表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
65/220

episode:016 言えない言葉

ブラウ視点な少女漫画要素ありです。

…看護士に礼を言うと、直ぐに甲板に向かった。


 episode:016 言えない言葉


 俺はシズクを見つけ、声を掛けるとは表情がとてもすっきりさせていた。少し寒そうな格好をして…シズクは、やはりあちこちに包帯が巻かれていたが、それよりも、


ー…さっきまで泣いていたのか、涙の後が付いていた。…ー

シズクに様子を聞くと大丈夫だといい、お礼を言われた。ふとシズクの俺に対する呼び名が気になり、質問すると、彼女はキョトンとしていた。そして、呼び名を逆に気にしていたのか聞かれ、ハッとして気まずげに訂正を促したが、彼女はブラウ君で良いかと聞いてきたため、了承した。……但し、敬語は癖な為直ぐには取れないらしい。…別に敬語を使われていたことは気にしてはない。

その後、俺は、シズクの頬をつかみ目を覗いた。

やはり、泣いていたのかまだ濡れていたが視線は俺に真っ直ぐに向かっていた。彼女は大丈夫と言ったが、俺は

ー…彼女の事を全部話して欲しいと自分の立場もわきまえずに思い、たまらず…ー


……抱きしめた。

彼女の戸惑う声に耳を貸さない振りをして、彼女を自分の腕に閉じ込めた。俺は彼女に小声で近くにいても聞こえないくらいの小さな声で言った。

「すまない……」

シズクが俺の背中に手を回してきたときは、心が何だか暖かくなった。俺は多分、心配されているんだろう。…立場が逆になったなと思わず自分を笑う。

「大丈夫です。」

…俺は、その言葉を聞くと思ってはいけない言葉が頭をよぎった。

ー…彼女を…シズクを…守りたい。…ー

スパイとして乗り込んで、皆を騙している俺が思ってはいけない事を思い、シズクを優しく強く抱きしめ続けた。彼女は何も言わない。俺はシズクから離れると、彼女も離れた。…もう少しだけ、抱き締めていたかったが…

そして、彼女と顔を見合わせて、シズクは

ー…優しく、微笑んでくれた…ー

シズクの手を取り、今度は手を繋ぐとシズクも握り返してくれた。…朝日が登るのを二人で見ていた。


今回は、ブラウの気持ち、葛藤そしてほんのりとした心。

……私が書きたかった話です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