第五話:死者0人
中道さん大丈夫かな!?
生きるという意味と同じで中道さんの命を背負って一歩でも前に進まなければ…
中道さんの後ろ姿が見えた。
中道さんを見たとき思った。
やっぱ中道さんはすごい!
怯む事なく黒い服で身を包んだ人達と闘っている。
技を軽やかに避けてカッコイイ…
僕は立ち止まった。
でも僕は中道さんを救えるのかな…!?
ただの足手まといになるんじゃないか!?
でも…僕は……後戻りしないって決めたんだ!!
中道さんは怯まず闘っているじゃないか…
僕が怯んでどうするんだ。
また僕は走り出した。
中道さんが敵に後ろを取られた。
僕は中道さんを失なわないために全速力で走った。
走りながら僕は黒い服で身を包んだ人達の中の一人を殴った。
手は少しぴりぴりして痛かった。
でもそんなことは言ってられない。
「なんで戻ってきた!?」
中道さんは僕にそう言って黒い服で身を包んだ人達を押さえ付けた。
「坊ちゃんならこうするだろうし……」
僕は続けた。
「もう誰も失いたくない。逃げてるだけじゃ駄目なんだ。」
中道さんはもう何も言わずにいた。
知らない間に黒い服で身を包んだ人達は俯けになって倒れていた。
黒い服で身を包んだ人達の仲間が乗っていた車はもう何処にもなかった。
中道さんはポンポンッと俺の肩を叩いて言った。
「帰るぞ…坊ちゃんの所へ」
優しい声だった。
何故かホッとした。
「はいっ!」
と言い車を呼び坊ちゃんのいる所まで向かった。