるが未だに飢餓感は治らない。

 青虫きょうだいを食べるか?

 さすがに食べたくない。

 でもそれ以外に道はない。

 他の青虫に夢中になっている青虫の背にかじりつく。

 異様に硬い表皮を食い破り青い血が流れる内臓を食い荒らす。

 苦味と不味さで吐き気を催すがそれでも食べ続ける。

 暴れる青虫を上から押さえつけて全体重をかけて内臓を押し潰す。

 青虫はそれで動か無くなり死体となった。

『称号・《禁断の食事》を獲得しました。スキル・闇魔法Lv1、スキル・禁呪魔法Lv1を獲得しました』

 何か聞こえるが私にはそれを聞き取る余裕はなかった。

 不意に後ろで痛みを感じた。

 見れば他の青虫が私に噛みつこうとしているところだった。

 全力で移動してその場を離れる。

 付いてくる青虫と向き直りお互いがお互いに向かっていく。

 頭部を浮かせて青虫の上に乗っかり顔より少し上の部分から食い破り頭を引きちぎる。

 それだけで青虫は青い液体を垂れ流しながら絶命した。

 その時、声が聞こえた。

『スモールーキャタピラーのLvが2になりました』

『各種ステータスが強化されました』

『減少したHPを回復します』

 齧られて痛んでいた背中がだんだんと回復していく。

 なんだこれ?ステータス?Lv?これじゃまるでゲームだ。

 飢餓感はなくなり冷静になれる。

 私の間違いでなければステータスというものはゲームにおいても小説においてもどちらも個々の生命の強さを数値化するものだったはずだ。

 でもそんな物は実際にあるわけない。

 それが実在する世界。

 少し、いやかなりやばい所に、私は転生してしてしまったかもしれない。







 暫くすると床は青い血塗れになり、何百匹といた青虫は私を含めて5匹程になっていた。

 恐らく全員がLv8以上に達しているだろう。

 5匹がその他4匹を警戒しながら近づいて行く。

 もしLvという物が日本と同じ様な物なら、他の4匹の中で生き残った個体と戦う事になる。

 生き残った個体は絶対に強くなっているだろう。

 そうなると負けは必須。

 今は、なるべく多く、他の青虫を殺すしか生きる道はない。

 一匹目が焦れたのか動き出した。

 私は向かってくる青虫の横に回るように動いて腹を引きちぎった。

 それを見てもう一匹が私に向かって突進してきた。

 身体を頑張って起き上がらせ突進してきた青虫の上に乗り背中から青虫を食い破る。

 足が食われかけているが問題はない。

 その前に心臓を食い潰したから。

『スモールキャタピラーのLvが9になりました』

『各種ステータスが強化されました』

『減少したHPを回復します』

 食いかけられた足が少しずつ治っていく。

 残った2匹は既に戦いを終わっており買った片方の食われかけていたであろう腹が治り始めている。

 これで一対一。

 向こうが突進してきた。

 横腹が傷ついていたことを考えると横から攻撃を仕掛けるとカウンターを食らいそうな気がする。

 体の前の方だけを横に振り向きちょうどいいタイミングで反対側にスイングする。

 するとあら不思議当たった兄弟が吹っ飛ばされました。

 仰向けになって無防備になった腹を食い破り息の根を止める。

 そして私以外の全ての青虫が死んだ。









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