episode:145 すれ違い
今回、切ないです。
…格納庫から歩いている途中、
episode:145 すれ違い
「…ブラウ…君?」
「……シズク?どうしたんだ?」
私は、廊下の窓でぼんやりとしたブラウ君を見つけました。彼は私に気付くと一瞬、悲しそうなそれでいて思い詰めている表情をしていました。
「……ブラウ君、どうしたんですか?何だか元気が無いですよ…?」
「……何でもない。大丈夫だ…」
「…でも、何だか思い詰めているようでしたよ…」
「………気のせいだ…」
…ブラウ君は、いつもより素っ気なくどこか突き放すように言いました。私は、
「……気のせいなんかじゃありません、もし、私でよければ話してくれませんか…?」
「……だから、何でもないんだ……」
「…もしかして、悩んでいるんですか?」
「…だからっ!何でもないんだ!!」
「……っ!」
…初めて聞く、ブラウ君の怒鳴り声に私は思わず身を竦んでしまいました。そして、ブラウ君ははっとするとどこか後悔を滲ませた表情をした後、先程よりも顔を歪めて小さくごめんと言った後、そのまま私とは逆方向に行きました…。
ー…私、ブラウ君を傷付けた…?…ー
すぐに追いかけようとしても、私の足が縫い止められたように動きませんでした。私が、ブラウ君にしつこく聞いたせいで彼の何かに触れてしまい、傷つけてしまった…。その事実に私はずっとその場に立ち尽くしていました…。
ー…この時の私は、ブラウ君が何故追い詰められていたのか、知りませんでした。ただ、彼を悲しませた事を後悔するばかりでした…ー
七章序盤で二人がすれ違いを起こしてしまいました。(;´Д`)二人には必要な壁ですが…なんとなく切ない…。 それでは




