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異世界×転生×etc.~気付けば木とか豚とか悪役令嬢とかだった人達の話~  作者: 獅象羊
第一章/木になった俺と、最果ての森の四種族
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04.森の現況

「#……」


 チュンチュンと、果たしてスズメなのかは分からないが、小鳥の鳴き声が聞こえ始めた頃、朝の日差しが顔に当たったことでなのか、美人さんが小さく声を上げてゆっくりと瞼を持ち上げた。

 ようやくのお目覚めだ。

 俺は、美人さんが満身創痍とは言え、とりあえず目を覚ましてくれたことに胸を撫で下ろしつつ、早速声をかけてみた。


(大丈夫か?身体は痛くないか?)

「$%&&*+」


 ……おお、全然分からん。

 美人さんの形の良い唇が動いて、音を紡ぐ。

 けれど、その言葉は、言葉として俺に届かない。

 昨日は、テレパシー的なもので会話出来ていた様な気がするんだが…。

 そう思っていると、美人さんはハッとしたように声を漏らしてから、居住まいを直し、そうして俺に語りかけ直してきた。


「(ご心配には及びません。私、こう見えても鍛えておりますので…)」


 良かった。

 ちゃんと意志は通じるようだ。

 言葉は分からないし、そもそも分かったところで俺には口がないのだから、こうしてテレパシー的なもので会話が出来るのは本当にありがたい。

 俺は、昨日…いや、一昨日か。までの一人ぽっちでしりとりをしていたことを思い出しながら、会話相手がいるありがたみを噛み締めた。


「(昨日は、何の挨拶も出来ず目の前で眠ってしまうなど、痴態を晒すことになってしまい、誠に申し訳ございませんでした)」

(いやいや、無事なら良いんだ。俺は全然構わないよ)

「(本当にお優しい御心をお持ちなのですね…。痛み入ります)」


 感動したように頬を薄っすらと赤らめる美人さんの威力は絶大だ。

 心臓なんてないんだろうけど、動悸が激しくなった気がするし。

 …気のせいなんだろうけど。


(ところで、他にも幾つか聞きたいことがあるんだけど、構わないかな?)

「(ええ。助けて頂いた御恩もございますし、そもそもシンジュ様の問いに、我ら森の民が答えない、などという選択はございません。どうぞ、何なりと)」


 スッと執事とかがやりそうな、優雅な一礼をする美人さん。

 何て言うか、片手を胸の前にこう…置く?それで、片手で服の裾を軽く持ち上げての一礼って説明すれば良いのか?

 良く分からんが、とにかく優雅だ。

 俺にはとてもじゃないけど真似出来ない。

 流石、美人は違う。


 そんなどうでも良いことに感心してから、俺は軽く質問を整理する。

 まず聞きたいことは……追われていた理由とか、ここがどういうところなのか、彼女が誰なのか……エトセトラ。

 まぁ、細かいことは置いておいて、思いついたことから聞いて行くか。

 まとまりがないのは仕方がない。

 こう見えても、俺の混乱はまだ続いている。


(まず、君は一体誰なのかな?)

「(私の名はミーシャ、と申します。この最果ての森の民にして、誇り高い森のエルフ(フォレルフ)(おさ)一族の末子にてございます)」


 ふぉれるふ……。


 普通ならば、音だけが耳に入って来て、漢字ってどう書くんだ?

 みたいになるところだが、テレパシー的なもので会話しているせいか、それとも他に理由があるのか、それが意味するところを、俺は正確に把握した。


 森のエルフ、と書いてフォレルフ。

 おお…すげーファンタジーっぽい。

 響きカッコ良くない?

 そう思うのは俺だけ?


「(エルフとか森のエルフ(フォレルフ)についても気になるけど、まず先に追われていた理由を教えてくれないかな?)」

(お耳汚しになってしまうやもしれませんが……)

(そんなに酷い理由なのか?だとすると、出来れば知っておきたいな…)

「(このように申し上げれば、気になるのは当然ですよね。それに、この森の現状を、シンジュ様も知って然るべきかと思います。少々長くなるかと思われますが、此方こそ、お願い申しあげます。聞いて頂けますでしょうか?)」

(俺からお願いしたんだ。勿論聞くさ)


 俺の答えに、美人さんことミーシャちゃんは神妙な様子で頷いた。

 そして、ゆっくりと事情を語り始めた。


「(この最果ての森は、太古より四種族が共存して生きておりました。仲が良い、とまでは言えませんでしたが、必要な時には協力し、また互いの領分は決して侵さず、穏やかな時を過ごしていたと聞いております。


 しかし、そんな平和が、二百年ほど昔に崩れ去りました。詳細は私も存じ上げませんが、突如として他の三種族が我ら森のエルフ(フォレルフ)の集落に攻め込んで来たのだと言います。彼らも協力し合っていたようではなく、彼ら自身も争い合っていたようだと聞いております。


