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一流魔法師妹と三流剣士兄  作者: 霧島 アヤト
入学編
4/64

三流剣士の所以I


「駆け巡れ〈驟雨〉」


魔力が全身から、右手へ移りその魔力は次第に日本刀へと変わっていった。


「まあ、そこんところは戦って見てから行ってくれ。君程度に本気は出さないから」


まるで、勝つのも前提。更には圧勝した後のような喋り方。見下されたかのような口調はアレクシアの逆鱗に触れた。


「さて、もう演説は終わったかしら?あなたをぶっ潰す準備はできたわよ。かかってきなさい変態クソ野郎」


魔力を最大限に引き出し、姿勢をかがめ戦闘体制に入るアレクシア。


「じゃあ、始めるよ」


氷雨が言葉を発すると同時にアレクシアに向かって突撃する。そのスピードは秒速20メートル程の高速移動だった。


「んなっ!」


アレクシアと氷雨の距離はわずか10メートルほどしか離れていなかったため、一瞬で距離を詰められたことに驚きを感じていた。だが、突撃してきた氷雨の剣をうまく弾いた。そこからは氷雨が連撃をアレクシアに向け放つ。


「スピードだけねっ!」


アレクシアが剣を躱しながら氷雨を煽る。


「そのスピードが速すぎて自分が攻撃できてないんだけどね」


氷雨も負けじと言い返す。だが本心は、


(このスピードの攻撃を全て避けきれる奴は初めて見たな)


と、かなり驚いていた。


「舐めたこと言ってくれるわねっ!」


アレクシアは、飛んできた斬撃を剣で流すように受け止め、その剣を回転させ氷雨に向かって斬撃を飛ばす。

それに対し、氷雨はその斬撃を予知してたかのように剣を受け止めた。しかし、氷雨は一歩後ろへ弾き飛ばされてしまった。


(俺の斬撃を利用したのか!?)


驚いてはいたが、これ以上のレベルの相手とやったことがある氷雨は動揺はしなかった。


(予知したの!?)


それに対して、アレクシアは激しく動揺していた。


「なかなかやるわね」


アレクシアが気を抜いて、氷雨のことを褒める。


「そりゃどーも」


アレクシアが気を抜いた瞬間、氷雨はあっという間に間合いを詰めた。しかし、アレクシアはしっかりと反応し、氷雨にカウンターを入れた。


「こんな簡単に隙を作るわけないじゃない」


少し笑いながら上から目線で話してくるアレクシア。


「隙は罠ってか?」


ハイレベルな戦いをしながらスラスラ喋る二人に対して群衆は驚きを隠せなかった。さらに衝撃的なのは、氷雨が今年度最下位の三流剣士ということだ。


「あなたが剣術がうまいことがわかったわ。だけど、決闘に勝てるかは別よ。決闘を負わされるわ」


ベラベラと喋りながらえげつないことを言ったアレクシアに対し、氷雨は警戒の意思を示した。一歩後退し、次の攻撃を警戒した。


「雷光よ敵を貫け〈雷光ライトニング〉」


アレクシアが剣を地面に突き刺すと、氷雨の足元から直径1メートルほどの雷が空に向かって出現した。


「マジかよ」


一歩後退し、集中力をあげる氷雨。そして確信する。


(油断したら負ける!)


「雷よクラウに宿れ〈界雷ボルト・バースト〉」


空に向かって放たれていた雷の中からアレクシアが現れた。しかもそのまま氷雨に突撃してくる。さらに、アレクシアの剣に空に向かっていた雷が纏わりつく。


「雨よ!我が体を守り給え〈逆雨〉」


アレクシアと氷雨の間に2メートルほどの水飛沫が舞う。そこにアレクシアは突撃したが、アレクシアの刀に纏わり付いていた雷は姿を消した。なぜならそれは、魔力ガードと呼ばれる魔法系の攻撃だけを防ぐ防壁だったからだ。さらに、氷雨の水飛沫はアレクシアの視界を濁らせた。アレクシアはそれに対して目をつぶって対処したため、目の前にいる氷雨に気づかなかった。


「霧島秘術1の型〈水無月〉」


アレクシアの目の前に刀が現れる。


「!?」


声にならない驚きと同時にアレクシアは本能的に顔を横にずらす。だが、刀はアレクシアを追尾するように追ってきた。それがアレクシアの頰にかする。鮮血が飛び出す。


(また予知したっ!?)


驚くが、気はまだ抜けない氷雨の実力は未知数。アレクシアはやっと集中する。


(舐めてかかって倒せる相手じゃない)


だが、それは遅かった。もうそこは氷雨の流れだった。


「霧島抜刀術5の型〈五月雨〉」


氷雨は、右手に持った刀を左の腰あたりに降ろし、剣を左手で握り左手で鞘を作る。そして、右足を一歩前に出すと同時に勢いよく剣を引き抜く。


(この距離ならっ!)


刀同士が当たると思われた刹那氷雨の刀はアレクシアの剣をすり抜けた。反射神経のいいアレクシアはすぐさま後ろに交代するが、横腹には先ほどより深く傷が残っていた。


「リタイアするか?」


冷静かつ慎重に氷雨はアレクシアに問う。


「ま、まだよ」


汗をかきながら剣を氷雨に向けアレクシアは答えた。


「そうこなくっちゃな!」


そう返答した氷雨。


「ここまできて、諦めるわけないじゃない!あなたが強いことは認めるわ。だけど、勝負には負けないわよ!」


アレクシアはゆっくりと目を閉じ、一気に目を開いた。その瞬間、渦を巻くように雷がアレクシアの周りを囲う。地面は割れ常人には少し息苦しい空間ができていた。


(ものすごい魔力だ。羨ましいなぁ。だが、負けないっ!!)


氷雨も負けじと集中力を全開にする。氷雨は逆に魔力を抑え、右目に集中させる。二人は摺り足で、右足を一歩前に出す。たった2、3秒ほど二人は見つめ合い、一気に突撃する。


「「はぁああああああああああっ!!」」


二人の剣はものすごいパワーでぶつかり合い、手から血が出る。さらにはものすごい轟音が鳴り響く。


「「「キャアアアアアアア!!」」」


群衆は耳を押さえ叫び声をあげる。激しい轟音により、鼓膜が限界だったのだ。


ついにアレクシアと氷雨のバトルが始まりました。

何もかもがわからない自分ですが、自由気ままに小説を書いて行きたいと思います。

では、次回で。

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