episode:37 仲間
今回は王道パターン
…ふと、何かに私達は気付きました。
episode:37 仲間
ブラウ君は私の手をそっと離すと、
「いい加減に出てこい」
と、腰にあったナイフを甲板の出口付近に投げました。すると、
「いや…覗くつもりはなくてだな…」
「…すまん…出るに出られなかったんだ…」
クラウスさんとコウヤさんが先に、
「わ…わざとじゃないんだよ?ホントだよ?」
「あら~まだ帰ってないって言うから心配してルーナの代わりに来てみたら…何だか悪かったわね?」
少し慌てたミレーヌさんと先ほどいたレティさんが因みにルーナさんは看護士さんの名前です。
「何かと思ったら…」
「悪いが俺達は今ここに来たばかりだ」
そして最後にリチャード君とアルさんが。…私は少し首を傾けましたが、ブラウ君は不機嫌でした。そして、私は七人に向かって頭を下げました。皆反応がそれぞれでした。私は、
「皆さん、ご心配をお掛けしてすみませんでした。それと、」
謝ると顔を上げて、
「ありがとうございました!!」
私はその言葉にそれぞれの決意や覚悟、思いを籠めて言いました。皆最初は唖然としていましたが、私が何のことを言っているのか分かってくれたようで、レティさんは優しく笑い、ミレーヌさんは抱き締めて、コウヤさんとアルさんは両肩を叩いてくれ、クラウスさんは頭を撫でてくれ、リチャード君は私の空いてる手でハイタッチしてけれ、ブラウ君を見ると彼の手を取り、少し驚かれました。
ー…お母さん、お父さん、紅条様、私素敵な仲間ができたんです。…ー
私はここにはいない、大切な人達を思いました。
……もしまた、私が躓いて後ろを振り返り、立ち止まっても、皆が手を引いてくれるだから私も、そうなるように、迷っていたら手を引きたいから……
私は、ここで皆といる。
私は皆に笑顔を向けた…
シズク、決意する。次回もお願いします。それでは。