 森のエルフ(フォレルフ)も弓を取り、迎え撃ちました。けれど、実力はほぼ拮抗した四種族です。私たちはかなり数を減らしました。ただでさえ出生率の低いエルフの中でも、更に生まれにくい私たちにとって、それは大変な痛手でした。


 その戦いは、十年ほど続き、四種族それぞれが半数以下の数になったところで、休戦協定が結ばれました。ですけれど、以前のような穏やかさは、最早この森には存在しませんでした。今もなお、他種族と出会うと睨み合いが始まります。


 その中で、特に厳しい立場におかれたのが私たち森のエルフ(フォレルフ)です。他種族も半数を割ったとは言え、森のエルフ(フォレルフ)は更に数を減らしていました。それ故に、私たちは隙あらば狙われたのです。停戦協定を結んだとは言え、満身創痍だった我々は、契約術を行使する力が残っていなかった為に、口約束しか出来ず、拘束力が一切ないものになってしまっていたからです。


 それでも現在まで生き長らえているのは、私たち森のエルフ(フォレルフ)の力によります。私たちは、特に力の強い樹木の力を借りて、身を守る結界を張ることが出来ます。戦いによって若い仲間は大勢失ってしまいましたが、特に力を借りることに長けた者が多く残っていたことは、私たちにとって僥倖でした。彼らが、残った森のエルフ(フォレルフ)を丸ごと隠す結界を張ったのです。この森は、結界という狭い空間の中でも問題なく生きられるくらい、食物は豊富でしたので、息苦しい思いはしていましたが、それでも問題なく生活して来ました。


 …けれど、力の強い樹木については話は別です。朝も昼も夜も、力を借り続けていたせいで、ここ数年でその力を著しく落としてしまったのです。結界が不安定になることが増えました。そのせいで、幼い森のエルフ(フォレルフ)が他種族に襲われたり、誘拐されたりする事件が増えました。


 危機感を覚えた私は、新たに力を貸してくれる樹木を探しに、結界から出て来ました。一週間は前のことです。私が長一族の者であることは、恐らく知られていたのでしょう。人質とするべく三種族が絶え間なく襲いかかって来ました。私はその手を逃れ、必死に力の強い樹木を探しておりました。


 そして……見つけたのが、シンジュ様。貴方です)」


 ………。


 えーと、思ったより長いような短いような。

 四種族…突然起きた争い…停戦…そして結界の崩壊。

 うーむ、ファンタジーだなぁ。

 俺は、しみじみとそう思いつつ、頭の中を整理し始める。

 まだ分からないことも多い。

 順番に聞いて行かなくては。


(ふむ。結構混乱してるんだけど、まず確認しておきたいことを思い出したよ)

「(何なりと)」

(“シンジュ様”って、俺のこと?)


 それ一番どうでも良いだろ、という突っ込みが俺には聞こえるが、これは重要なことである。

 名無しから脱却するチャンスじゃないか。

 名無しって結構寂しいんだからな。


「(はい。力のある樹木のことを、我々は敬意を表し、シンジュ様と呼ばせて頂いております)」


 神の樹、ってところだろうか。

 えー、何それ俺カッコ良い。

 あ、それとも森のエルフの樹で森樹、とか。

 それだと普通だな…よし、勝手に神樹ってことにしておこう。

 何か表記分からないし。


<<ポリーン>>


<<新たな用語が開放されました>>


 そんな俺に突っ込みを入れるかの如くのタイミングで、特徴的な効果音が鳴る。

 このゲームっぽい音なんなんだよ、だから。

 そう思いつつも、俺はいそいそと図鑑を開いて見てみる。


【シンジュ】new


<分類:魔木。

森のエルフ(フォレルフ)が力を借りる対象として崇める存在。

かなりの魔力を秘めており、特に強大な力を持つ者は森のエルフ(フォレルフ)からの呼びかけに応えることが出来るとされている>


森のエルフ(フォレルフ)】new


<分類:ヒト(エルフ)。

別名、森の民。魔力に秀でたエルフの中でも、特に魔力との親和性が高く、魔術の習得可能範囲が非常に広い。攻撃、防御、支援など、様々な方向性に特化した者が存在する。また、閉鎖的なエルフの中では他種族に対して多少友好的>


 ほうほう。

 シンジュの表記は結局図鑑をしても分からない、というところか。

 なら、やっぱり勝手に神樹と名乗らせてもらおうか。カッコ良いし。

 それで、森のエルフ(フォレルフ)についても開放されてるな。

 魔術に長けてる…と言われても良く分からんが…今のところはスルーで良いな。

 とりあえず、これだけ分かれば俺については十分か。

 …まだ分からないこともたくさんあるが、仕方ない。

 急を要するところから聞いていこうではないか。


(争ってるって、あの馬面みたいな人たちとかい?)

