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最弱魔法を使ったら何か超火力になった

作者: 黒クル

お久しぶりの方はお久しぶりです。

今回もまた思い付きですが久しぶりだったので読みにくいかもしれません

 この世界で魔法を使うには魔力と想像力が必要で、頭の中で想像したことが現実になる。

 しかし、何でもかんでも現実になるわけではなく魔力量で限度が決まり、魔力差があればあるほどズレが生じる。

 例えば水を波の様にして相手を呑み込む想像をして魔法を発動しても、魔力が足らなかったらさざ波が出るだけで終わるといった具合に魔力がないとショボくなってしまう。

 そして俺は魔力がほとんどなく、生活でしか使わず、戦闘に関しては専ら剣を使ってたしそれで充分だった。

 だから強力な魔法なんて使えないしいらない・・・はずだった、なのに・・・。


「・・・どうしてこうなった」


 辺り一面を見ながら思わずそう呟いていた。

 一面まるで雨が降ったように水たまりが大量にできて、湿原さながらの様相を呈していた。


「こんなことをするつもりはなかったんだ・・・」


 前に少し見た大衆向けの推理小説に出てきた犯人のようなことを言う・・・実際問題こんなことをするつもりはなかったんだ。

 ただ魔物を狩って小遣いを稼ごうとして、その途中のどが渇いたから水が飲みたくてほんの少しだけ水が出る想像をしただけだったんだ。

 そしたら一瞬にして湿地原が出来上がっていた、うん、どういうことだ。


 しかも周りに人はおらず異常気象の類ではないという証拠に至る所に魔物の死骸が転がっている。


「とりあえず死体から魔石と素材を貰いますか」


 意図してないとはいえ魔物を殺したから折角だし。

 魔石も素材も売ればお金になるし、素材は穴だらけで売れそうにないけど。


 一通り回収を終えてそそくさとその場を去る、あんまり時間をかけると誰かに見られるかもしれないし。


「これはあなたがやったのかしら?」


 どうやら遅かったらしい、回収しないでさっさと帰ればよかったか。

 後ろからした声に答えるため後ろを振り向くと同じ学校の制服を着た女子生徒が立っていた、しかもその顔に見覚えがある。

 彼女は確か・・・えーっと・・・忘れた。

 とりあえず否定はしておこう、できればこのまま帰りたい


「いえ、違いますよ?」

「なら誰がやったの?」

「さぁ?」


 どうやらここに来たのは今さっきだったらしく、何も知らないようだ。

 このままいけば誤魔化せそうだ・・・この人誰だったかなー?見たことあるんだけど。


「そう・・・とんでもない魔法が見えたから来てみたんだけど」

「僕もそれを見て今来たばかりだったので・・・」

「そう・・・ところであなた、同じ学校の生徒みたいだけど、名前は」

「フィートです」

「そう。じゃあフィート君、もし学校で会ったらよろしくね」

「・・・」


 もう会うことはないでしょう、という言葉を飲み込んで軽く答えて町の方へ歩き出す。

 名前は思い出せないままだったけど、俺でも知ってるならたぶん成績上位の人、成績底辺の俺とあうことはないだろう。


 とりあえず、現状を確認しなければならない、あの異常なほど強さを持った魔法は何だ?本当に俺がやったのか、まずそこから確認しなければ。


「・・・水よ」


 さっきみたくなりたくはないので水がほんの少しでる想像をして魔法を使う。

 凄い勢いで水が飛び出しその先にあった木がへし折れた・・・嘘やん。


「あれは紛れもなく俺がやったってことか」


 分かったところで問題はどうしてああなったのか、急になった原因、今後どうするのか等々、これじゃあ生活もままならないからどうにかできるなら戻したい。


 魔法を使って火を出し料理をする、それが当たり前。

 しかし、今の俺の状態でそれをすると、料理どころか家の丸焼けが出来上がるだろうそれは困る。

 と、言うわけで魔石と素材を商人組合に売り払ってから学校に戻って図書室に行ってみることにした、もしかしたら同じ現象が書いてある本があるかもしれない。


 商人の受付のお姉さんにめっちゃ変な目で見られたことに傷ついたけど過去最高の稼ぎになったことは嬉しかった。


 学校に戻り、図書室へ向かう。

 図書室を利用する人は少ない、かくいう俺も利用しない。

