修行編Ⅱ
「第3試合、速音対鈴海!双方よーい、はじめ!」
教官の合図とともに先ほどの試合とは違う雰囲気が周りを支配する。
「「ソウルロック、解!」」
まるで鈴海は一流剣士のような迫力だった。氷雨はこの試合を魔眼で観察。八鹿は魔眼を起動しなかった。
「〈ゲインテンポ〉」
速音のレイピアによる連撃が始まった。
「〈波乗り〉」
剣を地に刺すと、下から波のような水が出てきて早く移動をできる状態になる鈴海。しかし、〈ゲインテンポ〉は想像以上に加速する。
「速く...速く...速く...速く...速く..速く..速く.速く.速く速く速く」
声のテンポも速くなり連撃は途絶えない。
「ハァア!」
だが、鈴海はそれをなんとか剣で流す。しかし、もう限界に近い。そう思った瞬間、連撃は途絶えた。そして、鈴海の気が緩む。その刹那剣が首元に現れる。速音は、自分の最も得意とする技を騙しに使い、軽い攻撃でとどめを刺したのだ。この出来事はたった10秒の出来事だった。
「試合終了!」
教官により二人の試合は終わる。
「第4試合、アレクシア対伊吹!双方よーい、はじめ!」
「「ソウルロック、解!」」
開始から魔力が尋常じゃない。咲は怖さで震えている。〈ゲイボルグ〉と〈クラウ・スラスト〉はどちらも神剣、神槍。激しい剣劇とともに火花が散る。
「〈界雷〉」
アレクシアの剣に雷がまとわりつく。雷を帯びた剣は破壊力とスピードが格段に向上する。
「光と闇の狭間に存在する神槍よ。我に力を与え給え!〈天魔〉」
〈ゲイボルグ〉の先端の近くにまるで、天使の羽と悪魔の羽よような形に魔力がたまっていった。こちらも破壊力とスピードが格段に向上する。
「「ハァアアアアアアアアア!」」
二人の剣はやがて魔眼を使わなければ残像しか見えないレベルへ至った。ただの練習試合なのにだ。二人の実力は拮抗しており、試合は長く続いた。
だが、伊吹の一瞬の気の緩みを逃さなかったアレクシアが勝利した。
「バーストもしていない状態に負けるとはまだまだね」
アレクシアが上から目線で伊吹に話しかける。
「そうね」
いつもの気の強い伊吹はどこかへ消えていたが、そこには誰も突っ込まなかった。まるで、入ってはならない領域だと思ったからだ。
「さて、次の試合が最後だ。一夜対氷雨。双方よーい、はじめ!」
もうそろそろブクマ50だっ!ヤッタァ!最近調子が良くて楽しいです!皆様のおかげでここまで来れました!これからも霧島アヤトをよろしくお願いします!
では、また次回!