「(はい。彼らは馬人(まじん)族。脚力に優れた、森のハンターです。基本的には穏やかな種族らしいのですが、何と言いますか…単純なところがあるようで、私達を含む他の種族と争いを続けているのは、昔からそうだから、としか考えていないようなのです。何度か説得を試みたのですが、こちらの言い分を少しも理解してくれなくて未だに歩み寄ることは出来ていません)」


 要するに、BAKAということか。

 可哀想だから詳しくは触れないでおきたいところだけど、俺の進退にも関わるから、ある程度知っておかないとならないんだよな。

 すまんな、馬人(まじん)族。

 一応君等の沽券は最低限守れるように頑張るよ。


(それで、四種族ってことは、君たちと馬人(まじん)族の他に二種族いるよね。それってどんな人達?)

「(森の小鬼(フォブリン)森梟(もりふくろう)の二種族ですね。森の子鬼(フォブリン)は、子鬼(ゴブリン)に連なる者で、この森に根付いてから、独自の進化を遂げたと言われる種族です。子鬼(ゴブリン)と同じように、そこまで賢くはないのですが、特定のルートで採集をしたり、罠を張ったりと、子鬼(ゴブリン)よりも悪知恵が働きます。彼らの罠は拙いのですがなかなか陰湿で…私達も幾度が煮え湯を飲まされました)」

(ふむふむ)

「(森梟(もりふくろう)は、森に住む種族の中で唯一空を飛べることを誇りに思っている、非常に自尊心の高い、気難しい種族です。本人達曰く、正々堂々を好むようですが、何度か闇討ちを受けたことがありますので、どこまで本当やら…)」


 ミーシャちゃんが、溜息混じりに教えてくれた。

 この森で長年争っているのは、つまり森のエルフ(フォレルフ)馬人(まじん)族、森の子鬼(フォブリン)森梟(もりふくろう)、の四種族、ということのようだ。

 争いの原因は不明で、森のエルフ(フォレルフ)的には、突然他の種族が攻め込んで来たことがきっかけだった、と。


 …これは……どう解釈すべきだ?

 図鑑から考えられるのは、この森は四種族が争いを続けていて、命の危険があるということで、それについてはミーシャちゃんの言葉の裏付けがあるから、その説明を素直に受け入れて良いと思う。

 ツッコミ所は無視するにしても、世界観について文句は一応ない。


 ただ、俺がシンジュという存在として、そんな危険な森に丁度良く現れるなんて確率的に有り得るのか?

 しかも俺には、曖昧だとは言え日本の記憶がある。

 そんな人間が、森のエルフ(フォレルフ)を守ってきたシンジュが死にそうになったタイミングで、見計らったかのようにシンジュとして生まれ変わった。


 きな臭いぞ。

 流石に、異世界すげぇとか、俺シンジュだってカッコ良いじゃないか、なんて喜んでいる場合ではなさそうだ。

 俺がこれから取るべき行動は何だ?

 失敗すれば、伐採されるか燃やされるかする可能性だってあるかもしれない。

 うおお…異世界植物生活、たった二日や三日で早くも詰むのか、俺の人生?

 いやいや、死んだのかも分からない人生を終えたばかりで、それは嫌だぞ。


<<ポリーン>>


<<新たな用語が開放されました>>


 はいはい、空気読まないアナウンス乙です。

 空気感にそぐわないこの電子音は、少し沈んだ俺の心を浮上させてくれた。

 よし、冷静になろうではないか。

 とりあえずは情報整理だ。

 図鑑を見よう。


馬人(まじん)族】new


<分類:ヒト(獣人)。

世界全土に広く存在する、最も数が多いとされる世界三大獣人の一つ。獣人の中で最も逞しい脚を持ち、荷物運びなどに長ける為、迷宮(ダンジョン)攻略の際に重宝する種族。短気な者が多い獣人の中では比較的穏やかな種族。頭脳労働は苦手な者が多い>


森の子鬼(フォブリン)】new


<分類:ヒト(魔者(まもの))。

極めて狭い土地にのみ存在する希少な子鬼(ゴブリン)。森の恵みを受けている為か、道具を加工して使用するなど、他の子鬼に比べ、発想力に長ける。一見賢そうだが、飽きっぽく、気まぐれな一面がある為、豊かな森以外では食物を取れないことが多い>


森梟(もりふくろう)】new


<分類:ヒト(魔獣)。

夜行性の鳥型魔獣の中では最大級の種族。大きな体躯を持つが、その反面隠密行動に長けており、その技能を活かした闇討ち等が得意。気質は生真面目で誇り高く、誇りを守る為ならば、何を犠牲にしても戦う>


