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第七話:親と子

あきらかに親父の声…



3メートル先で雅人が怒られている。



親父は手を振り上げ雅人を殴ろうとしていた。



俺は叫んだ。



「っ!やめて下さいよ。おとなげない。」


親父はこっちをみた。


と同時に雅人がいう。


「坊ちゃんッΣ!今は安静にしてください。お体に障ります。」


まったく…自分の心配より俺の心配かよ。


ため息をつきながら雅人のそばまで行く。


「ほら行くぞ…!」


「はいっ!」


俺は中道さんの部屋まで行く事にした。


だが親父に呼び止められた。



「待て…」


その声は怒鳴り声がおさまり冷静になっていた。


「何の用です!?」


と負けないように言い返す。



「その使用人の処罰をしておけ」


あざけ笑うように言ってきた。


「お断りですよ…Σ雅人は俺の使用人です!」


きっぱりと断った。


「ならばこれは命令だ。できねば切腹だ。」


無理矢理押し切ってきた。

「くっ」


そのまま続けた。


「卑怯ですよ。あなたに指図される事などないはずです。」


俺は雅人の前にたった。

「ならば自分の手で処分するまでだ。」


親父がこっちに歩いてくる。


俺の前に立って吐き捨てた。


「どけっ悠一」


俺は親父を睨みつけて言う。


「断る。」


言うと親父は手を挙げ振り上げそのまま俺のところへ飛んできた。


「うわっ!」


俺はそのまま吹っ飛んだ。

そして花瓶を立てている土台にぶつかり上の花瓶が転がり落ちてきた。



「坊ちゃんっ!」



気がつくと花瓶はほとんど当たっていないのに沢山の血が上から落ちてきた。



見上げると雅人が血だらけで俺を支えていた。


明らかに俺を庇った事がわかった。



「雅人っ!」


少し怖かった。


そして雅人は口を開いた。


「坊ちゃん…無事ですか?」


また俺の心配……


「ったく!俺は大丈夫だから自分の事を考えろ!」


雅人は俺の不安を気付き無理矢理笑った。


辛かった。


そして親父はあざけ笑うように言った。


「まぁこのくらいだな。」

俺はそんな親父が許せなかった。


「クズですね。あなたは…」


だが親父は俺の言葉を無視して歩き去ろうとした。


だから俺は親父の腕を掴んで挑発した。


「逃げる気ですか!?自分の過ちを見つけて貰えませんか?雅人に謝ってください。」


目の前には花瓶の割れた音に駆け付けてきた中道さんがいた。


親父はそんな事どうでもいいみたいに俺の手を払いのけ言った。


「触るな!…汚らわしい。」


俺は睨みつけた。


もう親父のこんな言葉は慣れていたからなんとも思わなかった。


そして親父は続ける。


「お前など生まれて来なければよかったんだ。」

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