 中は綺麗で蔵書の量も結構あるのだが、いかんせん平民の生徒たちは文字が読めないし何より内容も難しいしで利用者が少ない。

 俺は一応文字は読めるのでなのでもしかしたら何か有益な情報が載っているかもしれない、と思ったんだけど・・・


「何もなかった・・・」


 一通り見て回った感想がこれ。

 特にこれといった内容の本はなく、むしろ俺には全く関係ない内容の本が多かった。

『魔力量が多い場合の注意事項』『魔力の節約方』といった魔力量が多い人に向けられた本が殆どだった、当たり前だけど。

 だからなのか、少ない数の周りの生徒の視線が「何でこいついるの?」と言っていた。

 俺だって自分の身に何が起きたのか分かってるならこんなとこに来ないっつーの。

 周りの視線がいよいよ痛々しくなってきたから図書室を出る、いい情報が得られなかったことに少し落胆しつつこの後のことを考える。


「どうすっかなー・・・とりあえずもう一度外に出て魔法を試して、それから考え直すか」


 方針が決まり早速出かけ――「あ、フィート君、早速会ったね」・・・もうちょっとかかるかなー。

 嫌々ながらも声の方を向くとついさっき出会った女子と二人の生徒が立っていた。

 ・・・今日は厄日かなにからしい


「どうもこんにちは、そしてさようなら」

「待ってよ、せっかく会ったんだから少し話さない?」


その言葉に後ろの二人が驚いてかんぞ話しかけた


「リミリアさん、彼をご存知ないのですか?」

「いや?君たちは知っているのか?」

「もちろんですわ。彼は魔力がない落ちこぼれで有名ですよ」

「そうなのか?」

「えぇ、彼は魔力がゼロ、簡単な攻撃魔法も使えないんですよ」

「へー・・・」


 驚きと興味に満ちた目でこっち見んな、後ろの二人でゴミを見るような目でみるな、なんでそんな興味のある目を向けるんだ、そして名前はリミリアか、やっぱり思い出せなかった。


「そういうことなので関わらない方がいいですよ、じゃあ俺はこれで」

「なら最後に一つだけいいかい?」

「・・・何でしょう?」

「あの場の惨状は本当に君の仕業ではないんだな?」

「・・・僕のことは今そこの彼女が言った通りです、できるわけないでしょう」


 リミリアの質問に、それだけ言ってやっとこさ学校から出れた。



 やってきたのは先ほどやらかした平原よりもさらにその先の森、強力な魔物が多く危険だがここまで来れば少なくとも学校の関係者には見つからないだろう。

 もし今も魔法に異常があるならここら辺の魔物でも十分対応可能だろう、というか余裕だろう。


 というわけで、早速実験開始。

 今回は想像するのは指先から火が出ること。

 それを想像しながら起動の言葉を呟く。


「炎よ・・・」


 起動した瞬間、指先から火山弾が出現し前方にあった岩を粉々に砕いた


「・・・。」


 あまりの火力差に驚きすぎて言葉が出なかった、なんだこれ、指先から火山弾とか合わなさすぎる。

 指先から火が出る想像でこれか・・・火の粉にしたらどうなるのか


「炎よ」


 今度は火炎放射が飛び出す程度で終わった、いや程度ではないんだけど。

 こんどは別の属性を試してみることにした、水は最初にやったから・・・


「・・・大地よ」


 地属性の魔法を試してみることにした、想像したのは尖った岩が飛び出す魔法。

 すると、地面から城壁をも壊せるのではないかというほどの岩が飛び出してきた、一々スケールがデカい。


 その後も色々試してみたが、結局変わらない魔法は一つもなく、どれも例外なく想像したものより倍以上の火力で発動された。

 試した結果魔物が大多数犠牲となり、お礼と謝罪をしながら魔石を回収していった。

 一通り試して魔力がなくなってきたので実験を終了してその帰り道にそれは起きた

 森の中から魔物の声がした、そのすぐ後に人の声もした。


「ガアアアアアアァァァァア!!」

「う、うわああああ!!」

「ロートヴォルフ!?どうしてこんなとこに!」

「落ち着いて!地属性の魔法で壁を作って!時間を稼いで逃げるよ!」


 流石に知り合いの声が聞こえたら無視できない、急いで声のした方向へ向かう。

 森に入って暫く走ると、目立つ全身赤い毛に覆われた狼と対峙するようにリミリアが立っていて、後ろには二人が倒れていた。

 ロートヴォルフ、全身が赤い体毛に覆われた狼の魔物で、火を吐いたり爪で攻撃したりする。

 普段は火山などの熱い場所に生息してるんはずだ、なんでまたこんな森の中に?


