episode:032 闇の手
今回、冒頭からいろいろと酷いです。
…気が付いたら、そこにいた。
episode:032 闇の手
そして、私は車が着いたと同時に何処かも分からない、大きな屋敷の前に行くと…
「あぁ…いらっしゃっい…良く来たね…」
…見た目は普通の青年だが、目が異様にぎらついていて私を屋敷の中に無理矢理引っ張り込んだ。いきなりのことに驚き、直ぐに後ろを見るけれど車は行ってしまった…そして、
「ははっ…君の父親とは知り合いでね…今度の茶山側からの取引で、君を好きにして良いと言われたんだ…」
…やっぱり…そういう事か…
私は、唇を噛みしめると部屋に連れて行かされた…男は私を部屋に連れて行くと突然、ベッドに寝かされ…その後は、まるで人形のように扱われた…。
お母様の着物を脱がされ、最初は抵抗したが彼は抵抗すると私を無理矢理薬で寝かせ気が付いたら別の服を着せられた…そして、男がお風呂に入るときは私も入らされ、手錠を掛けられながら体を嫌な手つきで触った…眠るときは私は裸のままベッドに寝かされ、男が私の胸あたりを埋めて眠る…気持ち悪くて仕方なかったが、それぐらいしかされなかった。
ある日、男の知り合いが来て私を見ると男はなんと目の前で私の服を脱がした…抵抗は、出来なかった…知り合いが私を触り、まるで楽しんでいる様子で…嗤いながら男も触っていた…触られたくない…やめてと言っても…無駄だったから…気が済むと、知り合いが帰って行き、私と男だけになった…。屋敷には私と男しかいなかった…
…なんで、私がこんな目に逢わないといけないの…
…何もしてないのに…
次の日、私は部屋で身支度を整えていると…足音が聞こえた…。私は、男の知り合いか何かだと思いそのまま気にせずに支度を終えて…廊下に出て、男に呼ばれた書斎につき扉を開けようとすると…
「な…誰なんだ…お前達は…!?」
「悪いな…これも、仕事何でな?…じゃあな」
「まっ……」
話し声が聞こえて、扉から手を離した直後、
…聞き慣れない、海外ドラマで聞いたことのある銃の連射する音と共に…男の声は途絶えて、扉がいきなり開き私は…反射で相手を見た…
…彼は、焦げ茶の髪を無造作に一つに束ねてその緑色の瞳を細めて…ニヤリと笑うと私の手を掴み、恐怖で震える私を目の前まで引き寄せると顎に手を掛けて…
「へえ?この屋敷の主人は随分、良い女を囲っているじゃないか?名前は?」
「ぁ…あ……み……碧で……す……」
私は、彼の顔を正面から見て何とか、声を出した。
「貴方達は、誰ですか……?」
「…へぇ…俺か?俺は……」
彼は、顔を近づけると…
「ルエストだ」
私は、そこで目が覚めた…。初めてルエスト様と出会った夢を見た…あの時はまるで何が起こったかは分からずにいた…既に起きて、部屋に備えてあるシャワーの音を心地よく聞く…
彼とあの時出会っていなければ、私はずっとあの男に良いようにされていた…だけど、私は彼と出会って救われた…。彼がシャワー室から出ると、私は彼に向かって笑いかけ、
「おはようございます、ルエスト様。」
「あぁ…おはよう。ミドリ、そういや昨日面白い奴がいてな?…ソイツが女のガキなんだが俺から二回も逃げやがったんだ…お前と同じ東洋人だ。お前より四、五歳離れていたぞ見た目は。」
「まぁ…女の子ですか?少し気になります…どんな子でしょうね?」
「まだ分からねえな…さて、俺は機体の様子を見に行く…お前はシャワーを浴びて今日来る機体を待ってろ」
「分かりました。それではお借りしますね。」
ルエスト様は、部屋から出て私はシャワー室に向かいそのまま、入った…昨日は彼と交わしたから、裸のままだ…そして私はシャワーを浴びて、思う。
ー…私の機体、なんて名前にしましょう?ルエスト様は昨日は随分と楽しまれていたみたいですし…ー
私は、ルエスト様から送られてくる今日のプレゼントを楽しみにしながら身支度を整えた……
私は、あの日彼に救われた。だから今度は彼の為に、自分の全てを掛けよう。
そして、私もルエスト様の部屋を出た……
碧が屋敷の男の名前を知らないのは知ろうとしなかったから。男は完全に碧を人形扱いしていたから碧の名前を知っていたけれど敢えて呼ばなかったんです。……碧様視点は、いろいろとアウトな気がします。書いといて何ですが。読んで下さりありがとうございます。さて、次は別の方視点です。では




