第六話:思想
俺が目覚めたのはいつものベッドだった。
横には雅人がいた。
「雅人か…」
「坊ちゃん…気がついたんですね♪」
俺は安心した。
不安が一気に吹き飛んだ。
「雅人…いったい何があった!?」
ため息をつきながら聞いた。
「誘拐としか言えません。犯人すら分かっていません。ですが坊ちゃんは今1番しなければならない事は安静ですから。」
心配症の雅人に嬉しく思うよ。
「あぁ…分かってる。すまない…いや?ありがとう。」
照れながら雅人は言った。
「僕だけじゃありませんよ。中道さんが助けてくれたんです。僕だけじゃ坊ちゃんを助け出せなかったですよ。」
中道さんか……
あの人は武道の達人だからな
それにしてもただの誘拐にしては変だ。
普通ならあんな奴ら(黒い服で身を包んだ人達)を使うだろうか?
使うとしてもあの人数はあまりに多すぎる。
どうする……?
「…坊ちゃん?」
まずいΣ!
黙ったままだった。
「あっいや?なんでもない。ただ…中道さんが心配でな。」
ごまかせた…か?
「坊ちゃん!」
ビクッΣ!
「中道さん呼んできますよ。」
といってでていった。
ふぅ〜天然でよかった。
いや?天然というより馬鹿か…
まあ中道さんが来たら話しを聞けばだいたい推測はつくだろう。
雅人が呼びに行って5分…
広いからっていくらなんでも遅すぎる…
行ってみるか…
ベッドから足を下ろして立ってみた。
フラフラして頭が痛い。
まぁいい…。
数歩歩いたらドアがあった。
ドアを開けると怒鳴り声が響き渡っていた。