episode:16 自覚すること
今回は、彼との話が中心です。
…艦内に戻った後、レティさん達が無事で良かった
episode:16 自覚すること
あの後、リチャード君が既に弾丸が切れたレティさんを助けるためあの五角形に応戦したとのことだった。そして、私がヘリから投げ出された時は、なんと、あの五角形の一つがレティさんに向かって自爆しようとしてきたが、間一髪で避けたのまでは良かったが。なんと、その風圧がスゴかったらしい。そこでちょうどレティさんとリチャード君が風圧に圧されるのと同じで、ヘリにもきてしまい私が投げ出されたとのことだった。とにかく二人が無事で良かった。
その後は、青い布の機体が私を追いかけてしまい、五角形の敵が一体ついてちょうどタイミング良く起動した私の目の前に現れてしまったとのことでした。
因みに五角形はあの後は私が応戦中に皆で全て倒したためあの機体が気付いて撤退したとのことでした。
私は格納庫に戻るとレティさんとミレーヌさんに抱き締められ、コウヤさんは目が合うと少し笑ってくれて、クラウスさんは頭をアルさんは肩を軽く叩いてくれた。リチャード君は…
そう、あの後は皆で暫くは健闘を称えて解散したが、私はリチャード君に呼び止められ今こうして二人でいた。ちなみに私の機体、雪桜は整備士の人が見てくれている。ほかの機体も同じように。
「呼び止めて悪かったな。」
「大丈夫だよ。」
リチャード君が話を掛けると私も返した。なんか新鮮。
「無人島にいた頃、お前のことを避けてたの知っていたか?」
…改めて言われるとやっぱりそうなんだなと思った。私は頷くとリチャード君の言葉に耳を傾けた。
何でも避けていたのは、ユエちゃんやジョン君と違って私はリチャード君にとってコンプレックスを刺激されてあんな態度をとっていたらしい。私は知らない間に酷いことをしていたのかと思い、そっちにショックを受けた。
「ごめんなさい…」
いたたまれなくなりリチャード君に謝ると
「お前が謝る必要はない。寧ろ俺が謝る方なんだ。
…俺がここに来た時、自分が納得出来ずに無理矢理無国籍にさせられて、覚悟も自覚もないままそれでも自分が生きないといけないと思ったんだ。ここに来る奴は大抵は皆俺と同じでなんも自覚も覚悟もないままにひたすらにやってきたんだ…。だけど、お前が来た日に、お前は俺達と同じかと思ったんだ…だけど…」
…お前の目は、俺と正反対で覚悟も自覚もしていた。
「それを見て、なんで自分はそんな準備も出来なかったのにコイツは準備を貰えたんだって勝手に憤ってた…。ごめん、今思うと理不尽だよな…それで、あの事件の時に二人が捕まった時やあの黒い機体の時、お前は自分よりもまず二人や俺を優先してくれただろ?それを見たら自分が小さくなったみたいで…だから避けてた。」
そう言うとリチャード君は顔を歪ませてごめんと謝ってきた。私は、
「…嫌われてたんじゃなかったんだね」
そう、私は彼に嫌われていた訳じゃなかった。
「…私は、ここに来る前に信じてた人たちに裏切られて、自分でも悲しい事が分からなくなったんだ。だけど、反対に私を最後まで信じてくれて無事を祈ってくれる人たちがいることを知ったの。だから…」
ー…だからこそ、覚悟を決めて私は守りたいと思った…ー
そう言うとリチャード君はそっかと言って
「やっぱりお前は俺達と違って凄いな」
暫くは沈黙が続いたけど、リチャード君が
「…さて、じゃあ行くかそれと本当に悪かったな。」
私は頷くとリチャード君と一緒に格納庫を出て行った…。
きっとこれからも理不尽な事が起きるだろう。けど、
ー…それに負けないくらい、強くなろう…ー
そう思い、私は気持ちを改めた…ー
次回もまだまだ続きます。




