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乙ゲーと思ったらロボアニメでした。  作者: 小宮 海
第四章 サハラ共和国編
99/220

episode:79 雨

今回、書きたかったシーンが沢山です。

…ハルバートが、離れた場所に刺さります。


 episode:79 雨


 私は、状況を瞬時に理解してナイフを取り出して構えます。ですがリーチの問題で彼が再び優勢になりました。蛇腹剣が襲い、私は避けますが彼がしならせると私は当たりました。ナイフで庇いますが何とか凌げただけに止まります。私はライフルを撃ちますが、当たらずナイフも先程の攻撃で飛びました。……今、手元にある武器はライフルしかなく、ハルバートは離れすぎていて取りにいけない…。

「……君のその思いは純粋で優しく強い、だが…」

蛇腹剣が私に向かってまた来ます。

「だからこそ!!政府に良いようにされる!!」

しならせ、撃ち、避けての繰り返し……

「アイツ等は、それすらも気にとめない!それでも優しい君に守る価値が……あるのか!!」

「…そんなの…知らない!!政府なんて!!…だけど、大切な人達がいるから!!」

「それが利用されると言うんだ!」

……遂に、ライフルに当たり吹き飛びました。そして私の手持ちが無くなりました。だけど…


 …だけど諦めない!…

そして、オルコットが近づいてきましたが……

「…っ!君かっ…!!」

私の後ろで、ブラウ君がライフルランサーで射撃をしてくれました。オルコットが一旦後ろに下がりましたそして…なんと、ブラウ君が


「シズクっ!!これを使えっ!!」


さっきまで射撃をしていたライフルランサーを私に向かって投げてきました。しかし、オルコットがそれに気付き蛇腹剣で防ごうとしましたが、ブラウ君がオルコットに向かってハンドガンを放ち、一瞬の隙ができましたが、ライフルランサーが蛇腹剣に当たったため、後数メートルの所で高く上がりました。…私は、勢いを付けてライフルランサーを持つために手を伸ばすために、助走をつけて高く跳び、そして……


…私は、彼から預かったライフルランサーを持ちました。そして…


 着地と同時に彼に向かってライフルランサーを撃ちながらオルコットに向かって前進しました。

…一方、向こうではハンドガンを片手にオルコットと戦っていたブラウ君が見えました。此方の攻撃を避けれずにマトモに喰らい、怯んだところを……


…地面を蹴り、ライフルランサーを彼に向かって突き刺しました…


突き刺された機体は、そのまま動くことはなく武器を落としました…。私は、無言で引き抜き彼を見ました…。


…彼は、頭や腹、腕からも血を流していましたが…


…表情は、とても穏やかでした。そして彼は私に向かって言いました。


「…ごふっ…所で…嬢ちゃん…君の名前は…ぐっ…なんて言うんだ…聞き忘れてたんだ…」

「シズクです。皆、そう呼びます。」


彼は目を閉じて、そうか、シズクか…と言いました

…私は、彼がそう長くないことは見て分かりました。…先程の攻撃のせいでしょう…それでも彼は…


     …最期に、こう言いました…


「……もし、君のその生き方が揺らぐ時がくるとする…君は迷うことがあると思う…だが…」


ー…だが、それを貫き通したかったら君は、俺に言った言葉を思い出せばいい…ー


「…ははっ…マトモに死ぬ事なんて、無いと思ったが…ごほっ…これは…これで…良い死に様だな…」

「私も、最期に一つ良いでしょうか」

「…なんだ。シズク。」


こういう風に言うのは可笑しいかもしれない。だけど私は彼に言った…。


「私達を…子供達を…心配して、守ろうとしてくれて…ありがとうございます…」


…そして、彼は驚いた顔をした後優しく笑い静かに目を閉じた…

 

…彼を労うように、砂漠に雨が降り注ぐ…それはオルコットさんにお疲れ様と言っているようだった。…

……そして、私達は勝利を手に入れた…私は何故か涙を流していたが、彼を手に掛けたことを悔いているのではなく上手く説明できない、胸が一杯になって、暫くは涙を流し続けていました。…

…シズク泣いた理由は、決して彼を手に掛けたことに対する涙ではなく、ただ、無意識に流していただけです。…なので、シズクがこの時思ったのは純粋に彼の優しさを理解して、自然にこぼれしまいました。だからこそ、最後のさん付けは敢えてそうしました。後、仲間の武器を手渡すシーンはどうしてもやりたかったんです。後少しで砂漠編が終わります。


…次で100話目とか…速いですね…それでは。

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