表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
219/220

episode:047 目線

今回、school princessのとある攻略対象の独白。

…俺は、悪くなんてない!


episode:047 目線


 俺は、今自分の部屋のベッドで頭を抱えていた。


 今日、紅条 椿が俺の家に来た…。俺が碧の家に……父や母に何も言わずに婚約破棄したことを知られたのだ……。


 勿論、俺は父と母に伝えるつもりだった…そして、彼女と一緒になるつもりだった…


 紅条 椿は、俺達に茶山 碧がとある資産家に売られたことを俺と其処にいた家族に話した。


「何故……そんな所に…」


 父は、顔をしかめて……



「嘘でしょう……椿さん……」

 

 母は、口を覆って……


「そんな……どうして……」

 

 妹は、顔を真っ青にして……


 俺は、あいつがあの資産家の所に行くなんて知らなかったし第一、普通家族ならあんな……頭のおかしい奴の所に行かせる訳ないじゃないか…!


 そして、紅条は俺達にあることを告げた。


「何故、碧様がそのような場所に行かれたのか……知っていますよね…?……白崎 清様…」


 紅条の目は、まるで……冷たく…俺を見ていた…。だから、俺は……


「知っ……知るわけないでしょう?!…大体!碧とは…婚約を破棄しただけじゃないか!!」


 思わず、その冷たい目から逃れたくて…言ってしまった……だけど、それがまずかった…


「……お前は……婚約を破棄することを私達に言ったか?」


 父が、静かに……何も感情を移していない目で見てきた。


「……お兄様……?」


 妹が、信じられないような顔で見てきた……


「…なんて事を……!貴方は!!」


 母が、非難した声で言った……


 俺は、余計なことを言わせた紅条 椿を睨みつけると……


 彼女は、俺に向かって……先程よりも…冷たくて凍てつくような眼差しで…見下していた……


 普段の俺なら、其処で何か言うのだが……家族からの糾弾と……何より……紅条の…あの…目線が何よりも…今まで経験した以上に恐ろしく感じて……



「お……俺は!悪くない!!悪いのは、あの…そう!あの女だろ!?」


 逃れたくて、そう言ってしまった。そして、紅条は……



 俺を、嘲笑するように……まるで救いのない、愚者を見るような……顔をした……。



 怖くなり、そこから大人げなく逃げて部屋に閉じこもった。


 そして、翌日……父から…俺を跡取りから外して妹を跡取りにすると言われた。だけど、納得できなくて抗議すると……


「……貴方は、自分のしでかした事の重大さを理解していなかったみたいね…」


 母から、呆れを含んだ声で黙ると……


「…反省するようなら、少しは考えようとしたけれど……ダメだったみたいね……」


 溜め息をついた母は、父を見て、


「……お前は、勘当することにした……大事なことを私達に相談なく決め…そして…自分の事に責任を持てない者を……上に立つ者としての資格はない」


 その言葉に……声を失って…呆然とみると…


 父は……あの時の…紅条 椿と同じような…目で…



「お前には……失望した……」


「……あなたが、行くところは…私の家に縁のある場所です……そこに行けば、私達とは既に関係なくなると思いなさい」


 母の淡々とした声が部屋に響いた…


「話は終わりです……下がりなさい……」



 何か言いたくても、何も言えずにその場で暫くした後、部屋から出ると……



「兄さんは…変わってしまったんですね……私はあなたを尊敬していました…だけど…私の憧れていた兄さんは、もういないんですね…」


 妹が、部屋の外に行て俺を見ずに話す…


「どうか、お元気で……さようなら、兄さん…」



 そして、振り向かずにそのまま去っていった…。



 部屋に戻り、俺は今こうしてベッドに座って頭を抱えていた……。



ー…なんで……俺は悪くないじゃないか…俺は、騙されただけで…それに、碧がそんな事になってるなんて知るわけがない…なのに……ー



 どうして、こんな事になったんだ……?


 

 今まで、努力してきたんだ…跡取りになるために…必死に頑張って……なのに…なんで……どうしてこんな事になったんだよ!?



 俺は、勘当を言い渡されたその2ヶ月後に母の家に縁のある場所に向かっていた……車は、両親が敢えて用意せずに、自力で行くように言われた……家族からの見送りは無く、その場から歩いて……、店の建ち並ぶ場所に出た。



 町の人の笑い声と笑顔が自分を嗤っているように思えて、必要な物が入っているバッグをキツく握りしめて、近道をするために人通りのない場所に曲がると……



 突然、後ろから誰かに羽交い締めにされた……。俺は必死に抵抗したけれど、それも意味がなく…そのまま……俺は、連れ去られた……。



 そして、俺は思った……



 どうして、こんな目に遭うんだ……俺は、何も……悪くないのに……。

 


と言うわけで、今回は攻略対象、白崎 清を書きました。……いや、書いてて神経をすり減らしたのは初めてです…

…コイツは、自分が悪いとは思ってないし、人に罪を擦り付けるし……子供かよと……子供でしたね。


因みに、神童と言われたのはコイツです。そして、設定では彼等の家族は大きな病院を経営しています。院長は彼の父親です。母親は看護師と言う設定。跡取りは妹に変更。

……因みに、妹は、自分の個人医院を持つのが夢でした。


それでは



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