「おい!大丈夫か!?」

「君は・・・!どうしてここに!?」


 駆けつけるとすでにリミリア以外の二人は倒されていて、リミリアがどうにか地属性の魔法で時間を稼いでいるところだった。

 しかし、来てはみたものの魔法は使えないし・・・剣があればまだどうにかなりそうなんだけど・・・役立たずだな、俺。

 何か使えないか当たりを見回して探していいものを見つけた、のびていた取り巻き貴族が腰に装飾用の軍刀をさげていた。


「使わせてもらうぞ」


 腰に佩いていた軍刀を取り上げて鞘から抜く。ちょっと装飾がゴタゴタして使いにくいけど、この際仕方ない。


「ちょ・・・そんな剣でどうするんだい?」

「どうにかする」

「どうにかするって・・・それよりも彼らを安全なとこへ」

「ロートヴォルフ相手に二人担いで逃げるより、今ここで二人で追い払った方がいいだろうよ」


 そう言うとえらい不安な顔をされた。

 ロートヴォルフは全身が赤い体毛で覆われているだけでなく、体内に熱を貯める臓器がありそこから発する熱気で近づくと火傷することもあるため基本的に遠距離からの魔法攻撃を推奨されている。

 だからまぁ剣で戦う姿を見れば不安にもなるだろうけどこれしかなんだからしょうがない。


「そうかもしれんないけど・・・」

「ほら来たぞっ!俺が受けるから合わせてくれよ!」


 言い合ってるうちにロートヴォルフが素早い身のこなしで接近し、爪を振り下ろしてきた。

 それを軍刀で受け止めて横に逸らし、地面に爪が刺さりその隙にその場から退く。


「水よ!!」


 退いた瞬間リミリアが水属性の魔法を放った。

 水は球状になりロートヴォルフの顔面を直撃し、ダメージを受けたロートヴォルフは地面をのたうち回った。

 当たったとき、水が蒸発し蒸気が発生して辺りが白く染まった。


「今だ!逃げるぞ!」

「う、うん!」


 リミリアに声をかけながら取り巻き貴族の男子の方を担ぐ。

 リミリアは女子の方をお姫様抱っこした、何か絵になる。


「いいか?」

「うん」


 確認をとり頷いたのを見て同時に走りだす、当たり前だけど魔物がいるとは反対方向にだ。

 リミリアは俺と並走してる、こいつすごいな。


「ガルルゥ!」

「げっ、もう起きた」

「このままだと町に魔物が!」

「それは困るなぁ・・・やっぱり倒す?」

「倒さなくても追い払うしかな・・・きゃあ!」


 いつの間にやら、もう追いつかれたらしくリミリアが襲われてしまった。

 振りかぶった爪が肩を掠っただけだが衝撃が大きかったのか倒されてしまった。


「っリミリア!」

「う、くぅ・・・」


 体を起こそうとしても起こせないのか少し動くだけで起き上がる気配がなく、その間にもロートヴォルフが爪を振り上げた。


「グオアアアァァぁ!!」

「水よ!!」


 攻撃する瞬間、反射的に魔法を使っていた、そう反射的に・・・それが意味するところは――


「グブボぉぁ・・・!」

「・・・あ」


 想像したのが直線状にゆく水流で、あいつが怯むくらいしてくればいいと思っていた、今の呪いを忘れて。

 その結果どうなったかというと・・・


「なんなの、これ・・・?」

「・・・」


 ありえない大きさの水の奔流がロートヴォルフを飲み込み、それで終わらず後ろの木々を巻き込んで吹き飛ばしてしまった。

 おかげでここだけ妙に日当たりの良い場所になってしまった、ついでに湿地原にもなった。


「あなた・・・何をしたの?」

「じゃあ俺はこれで、もう魔物もいないから一人でも大丈夫だよな」

「あ、ちょっと待ちなさい!」


 当然、説明を求められたが無視してにげ・・・帰ろうとしてらいつの間にやら起き上がっていたリミリアに襟首掴まれ捕まってしまった。


「せめて何をしたのか説明しなさいよ」

「いや俺だって知らないし」

「嘘つかないでよ、やったのあなたでしょ!?」


