episode:04 事情聴取
今回はクラウスさん視点です。
…何なんだこのガキは…
episode:04 事情聴取
俺は今、向かいに座っているガキ…ブラウって言ったか?今そいつに質問している。何でも、記憶が無くて、偶然シズクと出会っていたとか…そして何故かあったあの機体に乗れたと…はっはっは…
「んなわけあるか!!」
「落ち着けクラウス」
即座にアルの突っ込みが入る。だが俺が叫びたくなる気持ちも考えて欲しい。どこの世界にそこにあった機体で動かせる偶然がある?!しかも…
「記憶喪失っつーのもなんか胡散臭せぇ…」
「そんな事言われても分からん物は分からん。」
…この態度である。もう少し謙虚に出来んのか謙虚に。アルが今度は質問をした。
「お前さんは島に来る前も分からんのか?」
「さっぱり分からん。」
「何そうですけどなにか?って顔してんだよ!」
はぁ…俺はため息を思いっきり付いた…。アルがまた質問をする。あの機体のことは知らないけど名前は分かるとか。どうやらあの機体の名前はヴァッサーと言うらしい。コクピットを見せてもらったが細部に違いはある物の、俺達と殆ど同じだった。それに関しては整備士の親父っさんに頼んだ。親父っさんも嬉しそうな顔で親指を突き立ててた。笑顔マジ輝いてた。後は…
「では何故、シズクが怪我を負った?」
アルの質問に感情無くこいつは答える。
「敵から逃亡している最中に攻撃され、手を離され木にぶつかった。足はいつの間にか怪我をしていた。」
…話していて思うのだが、こいつは感情が欠落している。多分自分自身が怪我をしてもこういう風に“報告”するだろう事は予想できた。
俺は、こいつがただの記憶喪失じゃないことを感だが感じていた。…長年戦場にいたからだろう。分かるのだ。それにアルからこいつの戦闘映像を見て分かるようにこいつは少なくとも訓練された兵士だ。本当に記憶喪失で体が反応しただけでもあそこまで戸惑わずに出来るのは違和感があった。
「何か質問はあるか?」
アルが尋ねるとこいつは、
「そう言えば、あの少女は?」
…多分、シズクの事だろう。シズクは今ミレーヌに肩を担がれて医療室に行ったからな。
「あいつは今診察中だ」
俺がそういうと納得したのか黙った。
…シズクがこいつを庇ったのが何となく分かる。
もちろん全てが真実だろうが言い方がこいつを庇っていたからな。…まぁ、シズクはあいつ等に任せればいいだろう。本題だ。
「……じゃあ、本当に、何も、わからねぇんだな?」
念を押すために言った。こいつは変わらず
「あぁ、分からん」
と言った。この後見張りと変わって俺とアルは艦長にこのことを伝え、最終判断を任せた。艦長は俺達にお疲れと言って解散を促した。
「…ま、後は艦長に任せりゃ良いか。」
そう独り言を言って、窓から煙草を吸った。
……明日、レティとアルと一緒にシズクの様子を見に行くか…
そう思い、煙をはきだした…。
クラウスさんはシズクやミレーヌの事を妹のように思っています。かなり仲間思いなので、懐にいれたら守ろうとします。