【ヒト】new


<分類:種族。

言語機能が存在し、一定の共同体を築く者のこと。

また、二足歩行である者が多い。例外もある>


【獣人】new


<分類:種族。

ヒトの中で、人間と獣の特徴を同時に有する者達。人間の特徴が色濃い者や、逆に獣としての特徴が色濃い者など、様々な者が存在する>


【人間】new


<分類:種族。

ヒトの中で、最も魔力との親和性が低く、力も弱いことが多いが、良く頭が回り、それらのデメリットをカバーする種族。ヒトの中で最も多くの共同体を築く>


魔者(まもの)】new


<分類:種族。

ヒトの中で、特に魔物(モンスター)に近い姿をした者達。魔力への親和性が高く、その身に魔力の影響を受け、魔術を発動せずとも、似た効果を発揮出来る>


【魔獣】new


<分類:種族。

ヒトの中で、特に獣に近い姿をした者達。良く獣人と間違われるが、姿形に、一部も人間の特徴が入っていないのが魔獣。戦闘能力に非常に長けているが、反面、道具の扱いが苦手な者が多い>


 一気に開放されたものだ。

 俺は、ちょっと嬉しく思いながら、全ての用語に目を通す。

 ヒトの説明が簡素過ぎる上に範囲が広過ぎると思うが、細かい所には目を瞑る。

 そんなことをいちいち気にしていては、話が進まない。


(あと、君はこれからどうするつもりかな?)

「(シンジュ様さえよろしければ、私の村へ一緒にお越し頂いて、結界を張り直したいと考えております。力を貸して頂く代わりに、シンジュ様のことは我々がお守り致しますのでご安心くださいませ)」


 若干決定事項っぽい回答が返ってきた。

 俺は身の振り方を考えて、少しの間思考に耽る。

 俺の力を借りたい、と言っているのだから、協力すること自体はやぶさかではないのだが、問題は、本当に信頼出来るのか、といったところだ。

 ミーシャちゃん側の話しか聞くことが出来ていない状態で、この森の状況を全て問題なく把握出来た、とはまったく思えないからだ。


 とは言え、折角頼ってくれている人を疑うのは気分の良いことではない。

 それに、俺は歩けないのだから、ミーシャちゃんに場所を覚えられた以上、断ったらどうなるかも分からない。

 燃やされるかもしれないし、引っこ抜かれるかもしれない。

 そうすれば俺は死んでしまうのだし、そもそも俺という存在を知られた時点で、俺に許された道は、そう多くはない、ということになる。


 やっぱり、圧倒的に情報が不足している。

 ここは、あまり深く考え過ぎない方が良いのかもしれない。

 素直に、ミーシャちゃんみたいな美人さんの力にはなりたいし、人助けは良いことだと思うし、頷いておいた方が良いか。


(分かったよ。それなら、俺は君達の世話になろうと思う。よろしく頼むよ)

「(勿論です。お任せください、シンジュ様)」


 とりあえず従う、という結論を口にすると、ミーシャちゃんの表情が、パッと明るく解れる。

 やっぱり、美人さんは笑うと可愛いなぁ。

 俺は現状にそぐわない能天気なことを考えながら頷いた。


「(それでは、参りましょうか)」

(そう言えば、どうやって行くんだい?)

「(どうって…当然、私が連れて参ります)」


 俺の疑問に、ミーシャちゃんは事もなげに微笑むと、ガッと俺の身体を掴んだ。

 最初から会話の為なのか、俺の身体に触れてはいたものの、その際のフワッと軽く触る感じとは訳が違う。

 もうガッ!といった感じだ。

 え?と驚いて目を白黒させるような気持ちで見ていると、ミーシャちゃんはそのまま俺の身体を引き上げた。


(ちょっ、ちょちょ、ちょっと!ミーシャちゃん!?俺の身体ミシミシって言わなかった!?せめて土をどけてから優しく持ち上げてくれない!?)

「(大丈夫です。これが一番速くて確実ですから)」

(俺の身の安全は!?)


 幸いにして、痛い、という感覚はないものの、根っこが悲鳴を上げるのが聞こえてくる。

 まだ三日くらいの命とは言え、俺の成長は異常な速度を誇っている。

 その為、俺の根っこはかなりの深さまで伸びていた。

 そんな俺を、ミーシャちゃんの細腕が軽々と引っ張り上げる。

 どちらに突っ込みを入れれば良いのか。


 とりあえず、俺、村に着く前に死ぬかもしれない。


「(さぁ、抜けましたよシンジュ様。参りましょうか)」


 嬉々として、自分の身長くらいある俺を担ぎ上げて、周囲に木々が生い茂っているとも、昨日あんなに怪我で苦しんでいたとも思えないようなスピードでミーシャちゃんは駆け出した。

 目まぐるしく変わる景色の中で、俺は意識を手放してしまうのだった。

パワフルな美形はお好きですか?

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