 知ってたらこんな苦労しないわ。

 つーかいい加減襟首から手を離せ、逃げないから。


「さぁ教えてもらいましょうか、何あの魔法?私でもあんな威力でないわよ。それにあなた殆ど魔力ないんでしょ?どう考えたっておかしいでしょ」


 まさか本当は魔力をすさまじい量を持ってるんじゃ・・・!とか勘違いし始めたから仕方なく呪いのことを話すことにした。もしかしたら呪いを解く方法を知ってるかもしれないし。

 一通り話すとリミリアから予想外の一言が出てきた


「・・・なんで加護を解こうとしてるの?」

「・・・加護?」

「加護でしょ?妖精様の」


 リミリアが何を言ってるのかよくわからなかった・・・加護・・・妖精?

 妖精と言えばおとぎ話に出てくる存在で、いわゆる英雄や勇者といった偉人と関わりがある存在として描かれ、気に入った相手に加護と呼ばれるものを与えるそうだ。

 加護を受けたものは例外なく強力な力を手に入れ後世に名を遺す偉人となっている。

 一方でいたずら好きとしても知られていて謎の現象や不可解なものは妖精のせいだと比喩することもあるほどだ。

 いたずらするのは基本的に気に入らない相手らしいのだが割と気まぐれな存在だったりする。


「これが加護・・・?」

「そうでしょ?だって魔法がすごい威力になるんだから」

「俺にとってはいたずらだよ・・・」


 加護と言われて呆然とする・・・どうせなら魔力を増やす加護がほしかった。

 生活に魔法が使えないとか辛すぎる。

 俺のそんな言葉が理解できないのかリミリアは首を傾げている


「生活に使う魔法なんて使用人に任せればいいじゃない」

「平民の発想じゃねーな」

「え、あっいや、ほら。その魔法ならどんな魔物でも倒せるからお金には困らないんじゃないかなーって」


 思わず辛い言い方をしてしまったが平民から使用人という言葉は中々でないと思ってた・・・どこのお嬢様だって話しだし。

 辛い言い方が悪かったのか焦ったように理由をつけ足した。

 まぁでも確かにこの魔法ならどんな魔物も一撃だろう


「でもなぁ・・・あんまり使いたくないんだよね」

「どうして?」

「あんな威力の魔法をバカスカ撃てるかってんだ。それに今の生活を気に入ってるからな」

「ふーん・・・」

「そうそう、あとこのことは誰にも言わないでほしいんだ」

「どうして?」

「あんな魔法が使えるってわかったら面倒だろ?それに妖精の加護っていうんなら余計に言いふらさない方がいいだろ」

「それもそうね」

「だからよろしく頼むよ」

「わかった。その代わり暫くあなたと行動していい?」

「はぁ?」


 これまた予想外の言葉に一瞬言葉が詰まった。

 一緒に行動?リミリアが?俺と?なんで?


「あなた魔力がないのに妖精に気に入られたりして、何か面白そうじゃない。それに加護を解く手伝いもするわ」

「いやだからって、リミリアが俺と行動するのは目立ちすぎるというか・・・」

「仕方ないか・・・明日先生に加護のことをお話しして協力を仰ぐしかないわね」

「一緒に手伝っていただけないでしょうかリミリア嬢」

「ええ、よろしくね」


 了承したことに笑顔で答え握手をされた。


 この後の加護が解けるまで(解けるのか知らないけど)のことを考えると、妖精がいたずら好きというのは本当かもしれないと思えた・・・

終わり方が中途半端だと思いましたがこれだけです、続きは恐らくありません

あ、ツイッターやってるんでよかったらどうぞ、活動報告にでも載せときますんでよかったら

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[良い点] リミリアさんがボクっ娘な気がする… [一言] 殲滅には使えるけど、特定の魔物を倒すには使えないね。
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