episode:147 タイミング
今回、あの人が出てきます。
…結局、私は
episode:147 タイミング
あの後、ブラウ君に謝ろうと声をかけましたが、ブラウ君は私を見た後、また、悲しそうな顔して
「行ってくる……それと、この間はごめんな」
そういうと振り返らずに私が声を掛けるまもなく直ぐに行ってしまいました。私は、呼び止めようとしましたがブラウ君はまるで拒絶するように後ろを振り返らずに去っていきました。私は、溢れてくる涙が止められずに裾で何度も何度も拭いました…。
ー…泣きたいのは、本当はブラウ君のはずなのに…ー
私は、少しでも涙を止めるため水場までなるべく泣き顔を見せないように俯きながら、歩き出しました。その時、私は誰かにぶつかり、反射的に顔を上げると……
「大丈夫かい、シズク君…」
「……コスタヤさん…」
「前を向いてないと危ないよ……おや、泣いていたのかい?」
コスタヤさんはそういうと屈んで、目元に優しくハンカチを置いてくれました。私は、
「…すみません…ハンカチ……」
「構わないよ。何で泣いていたのかは……敢えて聞かないようにするよ」
「ありがとうございます」
そして、やっと涙が止まると私はお礼をもう一度言うと
「あはは、もう大丈夫そうだね…」
「はい……あの、」
「あぁ、泣いていたことは内緒にしておくから安心して欲しい」
「はい」
コスタヤさんは私の頭を撫でると、
「人には、タイミングと言うものがあってね、それをなかなか合わせられない時のほうが多いんだ。だけど、それが会わせられなくてもきっとパズルのように合わせる時がくるから、焦らなくて大丈夫だよ」
…コスタヤさんは、私とブラウ君の事を言っているようでした。見てはいないけれど何かあったことを分かっている…そんな風に感じました。私はコスタヤさんを見上げると彼は、とても優しく笑ってくれ心が温かくなるようでした。そして、顔を洗うためにコスタヤさんにもう一度お礼を言って別れました。
ー…ブラウ君が帰ってきたら、今度こそちゃんと謝ろう…ー
私は、胸元にある服を握りしめて歩きました。
私的に。コスタヤさんって、ある意味また違った視点の大人なんですよね。シズクはことあるごとに泣いていますね…ごめんよ…。それでは。




