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巫女の守り人  作者: いなべ たいぞう
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村長登場

「着きました!ここが、私か住んでいる村です!」

「へぇ、ここが…」

鬱蒼としていた木々が開け、村が姿を現した。何の変哲もない普通の村……というわけではなかった。深い森の中ということもあり、豊かとは言えず、かといって荒れる様子もないし寂れているわけでもない。しかし、その周りは頑丈そうな木の柵で囲まれていた。柵はカグツチの胸の高さほどあり、先端が鋭く尖っていた。そしてさらに頑丈そうな門まであり、物々し雰囲気を醸し出していた。カグツチが柵の中を眺めていると、そこに初老の男性が歩いてくるのが見えた。

「あ、村長さん!村の巫女セツナ、ただいま戻りました!」

「おお、これは巫女様、おかえりなさいませ。して、後ろの方はいったい?」

「この方はカグツチ様と仰って、先程帝国兵に追われてるいたところを助けていただいたのです!」

「それはそれはカグツチ殿、我が村の巫女様がお世話になりました。私はハンゾウ、この村で村長をしているものです。」

「カグツチだ、旅をしている。」

「それで村長さん、助けていただいたお礼に宿と食事をふるまおうと思うのですがいかがでしょうか?」

「それは良い考えですな。カグツチ殿、大したもてなしは出来ませぬが、どうぞごゆるりとくつろいで行ってください。」

「ありがたい話ではあるが、いいのか?」

「えぇ、もちろんです。もしよろしければ、村の娘を夜の供に向かわせますが、いかがですかな?」

「なっ、要らねぇよ‼︎」

「はっはっは、そう遠慮なさらずに、この村には巫女様をはじめ、美しい娘がたくさんおります。きっと、カグツチ殿の好みの者もおりましょう。」

「だから要らねぇっつってんだろが!飯と寝床があればそれでいい、十分だ!」

「はっはっは、また気が変わったら、いつでも言ってください。それでは門を開けますので少々お待ちください。」

そう言って村長は何事もなかったかのように門を開けに行った。

「………」

全く、くえない人物である。セツナでさえ苦笑を浮かべている。

「で、ではご案内致しますね、カグツチ様。」

「……っ、ああ、頼む。」

開かれた門から村の中に入る。

「では村長さん、また後ほど。」

「えぇ、では祈りのの祠で。」

「はい、さあカグツチ様、こちらへ。」

「あ、ああ、失礼する。」

カグツチとセツナは村長に別れを告げ、歩いて行った。









ふぅ、と私はため息をついた。巫女様の帰りが遅いのでもしや、と思ったがどうにか無事だったようだ。巫女様を助けたカグツチ殿、おそらく相当な使い手であろう。帝国兵は必ず二人以上で任務にあたる。巫女様に疲弊した様子が見られないということは、カグツチ殿一人で帝国兵を片付けたということ。にもかかわらず怪我をした様子は見られない。一対多を無傷で切り抜ける戦力は村の防衛に是非ともほしい。なので既成事実を作るために村の娘をあてがおうとしたが、断られてしまった。が、ここはまぁ巫女様に頑張っていただくとしよう。

「しかし、カグツチ、カグツチか……どこかで聞いたことがあるような〜ないような、なんだったかな?」






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