第三話:分析開始
まぁ分析といっても何をするかなんて知らないけど、何となく思うんだ。
たいした奴じゃないって事が!
だって凄い人なら、俺はまだ気付いていないはずだろうし…。
まさか!!……しかし。
っと頭の中であらゆる推測をしていた。こんなに尾行が下手なんだったら、高校生くらいだろうから、俺の家がばれるのはあまりよくない。
それに、もし学校の人間だったとしたら金持ちだって事がばれてしまうし、かといって、そのまま後をつけられるのはチョット困る。どうしたらって考えるまでに家についてしまう。まあここは一か八か逃げるしかない!
ピタっと足を止めると、後ろの奴も足が止まる。俺はすっと横にある家と家の間の道を通り、そこら辺を全速力で逃げた。
ハアハアと息をもらして少し回りをみて
撒いたか?
っと思ったから足を緩めた。それで、かなり疲れていたから木陰に隠れて携帯で車を呼ぶ。
プルルルル…プルルルル…
そして電話に出たのは、俺の使用人の雅人だった。早速問い掛けてきた。
「もしもし、お坊ちゃん!?どうなさいましたか!?」
「雅人か!?今すぐ、迎えの車を呼びたいのだが!?」
「はい。わかりました。場所は何処に御呼びしますか!?」
「え〜と…中泉公園までだ。」
「はい。承知しました。」
俺は電話をきり、携帯をポケットにしまい。目の前にある中泉公園の中まで歩いた。流石に夕方6時には、子供が一人もいない。静かだ…。俺は木の下に座り、こんな事を考えた。
後ろから追ってきたやつは、今何処にいるんだ!?しかもアイツは何者だったのか!?疑問が沢山でた。数えきれないほどに…
ブルルルル……
車の音が聞こえてきた。どんどん音が大きくなっていく。すると車は公園の前で止まった。
やっときたか
俺は車に近寄って思った。
家にこんな車はあっただろうか!?
すると車のドアが開いた。黒い服で身を包んだ男が二人ほど出てきて、こちらに近寄ってくる。
なんなんだ…?
こいつら…?
危険だ!
頭で理解しているのに身体が逃げろって言っているのに動かない。
動けよ身体!動けー!!
男達が俺の前に立った。そして俺の肩を触る。
駄目だ!やられる!
すると五時のチャイムが鳴り響いた。
俺は我にかえり、俺は黒い服で身を包んだ男の手を払いのけて、敵との間をあける。
なんなんだよ
こいつら…!
何者なんだ!
ブルルルル………
またもう一台車がやって来た。
俺の家の車が来たのか…?
いや違う…!
黒い服で身を包んだ人たちの仲間だ…!