episode:169 闖入者
今回は、謎の機体が登場します
…それは、空から素早く落ちてきました。
episode:169 闖入者
目の前の機体は……頭部の目の辺りがバイザーのようなもので被せていて、手の部分には腕から剣のように刃を出していました。
その、濃紺の機体は…倒れている…機体の残骸を気にもせずに、ゆっくりと踏みしめて…私と対峙した瞬間……
「!?」
凄い早さで、私に向かってその、刃の付いた腕を振り上げてきました。そして、その刃が私に向かう前に、
ハルバートで受け止めました。刃と刃が合わさり、相手はそのまま私と押し合いを始めました。
「くっ……なんて…力……!!」
手に握る操縦桿で、なんとか押し返そうとしますが、明らかに私の方が押されています……。私は、敢えて力を抜いた後、
ハルバートを横に、斬るように振り回した!
その甲斐があったのか、相手は大きく間を持たせましたが…また、私目掛けて迫ってきました。
ー…なんて速い!…まるで、肉食獣だ!…ー
私も、負けじと走り出して、相手とぶつかるようにもう一度、ハルバートと剣を合わせてまた、押し合うような形で対峙しました。
「…貴方は、誰ですか……何故、此処に?」
「………」
「…何故、私を狙ったんですか……?」
「………」
私の問いかけに、相手は何も言わずに…今度は反対側の手で、刃を出して襲いかかってきました。
私は、それを器用に避け間合いを取ろうとしました。
しかし、相手がそれを見逃す筈はなく、私は腹部を蹴られてしまい、飛ばされました。
「きゃあっ!!」
悲鳴を上げて、その場から飛び、仰向けに倒れました…相手は、そのまま私に向かって素早く走り出しました。……
ー…マズい……!…ー
私は、今…自分が殺されそうになっているのを理解すると、この状況を解決する方法を考えました…立ち上がる為に機体を動かそうとしますが…目の前の敵は私が動けないことを分かっているのか、ゆっくりと歩いてきます……
ー…殺される……ー
私は、衝撃で打ちつけた頭でぼんやりと考えていました…
ー…私、死ぬの……?此処で……?…ー
ゆっくりと周りが動くような錯覚がしました。
ー…そっか…死んじゃうのか……ー
……ふと首に下げた……三日月のネックレスをみた後……
ー…ごめん……シズク……ー
此処には、いない…私の大切な人の言葉が頭に響いた…
…そうだ、私はここで死ぬわけには行かないんだ…だって、私はまだ、ブラウ君にあってない!大切な人を……守れてない………!それに……
私は…例え、何があろうと…ボロボロになったって、ちゃんと……生きるって!!
だから、
「……ねない……!」
強く、強く操縦桿を握りしめ、ぼんやりする頭を強引に起こして……
「……私はっ……!死ねない!!…まだ、何もやってないのに!死ぬことはしたくない!」
自分の、ありったけの思いを言葉に込めて!!
「こんな、所で!!死ぬのだけは!イヤだ!!」
その、私の叫びを雪桜に乗せて…私は、雪桜を再び動かし、相手目掛けてハルバートで切りつけました。
「!?」
相手は、私がもう動かないと思っていたのか、不意打ちに耐えきれず…近くにいた為に、私の反撃をくらい…ダメージを与えました。
私は、そのまま相手に向かって更に攻撃を加えます。とっさに動きましたが、相手は避けきれずに、今度は先程の武器が付いた腕を切り落とします。
流石の相手も、自分が不利になるのが分かったのか、距離を取ろうとします。私がそれを許すはずも無く、詰めようとしましたが、その瞬間に、上から白い煙が当たりを包みました。
「何……この煙……」
そして、その煙が薄くなると……先ほどの機体は…最初からいなかったかのように……消えてしまいました……。
というわけて、今回はなんとかシズクの勝ちです。……初めの頃に比べたら、彼女は段々強くなっているようです。
さて、今回出てきた謎の機体……そして、何気に装備がカッコいいと思っています。
それでは




