運命の出会い
蒼白の青年。つまり霧島氷雨は、第一高校の入学式を終え自分の量を初めて見るのをワクワクしながら寮へ向かっていた。そして、寮の扉を勢いよく開け一番最初に目に入ったのは
つやつやの肌色だ。
そこにはほぼ全裸の金髪碧眼の女の人が立っていた。
「「へ?」」
二人はポカンとした顔でお互いを見つめ合う。
「あなた誰?」
女の人がこちらに話しかけて来る。
「あのー、それより早く服を着たら?」
氷雨がアドバイスすると女の人の顔は徐々に赤くなっていき次第には羞恥心でかがんで顔を隠していた。
(てか、なんでこんな恥ずかしい思いしてるのにあいつは平常心なのっ!?)
女の人はそう思いながら叫ぶ。
「出てけぇえっ!変態覗き魔ああああ!!」
ドアが開いた状態で変態覗き魔と叫んだせいかその言葉は廊下中に響き渡った。そして、その瞬間大きな足音が聞こえてきた。
(まずいッ!この状況は完全に俺が悪者にされるっ!なんで入学そうそうこんな目に合わなやならないんだよっ!てか、あいつが部屋舞がえてただけだろーがぁ!多分..)
心の中で叫びながら、氷雨はその部屋から脱出した。
◆
その後、氷雨は隠れて状況を整理した。
俺は悪くない、部屋を間違えたあいつが悪い。そんな考えが彼の思考をループする。
(整理できねぇ)
だが、そんなゆったりしている時間はそんな長くは続かなかった。
「いたぁああああ!!変態いい!!」
大勢の群衆を連れ、女の人は着替えを済ませこちらを追いかけてきた。
(ほんともうやだ)
呆れながらも立ち上がり、再び逃げ始める氷雨。だが相手の気迫は想像を絶するものだった。大勢の群衆の視線もとても冷たい。氷雨はその場において一番の重罪人であった。
「あれは俺のせいじゃないですよっ!えーと、何さんだっけ?」
名前を聞かずに逃げてきたため謝ることも言い訳することもまともに話すこともできない。
「私の名前はアレクシア・ウェールガントよっ!そっちも名乗れ変態っ!」
猛スピードで寮の廊下を走り抜けながら叫び声が交差する。
「俺は、霧島氷雨っ!よろしくっ!」
焦りながらもしっかりと返答し、外につながる階段からグラウンドまで一気に飛び降りる。すぐさまアレクシアも飛び降りる。しかし、群衆は飛び降りることを拒みすぐさま階段をかけくだる。しかも、5階から飛び立って着地しても二人には何も影響はない。
急いで逃げ、中央広場へと逃げ込む。
「だから、あれは誤解なんだって!!」
中央広場に着くと、氷雨はやっと止まり振り返って説明を始めた。
「誤解だか、なんだか知らんないけど、あなたが覗いた事実は変わらないのよっ!変態」
この言葉が発せられたと同時に群衆が追いついて来る。更には、その場にいたあっさりと話をすり替えられ悪者にされた氷雨は弁解を続けようとするが、完全に場は氷雨の敵のみだ。
「あんたに土下座してもらうまで許さないわよ」
ものすごい気迫で氷雨に宣言するアレクシア。
「え、え、だって、あなたが部屋を、、、」
氷雨が事情説明をしようとするがそれよりも先に
「ソウルロック、解!」
アレクシアが手に胸を当て、その手を少しひねり叫んだ。アレクシアの心臓付近から、膨大な魔力が、血管を通り体全体へ広がる。身体能力は、比べれないほどに上がり体の周りへ魔力が放出されていた。
「雷鳴雷光轟け〈クラウ・スラスト〉」
更には、アレクシアの手から地面に向かい魔力が凝縮され雷が落ちる。雷が次第に洋風のソードの形を取っていく。剣は、地面に刺さったまま雷は止んだ。刺さっている剣は、橙色に輝き雷を脳裏に焼き付ける色合いだった。アレクシアは一気にそのソードを抜き、氷雨に向け宣言した。
「あなたに決闘を申し込むわ。勝利条件は戦闘不能かリタイアね。報酬は、勝った相手が負けた相手を一日中好きに動かせる。それでいいかしら?」
ドヤ顔で、剣をこちらに向けて来る。
「え?いいの?」
ポカンとした顔でアレクシアを見つめる氷雨。
「へ?」
驚くアレクシア。
「わ、私は、今年度主席でさらに一流剣士で、神剣使いなのよ!」
アレクシアは動揺していた。さらにアレクシアには、絶対に勝てる自信があったため氷雨を威圧する。
「だから?あと、主席って実戦でつけるわけじゃないからなんの参考にもならないよ。」
氷雨が、バックをいじりながらアレクシアに返答する。
それを見たアレクシアはキレて言い放つ。
「ハァ!?努力もしてない奴が何を行ってるのかしらっ!所詮決闘も受けないあなたに何がわかるっていうの!?」
氷雨は何やら、アレクシアの地雷を踏んでしまったらしい。キレるアレクシアに対して、氷雨も返答をする。
「分かったよ。決闘を受諾する。あと、自己紹介もしておくか。今年度最下位で三流剣士。あと、テメェ今努力してねぇとか言ったな。あ?戦ってない奴に何言ってんだ。努力しないで主席取れる奴にはわからないだろうがな」
だんだんと氷雨の声のトーンは変わっていく。その言葉に次いで目にはまるで虎のような目力があった。それに対してアレクシアは、その氷雨の威圧に負けて、一歩後ろへ後退していた。
「ソウルロック、解!」
氷雨も、胸に手を当てそれを捻り全身に魔力を注ぎ込んだ。魔力量は、アレクシアと比べ物にならないレベルで少ない。
「弱い奴ほどよくほざくのよ!」
アレクシアも負けずと返事をする。
「駆け巡れ〈驟雨〉」
魔力が全身から、右手へ移りその魔力は次第に日本刀へと変わっていった。
今回からスタートしました!
誰でもいいから読んでほしいなあ。
まだまだ初心者なので、片言だったり文章が変だったら暖かく見守ってください。
いい小説が書けるように頑張ります。
では、また次回で