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プロローグ
少女は泣いていた
惨状を目の当たりにし、ただただ涙を流し、立ち尽くしていた
まだ年端もいかぬ少女であった
グォォォォォオ
時折何かの咆哮が聞こえる
辺りは酷い有様であった
建物が破壊され、木はなぎ倒され、そこら中で炎が上がっていた
少女の傍らには1人の若い剣士が立っていた
身体中傷だらけであったが、眼光は依然として鋭く、辺りを見回し、警戒していた
しかし、限界は近いらしく、既に手足が震え始めていた
"あれ"がもう一度襲ってくれば、おそらく死んでしまうだろう
自分も、少女も
ああ、もう、限界なのに………
破滅の羽音は徐々に、だが確実に近づいていた………
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